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コロナウイルス関連英語表現集(7)3密、BCG

日本では緊急事態宣言が解除され、コロナウイルスによる死者数が圧倒的に少ないことから、最近、「日本はロックダウンや大量のPCR検査なしに、どのように収束を成し遂げたのか」を海外メディアが報道しています。成功したのは、「3つの密」というわかりやすい日本独特の感染対策のおかげなのか、感染症追跡で経験豊かな全国の5万人以上の保健師(public health nurse)を動員して早い段階でクラスター対策を行ったからなのか、それとも国民の衛生習慣によるものなのか… (海外メディアが独自で分析しているわけではなく、日本の専門家を取材し、これらの説があると解説している。)

3つの密

多くの国では、日本でも英語のまま使われるようになったsocial distancing(社会的距離を取ること)が、感染対策として取り入れられていますが、日本では、初期にクラスター感染が起こった環境に共通していたのが「3密—密閉、密集、密接」であったことから、政府は「3つの密」を避けるよう国民に呼びかけました。

国内メディアの英語媒体や海外メディアは、「3密」を”3C”と表現しています。それぞれの「C」に使われる英単語は、下記のようにメディアによって異なります。

The governor urged people to avoid the “3Cs” — confined and crowded spaces and close human contact.
(知事は、府民に3密–密封かつ密集空間、人との密接を避けるように促した。)

Experts are credited with creating an easy-to-understand message of avoiding the “Three C’s” — closed spaces, crowded spaces and close-contact settings.
(専門家らは、「3つの密」- 密閉、密集、密接を避けるというわかりやすいメッセージを打ち出した功績を認められている。)

Japanese medical experts defined a high-risk environment as a place with the overlapping “three Cs” – closed spaces with poor ventilation; crowded places with many people nearby; and close-contact settings such as close-range conversations.
(日本の医療専門家らは、高リスクの環境を「3つの密」–換気の悪い密閉空間、近くに大勢の人がいる密集場所、近距離での会話などの密接場面が重なる場所と定義した。)

BCG

日本をはじめ死者の少ない国では、結核予防のBCGワクチン接種が法律で義務付けられていることから、その関連性が議論され、数か国で因果関係を検証するための臨床試験が行われています。

アメリカでは、BCG接種が義務付けられたことはなく、西ヨーロッパでも以前は義務付けられていたものの、今ではそうではないので、”BCG”が何かを知っている人は稀です。そのため、「BCG」よりも、“TB vaccine”(結核ワクチン)と言った方が通じます。TBとはTuberclosis(結核)の略ですが、会話では、略語のTBが使われることが多いです。

Bacille Calmette-Guérin vaccine or BCG was developed by two French researchers as a vaccine against tuberculosis in 1921. (カルメット・ゲラン桿菌 、BCGは、1921年に結核のワクチンとして2人のフランス人研究者によって開発された。)

One study found that countries with mandatory TB vaccinations are experiencing lower death rates from COVID-19 than those without. (ある研究によると、結核予防のワクチンが義務付けらている国では、そうでない国よりもCOVID-19による致死率が低いことがわかった。)

The World Health Organization says there is no evidence that BCG protects people from Covid-19 infection. (WHOは、BCGがコロナウイルス感染予防に有効であるとは証明されてないと言明している。)

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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