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アジアでの海外旅行信頼度回復

欧米では海外旅行需要がキャパ超

日本では、ほとんど報道されていないようですが、今夏、北米とヨーロッパでは、予想以上に海外旅行の需要がリバウンドし、各地の空港はカオス状態でした。それというのも、コロナ禍で空港や航空会社の人員が削減されたことが背景にあります。アメリカやカナダでは連邦政府職員にはワクチン接種が義務付けられ(イヤなら退職)、「ワクチン接種を拒否すればクビ」という航空会社もありました。

アムステルダムやダブリンの空港では、乗客数が空港のキャパを超えてしまい、アメリカの航空会社に「これ以上、航空券を売ってくれるな」と通達したくらいです。カオスは、とくにカナダで酷く、欠航・遅延率が50%のエアカナダは世界最悪の航空会社、トロントの空港(Pearson)は世界最悪の空港として世界に悪名を轟かせました。

運悪く、私はそうしたニュースが流れる前に、アメリカからカナダにエアカナダで行く予定を組んでしまっていました。一応、出発まで毎日のように乗る便の遅延状態をチェックしていたのですが、最悪2時間遅れくらいのようだったので、「2時間くらいなら」と思っていたら…(米国内便なら、これくらい普通にあるので。)チェックインした荷物が紛失し1ヵ月も探している人たちが世界あちこちにいましたが、私はチェックイン荷物はなかったし。

が、実際には、2時間どころの遅延では済まず… モントリオールまでの便は、出発は30分遅れで「ヤッター」と思っていたら、離陸後に機長がアナウンスで「与圧装置が故障していて、低空飛行しかできないので、到着まで2時間余計にかかります。出発前に修理していたら、大変な遅れになっていたので」と!これ、人命に関わる「重大インシデント」ですけど。欠航・遅延だけならまだしも、エアカナダは安全面までいい加減なのか?!

モントリオール到着後、「ゲートがいっぱいで待機中ですが、空港と連絡が取れません。あらゆる部署で複数のトラブルが生じているようです。一旦エンジン切ります」と機長のアナウンス。周りにはゲートを待つ飛行機が何機も。こうして駐機場で待つこと20分。やっとゲートに着いたら、今度は「ゲートエージェントが見つかりません」と! 結局、予定より4時間以上遅れで着きました。

帰りはトロントからの出発で、「保安検査場が朝4時半に開くまでに乗客700人以上が列をなし、チェックインには4時間」と聞いていたので、覚悟して行ったところ、チェックインはスムーズでした。(空港職員は、悪名高い米TSA職員より感じ悪かったけど。)

ところが、搭乗の30分前にモントリオールからの乗継便が欠航という通知が入り(理由は乗務員の制約=勤務時間が規定以上になったため乗務員が乗れなくなった)、すぐに便を振り替えてもらいに行ったら、モントリオール経由でなくトロントからの直行便に振り返られました。朝6時半の便に乗るはずだったので、空港には4時半に着いていたのですが、午後2時まで空港で待つことに…(ホテル出る前に欠航のことを知らせてくれたら、12時ごろまでホテルにいれたのに…)

その後も遅延が重なり、本来、午前10時に着くところが、着いたのは夜の10時でした。ということで、私は、二度とエアカナダに乗るつもりはありません。

海外旅行に対し不安な日本人

一方、まだ海外からの個人観光客の入国が禁止されている日本の空港は、そんなカオスはどこ吹く風で、到着後のコロナ検査もなくなり、到着前にアプリで陰性証明他を登録しておけば(ファーストトラック)、コロナ前と同じくらいのスピードで入国できるようになっています。

日本を含むアジア・オセアニアは、欧米などに比べ、コロナ禍で厳しい出入国制限などを行ったため、海外旅行の回復度が低いのですが、海外への旅行、また海外からの旅行者受け入れに対し、どれだけ信頼度が回復しているかという調査が今春行われました。

ホテル予約サイト、Booking.comが今年4~5月にアジア11ヵ国の1万人以上を対象に行なった初の「旅行信頼度(Travel Confidence Index)」というアンケート調査では、旅行者受け入れを含め、海外旅行に対する信頼度が一番高かったのはインドで、一番低いのが日本という結果でした。

(Booking.com)

「ここ一年以内に海外旅行をするつもり」と答えたのは、中国の89%が最高で、ベトナム(86%)とインド(85%)が、それに続きました。中国に至っては「隔離政策が緩和されればすぐに海外に旅行する」という人が62%で、そのうちの43%が「日本か韓国に」という回答でした。一方、日本では「ここ一年以内に海外旅行をするつもり」という人は62%で、11ヵ国で最低だったのです。

ウイズコロナ時代の海外旅行–リスク」で書いたように、今春は、まだ渡航前だけでなく、入国後のPCR検査などを義務づけていた国があったため、旅行が途中で中断される(disruption)可能性がありました。「旅行中の中断も受け入れる」と答えたのは、インドの70%が一番高く、一番低かったのは日本の24%でした。(インド国内を旅行すれば、コロナ関係なしに、日ごろから中断・トラブルはつきものだから、慣れている?*)

今では、アジアでも、渡航前の陰性証明や陽性の場合の隔離を義務づけているところは減っているので、旅行に対する信頼度は、もっと上がっていると思います。

海外旅行に対し日本人が消極的なのには、リスク忌避の国民性というのもありますが、不安を煽りたがる自国叩きの好きな国内メディアの影響も大きいでしょうね。(「日本で世界最多の新規感染者」って、もう感染者数なんて追ってない国が多々あるのだから。多くの国では、すでにコロナはエンデミック扱い。詳細は後日。)



* コロナ関係なしに、新興国を個人旅行すれば、何らかの中断・トラブルは、ほぼつきもので、それがイヤなら、新興国にはツアーで行くしかない。インドの列車30時間遅れとか、マレーシアで長距離バスが故障して、運転手が英語話せないので情報のない中、代わりのバスを長時間待つとか、ベトナムで土砂崩れで長距離バスが立ち往生して、いつ発車できるかわからず、繁みで用を足すとかね(中国人女子が半泣きだった。)

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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