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外資・グローバル転職で役立つ英語表現(68)–  Meltdown

今週もドイツ関連の話を書くつもりで執筆を始めていたところ、spectacular(見物の)映像が飛び込んできました。”A Spectacle to Horrify the World”(世界を震撼させたショー)といった見出しをつける英大衆紙もあったトランプ大統領とゼレンスキー大統領のやりとり。多くのメディアが”meltdown”を使って報道しました。 

Trump-Zelenskyy meltdown sent shockwaves around the world.
(トランプ-ゼレンスキーの決裂は、世界に衝撃を走らせた。)

The historic Oval Office meltdown unfolded on live television.* 
(大統領執務室での歴史に残る決裂が、ライブのテレビで繰り広げられた。)

Watching the meltdown in the White House, my jaw dropped.
(ホワイトハウスでの決裂を見て、口があんぐりした。目が点になった。)

なお、「対決、決戦」を意味する”showdown”を使うメディアも多かったです。

The Oval Office meeting turned into a showdown
(大統領執務室での会談は対決となった。)

The two leaders clashed in the heated showdown.
(その二人の首脳は、白熱した争議で衝突した。)

Nuclear Meltdown

元々、”meltdown”とは炉心溶融(core meltdown)のことで、東日本大震災で福島第一原発で起こったメルトダウンは、世界的な大ニュースとなりました。あの事故がきっかけで、日本語でも「メルトダウン」が浸透しました。

The massive earthquake and tsunami led to meltdowns in three reactors.
(大規模な地震と津波の影響で、3つの原子炉でメルトダウンが起こった。)

TEPCO initially concealed the core meltdowns during the Fukushima accident.
(東京電力は、当初、福島での事故で炉心溶融を隠ぺいした。)

崩壊

そうした意味から派生して、”meltdown”は「暴落、崩壊」といった意味で、ビジネスシーンを含め、様々なシーンで使われます。

What is driving/behind the current market meltdown?
(今の市場暴落を引き起こしているのは何なのか?)

The Bitcoin meltdown is getting worse. 
(ビットコイン市場の暴落は悪化している。)

昨夏、セキュリティソフトの欠陥による世界規模のシステム障害のため、多くの航空会社でオペレーションが麻痺しました。とくにデルタ航空では数日で5000便以上が欠航し、大混乱を引き起こし、”Delta meltdown”として大々的に報道されました。こうした「大混乱」にも”meltdown”が使われます。

More than 5000 flights were canceled during Delta’s meltdown.
(デルタ崩壊で、5000便以上のフライトが欠航となった。)

Operations are back on track after a 5-day meltdown.
(5日にわたる大混乱の後、オペレーションは元に戻っている。)

メンタル崩壊

泣きわめいたりして取り乱すといった過度のストレスに対して起こる「精神崩壊」(nervous breakdown)といった意味でも”meltdown”が使われます。

My co-worker had a huge meltdown at work today.
(今日、同僚のメンタルが大きく崩壊した。)

I saw someone having a complete meltdown at the airport.
(空港で、完全にメンタルが崩壊した人を目撃した。)

<ハイレベル会談での外国語>
私は、ゼレンスキー大統領が通訳なしで会談に臨んだのは間違いだったと思う。あるアメリカ人政治アナリストが”His English is passable”(スレスレ合格、C判定)と言っていたのたが、大統領の英語は演説(かつ低リスクな質疑応答)になら対応できても、ああしたハイレベルの交渉には心もとないレベル。ちょっとした誤用でも、誤解を生んだり、足元を救われる恐れがあるのだから。さらに、通訳を使うことでワンクッション置け、通訳されている間に考える時間ができるというメリットもある。世界には、同大統領より英語がうまくても、こうした会談では通訳を利用する首脳はいくらでもいる。側近にアドバイスする人はいなかったのか… (それとも、一部で言われているように、やらせだったのか…)

* 会談は、”The Apprentice”(トランプ大統領がホストを務めたリアリティショー)を彷彿させるもので、見た瞬間、「首脳会談も、いよいよエンタメ化?」と思ったのだが、会談決裂直後、トランプ大統領は”This is gonna be great television”と。やっぱり…

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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