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和製英語に気をつけよう(63)–マニアック

 前回、出てきた「マニアック」ですが、これは、何十年も前から使われている和製英語ですね。

日本語では、マニアから派生して「熱狂・没頭している」といった意味で使われますが、「マニアックな人」という場合、「自分の趣味や関心事にこだわりの強い人」という意味で使われます。たとえば、「フィットネスにマニアックな人」「マニアックなファン」であれば、英語でも”maniac”を使って、下記のような表現ができます。

She is a fitness maniac. (= She’s a fitness enthusiast.)

I’m a Billie Eilish maniac. (= I’m a Billie Eilish fanatic/freak.)

「マニアックな人たちの間で人気のコーヒー」であれば、”coffee maniac”が使えないことはないですが、下記の表現の方が一般的です。

This coffee is popular among coffee aficionados.

しかし、日本語の「マニアック」は、「マニアックなテイスト」「マニアックな趣味」「マニアックな企画」という形で物象に対する形容詞として使われることの方が多いようです。こういう場合、「風変わりな、ニッチな」という意味であれば、英語では”eccentric”が該当するでしょう。「一部の人、特別な知識を持った人向け」「深遠な、素人には難解な」という意味であれば、”esoteric”が使えます。

The designer is known for her eccentric taste.
(そのデザイナーは、マニアック/エキセントリックなテイストで知られている。)

He has very eccentric/esoteric taste in music.
(彼は、音楽の趣味がマニアックだ。)

The quaint village has an eccentric/esoteric appealthat sets it apart from famous locations.
(そのレトロな村は、他の有名な場所とは違い、マニアック/エキセントリックな魅力がある。)

We offer an esoteric pairing with sour beer.
(当店では、酸っぱいビールとのマニアックなペアリングを提供している。)

Maniac

一方、英語の”maniac”は形容詞でなく、「狂人」という意味の名詞です。たとえば、映画『ジョーカー』の主人公のような人が”maniac”と言われます。 たとえば、この映画の批評には、下記のようなものがありました。

A horrifying, artful deep dive into a violent maniac’s head
(暴力的な狂人の頭の中をおぞましく巧妙に探究した作品)

Joker is portrayed as a homicidal maniac.
(ジョーカーは、狂った殺人鬼として描かれている。)

”Maniac”は、「狂った人のように」という形で使われることも多いです。

He laughed like a maniac. (彼は気が狂ったように笑った。)

下記は、1983年作の映画『フラッシュダンス』の挿入歌の”Maniac”の一節です。下記の”maniac”は、「ダンスフロアで気が狂ったように踊っている人」という意味です。

She’s a maniac, maniac on the floor. And she’s dancing like she’s never danced before.
(彼女はフロアで気が狂ったように踊っている。今まで一度も踊ったことがないように。)

Maniacal

このように、英語の”maniac”は人に使われる名詞であり、日本語の「マニアック」のように物象には使われません。”Maniac”の形容詞は”maniacal”です。ただし、日常会話で使われる言葉ではありません。

また、”maniac”は「~狂」「~マニア」という意味で使われるときはネガティブな意味はありませんが、”maniacal”はネガティブな意味で使われます。

The maniacal killer escaped the prison yesterday and is still at large.
(その狂った殺人鬼は、昨日、刑務所を脱走し、まだ捕まっていない。)

The disease was characterized by sudden bursts of maniacal laughter.
(その病気の特徴は、突然、発せられる狂ったような笑いだった。)

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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