Global Career Guide
Daijob.comを運営するヒューマングローバルタレント社では、4月にDaijob.comに登録している会員を対象にテレワークに関するアンケート調査を行いました。
回答者497名のうち、約半数(52%)が外国人ということに、まず驚きました。さらに、日本人回答者では50代が一番多く41%、次いで40代が34%を占めているのに対し、外国人では30代が一番多く38%、次いで20代が29%と、外国人回答者の方が若いという違いが顕著です。(外国人回答者が日本在住なのか、海外在住なのかが不明なのですが、海外在住で日本での就職先を探している人たちであれば、若い世代が多いというのはうなずけます。)
まず「テレワーク経験あり」と答えた人は、日本人が74%に対し、外国人は68%でした。今回のコロナ禍を機に初めてテレワークを経験したのかどうか、テレワークを始めて何年くらいになるのか、知りたいところです。
「テレワークをして生産性は上がったか、下がったか」という質問に対しては、「上がった」と答えたのは、日本人が45%で、外国人では48%でした。「変わらなかった」という回答を加えると、どちらのグループも7割に達し、(客観的な物差しではなく)主観的には多くの人が「テレワークで生産性は落ちない」と感じているということです。
「生産性が上がった理由」(複数回答可)は、下記グラフに見るように、日本人では「通勤のストレスがなくなるため」(87%)、「自分のペースで仕事ができるため」(83%)が上位にあがりました。外国人では、その2点以外に「社外への訪問移動時間がなくなるため」を上位に挙げている点が異なります。
(Daijob HR Club)
一方、「生産性が下がった理由」では、日本人は「直接の社内コミュニケーションがなくなるため」(57%)、外国人では「オフィスと比べて通信環境に問題があるため」(51%)というのが最多でした。
アメリカでも、テレワークの生産性に関する調査結果がいくつも報告されているのですが、「47%向上した」から「1%低下した」「回答者の49%が低下したと回答」まで様々です。
「47%向上した」という調査は、アンケート調査ではなく、ユーザ3万人のデータポイント1億を分析したもので、ユーザらによる下記の活動が増えたので、「生産性が上がった」と見るようです。(成果が出ているかどうかとは別の話。)
・通話数が230%増
・CRM(利用)活動が176%増
・メールが57%増、チャットが9%増
「回答者の49%が生産性が低下した」というアンケート調査は、4月に企業の上級管理職とその部下900人を対象に行われたものです。生産性の低下の理由として挙げられたのが、「必要なツールやリソースにアクセスするのが困難」「同僚とのコミュニケーションが困難」でした。上記のDaijobのアンケート調査での理由と似ていますね。
なお、上記の調査は、どちらもソフト開発企業によって行われたもので、テレワークで生産性が上がったにしろ下がったにしろ、「うちのソリューションを使えば有効ですよ」ということが言いたいようです。
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。