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コロナウイルス関連英語表現集(16)トラベルバブル

ベトナム空港が、来週から日本を含むアジア6ヵ国への就航を再開します。日本と同様、ベトナムでは入国前と入国時のPCR検査陰性証明と、入国後14日間の隔離も必要なので、観光客向けではありません。ただし、 14日以内の短期滞在者(主にビジネス出張者)は、隔離は免除されています。

香港は、日韓や東南アジア、一部ヨーロッパなど11ヵ国に、トラベルバブル交渉のための書簡を送付し、日本とオーストラリアとは、すでに交渉を始めています。

日本語でも「トラベルバブル」という表現を見る機会が増えていますが、これは英語の”travel bubble”から来たものです。新規感染が抑えられており、「この国からの受け入れは安心」という国との間で人の往来を認める渡航制限緩和合意のことです。その”バブル”の中では、人が自由に行き来でき、バブルの外からは入れないということを表しています。二カ国間(bilateral)の合意が多いですが、複数の国が参加する場合もあります。 

“Travel bubble”と同じような意味で、”Travel Corridor””Air Bridge”などの表現も使われています。こうした表現が、どのように使われているかを見てみましょう。

Travel Bubble

日本語では「トラベルバブル構想、構築、締結」といった硬い表現が多いのですが、英語では「トラベルバブルを構築する」という意味の動詞には、”set up””create””open”(主にイギリス英語圏)など簡単な単語が使われます。

Japan is negotiating with a few other countries to set up a travel bubble.
(日本は、トラベルバブル構築のために他の数カ国と交渉中だ。)

Hong Kong is in talks with Japan to create a travel bubble.
(香港は、日本とトラベルバブル構築のための話し合いをしている。)

Hawaii is looking to open a travel bubble with Australia and Japan.
(ハワイは、オーストラリアと日本とのトラベルバブル開設を検討している。)

しかし、各国でコロナの再燃により、バブルが延期されたり、「はじける」ケースが続出しています。

A Trans-Tasman bubble allowing travel between Australia and New Zealand is on pause after new Covid-19 outbreaks.
(オーストラリアとニュージーランド間の旅行を可能にするタスマン海横断バブルは、新たなコロナウイルスの感染拡大により一時停止状態だ。)

Some of the much-hyped travel bubbles have already burst/popped.
(鳴り物入りだったトラベルバブルには、すでにはじけてしまったものもある。)

Travel Corridor

“Corridor”とは「回廊地帯、縦走地形」という意味ですが、”travel corridor”は”air corridor(空中回廊)”に近いと思います。なお、アメリカでは廊下は”hallway”で、”corridor”は使われません。

“Travel Corridor”は、主に英政府によって「入国時に14日間の隔離が必要ない国」という意味で使われています。各国でコロナ再燃のため、対象国は頻繁に変更されています。

US airlines are lobbying for a US-UK travel corridor.
(アメリカの航空会社は、米英間のトラベルコリドーを築くためにロビー活動を行なっている。)

The UK has added Portugal to its travel corridors while removing Croatia and Austria.
(イギリスは、トラベルコリドーにポルトガルを加え、クロアチアとオーストリアを外した。)

Air Bridge

“Air bridge”とは、通常、空港の「乗客搭乗橋(passenger boarding bridge)」を指しますが、パンデミックの中、”travel corridor”と同じ意味で、主にイギリスで使われています。なお、搭乗橋という意味では、”jet bridge”や”jetway”の方が一般的です。

An air bridge between London and New York could allow quarantine-free travel between the two cities.
(ロンドンとニューヨークの間でエアブリッジができれば、隔離なしで両都市間の往来が可能になる。)

Regional air bridges would enable business and other travelers to visit Britain from low-risk countries.
(地域のエアブリッジは、低リスクの国々から出張者などの旅行者がイギリスを訪れることを可能にするものだ。)

有元美津世

大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米30年の後、東南アジアをノマド中。訪問した国は70ヵ国以上。
著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』『プレゼンの英語』『ビジネスに対応 英語でソーシャルメディア』『英語でTwitter!』(ジャパンタイムズ)、『ロジカル・イングリッシュ』(ダイヤモンド)、『英語でもっとSNS!どんどん書き込む英語表現』(語研)など30冊。

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