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グローバル企業の実情に迫る
女性キャリアの伸ばし方

「女性活躍推進法」が施行され、改めてダイバーシティ推進の在り方が見直されている2016年。ダイバーシティを先駆的に推進してきた外資・グローバル企業で活躍する女性に焦点を当て、キャリア選択の幅を広げる秘訣について、リアルな声を取材した。

女性IT技術者がモチベーションを維持する秘訣とは

女性IT技術者がモチベーションを維持する秘訣とは

日本マイクロソフト アプリケーション&サービスグループ所属のサポートエンジニアであるS氏は、1歳になる一児の母。理系大学を卒業後、日系ソフトウェア会社に入社し、メーカーのソフトウェア開発に従事。2011年日本マイクロソフトに入社後は、一貫してMicrosoft Office製品Outlookのエンタープライズ向け技術サポートに携わる。変化の激しいIT業界で、出産・育児を経て、IT製品サポートの第一線で活躍するS氏に、育児と仕事を両立するために心掛けていることを伺った。

1.仕事のやりがいを強く意識する。

私はソフトウェア会社で開発の業務に従事した後、日本マイクロソフトへ中途入社しました。ユーザと直接関われる、お客様のお困りのことを解決できるのが、自分の仕事への思いにフィットしていると思い、開発者から今のサポートのお仕事にポジションを変更したのですが、この転職を機に、自分の「仕事のやりがい」を意識できたことはとても良かったと感じています。

私にとって一番のやりがいは、マイクロソフト製品をご利用くださるお客様がお困りのことを、正確かつ迅速に解決し、お客様のお役に立つということです。開発者としての経験も活かし、お客様に共感しながら、社内のエンジニアとの架け橋となり、技術的に複雑な部分もブレイクダウンしてご説明する。お客様から「ありがとう」と言って頂けると、もっと技術力や経験値を高めて、これからも頑張ろうという思いが湧き上がります。

出産を機に、子どもという自分にとってかけがえのない大切なものができましたが、一方で時間の制約がある中でも成果にこだわりたい。日々、精神的な葛藤は絶えませんが(笑)、「仕事のやりがい」を意識すると自然に前向きな気持ちに戻れますね。

2.技術の進化を楽しむ。

私が出産したのは、マイクロソフト製品がiOSや Androidへの対応を開始した変化の大きな時期でした。育児休業で約1年不在だった分、復帰後はスピード感を持って技術的にキャッチアップする必要がありましたが、製品のリリースや修正プログラムによる動作変更があって技術的な知識の研鑚が求められるのは常なので、最新の技術を勉強し続ける姿勢は出産前後で変わりません。

子育ては時間もパワーもかかるため学びとの両立には苦労もありますが、最新の技術に触れてスキルアップできることは、IT業界で働く醍醐味だと思います。新しい技術でこういうことができるようになったんだ、と「技術の進化」そのものに面白みを感じられたときには、仕事がより楽しくなります。もっと知りたい、学びたい、と意欲が湧きます。
2.技術の進化を楽しむ。

3.苦しいときこそ、オープンマインド。

妊娠前は、夜中に調査や検証を行い翌朝には回答をお出しするなど、お仕事に没頭することも多々ありましたが、妊娠後はそういった無理はできません。サポートのお仕事はスピードが命なので、不安が募りましたが、意識したのは「オープンマインドでいよう」ということです。

自分の不調や育児のことは、周囲は知らないのが当たり前。自分よがりにならない程度に、自分の状態を積極的にお伝えしていくことを心掛けました。特に、上司とは妊娠中から定期的に面談をお願いし、育休中もオンラインでいわゆる保活の状況や自分の気持ち、子どもの体調などもお話して、復職の時期を決めて行きました。

上司やチームのメンバーには、「これを機に、子育て中の人も働けるチームを目指したいね」と言って頂き、本当に感謝しています。

個人を尊重する外資企業特有の風土に依るところもあるかと思いますが、業務だけではなくて人間的な部分で自己を開示でき、自分のコンディションやチーム状況を踏まえた仕事の進め方を、一緒に模索して頂いています。

私個人としても、アサインされた業務はもちろんですが、他のメンバーとも協働しチームとして成果を出すことを意識したいと考えています。

4.IT技術を活用する。

いま、テレワーク制度を活用し、週1回在宅勤務をさせて頂いています。お客様対応、チームメンバーとのオンラインミーティング、検証もリモートから接続して対応しています。子どもの病欠や、急な体調不良で早く帰った日でも、時間の合間にメールのチェックや作業の段取りを考えることができ、効率的に仕事を進められます。

妊娠中も、「産んでみないとどうなるか分からない」と不安がありましたが、上司とオンラインで面談させて頂いたり、チームミーティングのレコーディングを共有頂いたり、情報のキャッチアップやコミュニケーションを取れたおかげで、復職への不安がかなり払拭できたと感じています。

会社としてもテレワークを推奨しており、利用しやすい雰囲気があります。IT技術の活用で、多様な人がより働きやすい社会を実現できると実感しています。
4.IT技術を活用する。

5.出産・育児の経験も仕事に活きる。

出産、育児の経験を通して、仕事でも今まで知り得なかったところに気付き始めています。サポートのお仕事で最も重要な、「お客様への共感」という点では、お客様のちょっとした気持ちの機微に敏感になってお困りの状況に共感するなど、スキルアップにつながる部分があるように感じます。

限られた時間の中で求められる成果を出すため、集中力が高まり、常に工夫しようという改善意識も高まりました。

一方で、出産前に思い描いていたのとは違う道もキャリアの選択肢に入ってきたり、自分のポジションに対する考えも変化しています。子育て期間は、技術的になりたい姿と、子育ての状況と、さまざまな事情を考慮してキャリアを積んでいくことになります。

不透明な状況も面白がって成長の機会に変えていく力をつけて、キャリアと向き合っていきたいです。