外資系・グローバル企業転職情報サイト。英語などの語学力を活かす、海外で働く。
Daijob.comはインターナショナルビジネスプロフェッショナルのための転職情報サイトです。

Menu

グローバル企業の実情に迫る
女性キャリアの伸ばし方

「女性活躍推進法」が施行され、改めてダイバーシティ推進の在り方が見直されている2016年。ダイバーシティを先駆的に推進してきた外資・グローバル企業で活躍する女性に焦点を当て、キャリア選択の幅を広げる秘訣について、リアルな声を取材した。

女性IT技術者がモチベーションを維持する秘訣とは

女性IT技術者がモチベーションを維持する秘訣とは

青山学院大学経済学部を卒業後、ソフトウェア会社での勤務を経て米国のIBMワトソン研究所に入社。その後、帰国に際し、IBM東京基礎研究所に異動。研究員として働き始めてから情報セキュリティ分野で博士号を取得したというユニークな経歴を持つ吉濱佐知子氏。現在はブロックチェーン・テクノロジーに専門分野をシフトして活躍し続ける吉濱氏に、女性IT技術者が前向きに挑戦し続けるために必要なこと、また在籍するIBMの企業文化の魅力についてお話を伺った。

「くやしい」気持ちを大切に。訪れたチャンスは楽しむこと。

私は青山学院大学経済学部を卒業後、ソフトウェア会社のSEとしてキャリアをスタートしました。小さい頃からプログラミング関連に興味があったこと、将来はコンピュータに関わる仕事をしたいと漠然と考えていたこと、さらにはIT業界が文系学生を積極採用していた時代背景もあって、最初の会社を決めました。
お客様のシステムを要件定義して開発するという典型的なSEの仕事をしていたのですが、社会人6年目に大きな転機が訪れました。携帯インターネットのGlobal標準化会議にメンバーとして参加できることになったのです。若手で、英語が比較的得意だということで抜擢され、とても前向きな気持ちでチャレンジしました。が、実際参加してみると「くやしい」思いの連続でした。
共通語が英語という環境で自分の意見が言えない、参加している自分の存在価値を見せられない。英語が母国語でない各国のメンバーがちゃんと議論している横で、十分に議論に参加することができない。年5回、毎回1週間議論する会議への参加を通じて、「くやしい」気持ちがどんどん膨らんでいきました。
でも、投げ出したりするのはもっとくやしい。英語の仕様書や資料を全て読みこんだり、会議メンバーに積極的に話しかけたりと、自分のくやしさと向き合い、打開するために何が必要かを自問自答し、試行錯誤していました。そんな私を認めて、新たな道を開いてくれたのは、IBMワトソン研究所から来ていた、同じワークグループのメンバーでした。
「グローバル人材として成長するために海外で働きたい」と、自分なりの打開策が明確になりつつある中、何気なく彼に語ったんですね。IBMに転職というより、英語で仕事ができるアメリカで働きたい、と。そしたら、ウチを受けてみたらどうか、と言われました。私の英語での会話力ではなく、仕様書を一生懸命読んで技術的にちゃんと理解しているという点を評価してくれて。そのご縁でIBMワトソン研究所へ転職することになりました。
「くやしい」気持ちを大切に。訪れたチャンスは楽しむこと。

キャリアに迷ったら、「10年後の自分に近づける」選択を。

IBMワトソン研究所へ行ったのは30代はじめの頃です。元々2~3年、頑張ろうと思っていたので、2年後に日本への転籍を希望して帰国しました。その際、上司から言われた言葉が今でも私のキャリア選択の軸となっています。

 「10年後になりたい自分の姿を明確にして、いろんな選択肢があるとき、なりたい自分に最も近づけるものを選ぶようにしなさい」。

 自分がなりたい姿は、「インパクトのある仕事をしていること」。そして、小さくてもいいので、「世界の役に立つことにつながる仕事をしている」ということです。世の中が効率的になるとか、人の生活が豊かになるとかが、仕事をする上で自分には大事なことで、有名になる、お金持ちになるとかではないのだと気付きました。
これは、私の個人的な感想ですが、女性って自分のキャリアのことになると大抵の方が控えめなんですよね。IBMで働く女性でも、昇進したいと主張する方はあまり多くないように感じます。だからこそ、10年後こうなりたいっていう自分なりのゴールを持つことが、特に女性には大切だと思うんです。そのゴールを達成するための手段として、管理職になるとか、この技術を磨くとかと紐づけてゆくことで、自分が本当に満足するキャリアを選択できると考えています。
 私自身、日本へ帰国した後も、IBM東京基礎研究所でキャリアを選択する機会が何度かありました。セキュリティ分野への専門性の変更、発展途上国における研究やプロジェクトへの参加、また現在は金融業界におけるブロックチェーン・テクノロジーの分野に挑戦しています。それぞれのタイミングで、上司やメンターのサポートもあり、自分の軸をぶらさずキャリアを選択できていることにとても感謝しています。

専門性に対する考え方は柔軟に。自分なりの面白いポイントを見つけられたら勝ち。

そうはいっても、キャリア選択に際して仕事内容や専門性の変更を伴い、モチベーションを保ちづらいケースも生じると思います。例えば私の場合、日本のIBM東京基礎研究所に移るタイミングで、「標準化」という業務経験を買われて私の専門はモバイルからセキュリティに変わり、最初は少し抵抗感がありました。
ですが、「自分の強み」を持ちたいという願望が高まっていたこともあって、自分なりに調べ始めると、セキュリティはこれからの世の中で絶対重要なものになるという手ごたえを感じました。論文を読んだり勉強会に参加したりして、さらに理解を深めていくうちに、「面白そう」と思えたんですね。こうなったらセキュリティの分野でとことんやってやろうと、社会人大学生と業務を両立しながら、修士号と博士号を取り、ようやく”文系学士卒”研究員を卒業できました。
 会社で仕事をしていると、上の人から「やれ」ってお題が降ってくることが結構ありますよね。でも、嫌がらないでやってみて、自分なりに「面白い」ポイントが見つけられると、それが言われたからやってるんじゃなくて、自分で「面白い」と思えるからやっているんだ、と変化する瞬間があるんです。もし、自分の得意分野と違うことを業務でやることになって迷っている人がいたら、仕事はあんまり選り好みをしないでやってみると、自分では気づかなかったような新しい発見があるということを伝えたいです。
専門性に対する考え方は柔軟に。自分なりの面白いポイントを見つけられたら勝ち。

世の中の流れに合わせて、自分のポジションを見出す。

現在は、IBM東京基礎研究所に所属し、社内のコンサルタントなど他部門の方とも連携しながら、2つのことをやっています。1つは、ブロックチェーンをはじめとするFintech関係のソリューション研究開発。もう1つは、THINKLabという活動の運営です。THINKLabは、研究員が直接お客様と会話してお客様が持っていらっしゃる課題に取り組んでいく、グローバルで展開しているIBMリサーチの活動のひとつです。
 いま、研究者・技術者には、最先端IT技術をいかに実用化につなげるかという応用力がより一層求められているのを感じます。お客様の業界を学習して、一緒に革新的な解決策を検討し具現化していくというところまでが私たち研究者、技術者の仕事になりつつある。そんな新しい時代の流れの中で、自分の強みって何だろうと改めて考えるわけです。
 経済学部出身ということを、以前は少しネガティブに感じることもありましたが、今は逆に強みにできるのではと考えています。経済・経営の分野と技術の両方がわかるからこそできる「技術と産業の橋渡し」を、自分の特徴というか強みと捉え、意識してそのポジションを担っていくことで、自分の可能性をもっと広げられると手ごたえを感じています。またそうすることで、世の中へのより大きなインパクトを、組織として実現していけると思うとわくわくします。

女性にとって働きやすい企業には、制度だけじゃなくて文化がある。

私にとってIBMは、自己実現を果たせる恵まれた職場なのですが、最初はその企業文化に驚きました。米国で受けたIBMの採用面接では、「IBMはダイバーシティを重要視してます。」とまず言われたのです。日本では考えもしなかったのですが、アメリカでは私はアジア人かつ女性という二重のマイノリティ(少数派)にあたる。ところが、「IBMとしては、社員の多様性を推進することで、会社としてより大きな価値が創造できると考えている。」ときちんと伝えてくれたんです。すごく素敵な企業文化だと思いました。
 違いを尊重する。その大前提を前向きに捉え、ダイバーシティを推進する。言葉では簡単に表現できますが、この「違いを認め合う文化」は、日本の多くの企業ではまだ根付いていないかもしれません。女性はモチベーションの持ち方が違うとか、謙虚で自分からは手を挙げない傾向があるので、会社の側でその違いを意識して育てる必要があるそうです。そういった違いを、周囲や会社が分かってくれているという安心感は、女性が今後より一層キャリア選択の幅を広げ、長い目で自分らしいキャリアを築いていく上で、不可欠な要素だと思います。私が、IBMっていいなと思うことの一つが、女性の管理職の割合が社員全体の人口比に比べて低いことを、普通のことができていないと捉える感覚なんですよね。
 また、女性らしい細やかさや、人の役に立ちたいという気持ちは、仕事や人材育成の分野でも力を発揮すると思います。日ごろから、IBMでは女性の存在意義を理解してもらった上で上手く活かしてもらっているなぁ、IBMで働けてよかったなぁと感じる機会も多いです。そうなると、こういう気持ちを抱く社員を少しでも増やさないといけないなという気持ちが強くなり、結果的に、会社と従業員が互いに思いあえることが、性別に関係なく、個々人が自然に生き生きと活躍できる企業文化になっていくんだと実感しています。

日本アイ・ビー・エム株式会社が募集中の求人
  •  

    Cognitive Computing Researcher

    IBM Research - Tokyo is seeking subject-matter research and software development experts to further our Cognitive business; coming from related fields such as artificial intelligence, robotics, user experience, machine learning, mathematical science, neuromorphic, material discovery etc...

  •  

    ストラテジーコンサルタント

    お客様企業・組織のCxO(経営陣)が抱える課題に対し、様々な変革の構想策定、およびその実行支援までを行います。 深い専門知識と顧客ニーズ・課題への洞察力を活かし、また弊社の持つ強みや様々なサービス・テクノロジーを活用したイノベーティブなソリューションを提案、構想立案、実行推進します...

  •  

    Mobile Strategy Consultant

    世 界・国内のトップ企業のお客様に対して、全社モバイル戦略の立案や、各業務エリアにおけるモバイルを活用したワークプロセス最適化のコンサルティング、 ITソリューション設計まで、上流局面における包括的なITソリューションを提供しています...

  •  

    経理財務領域コンサルタント

    1) CFOを中心とした経理財務、経営管理領域における変革の構想策定、およびその実行支援までを行います。
    ミッション: グローバル競争がますます激しくなるなか、経理財務部門におけるお客様の課題も国内だけではなくグローバル全体での業務効率化...

  •  

    プロジェクトマネージャー

    弊社では、国内外のお客様に対して、エンタープライズレベルのシステム構築から、コグニティブやクラウド、モバイルなどの先端技術を活用したシステム開発において、コンサルティング・設計・開発・運用までの包括的なITソリューションを提供しています...

  •  

    Cloud & Security Researcher

    東京基礎研究所(IBM Research - Tokyo)では、クラウドおよびセキュリティの研究開発に従事する研究員を募集しています…