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タカシの外資系物語

タカシの UK武者修行?!(その8)2018.08.21

AI関連で、ガッカリした事件とは?!


(前回の続き)艱難辛苦の末、やっとのことでUKにたどり着いたタカシ。出張の目的である AI Summit 2018(人工知能の展覧会)に参加してみたものの、目当ての金融ブースは、閑古鳥が鳴きださんばかりの閑散ぶり。日本なら鉄板ネタの “AI(人工知能)” “FinTech(金融)” をテーマにしているにもかかわらず・・・、一体何が起こったのでしょうか?


AI Summit 2018 の金融ブースが閑散としていることが不思議でたまらないタカシ。会場で仲良くなったエンジニアのBrianくんに、理由を聞いてみることにしました。


私 「ところで・・・、この AI Summit って、金融コーナーに人があんまりいないんだけど・・・。なぜだか、わかる?」

Brianくん 「確かに・・・、Finance(金融)は盛り上がってないね・・・」

私 「どうしてかな?!」

Brianくん 「AIの活用に関して、関係者をガッカリさせる “ある事件” があったんだよ・・・」

 

はて・・・? AI関連で、関係者をガッカリさせるような、最近起こった事件って・・・、あっ!!

 

私 「それって、ウーバーの自動運転車が人をはねちゃった事件のこと?」

 

今年3月、米アリゾナ州で、米ウーバー・テクノロジーズの自動運転実験車両が起こした、世界で初めての自動運転車による死亡事故のこと。みなさんの記憶にも新しいと思います。現時点の自動運転技術のレベルでは、まだこういう抜本的なリスクを抱えているのかって、かなりガッカリしましたもんねぇ・・・

 

Brianくん 「違うよ」

 

ち、違うんかい!!

 

Brianくん 「ウーバーの死亡事故は、AIの問題じゃないよ。AIは神じゃないから、過去に経験したことがないような突発的な事象には対応できない。ウーバーの件は、自動運転は、人が入れない隔離された道で行うとか、ルール上の問題だと思うよ・・・」

AIにはワクワク感がない?!


私 「ウーバーの一件じゃないとすると・・・、どの事件のこと?!」

Brianくん 「タカシは、“レンブラント” って、知ってる?」

 

“レンブラント”・・・って、どっかで聞いたことあるけど・・・、うーーむ、わっからん・・・(T-T)

 

私 「ごめん、わからないや・・・」

Brianくん 「日本じゃニュースにならなかったのかな? ま、そもそも、レンブラントを知らない時点で、ニュースになっても気付かないんだろうけど・・・」

 

って、なんか、超バカにされてる感があるんですけど・・・(怒!) ま、情報を仕入れるためには、これくらいの我慢は仕方ないということで、耐えるタカシ・・・(忍!!)

 

Brianくん 「まず、レンブラント(Rembrandt)はオランダの有名な画家なんだけど・・・。ある世界的な保険会社やIT企業が共同で、“The Next Rembrandt”(次のレンブラント)というプロジェクトを立ち上げたんだ。これは、マシンラーニング(機械学習)というAI技術を使って、レンブラントの新作を作ろうというものだったんだけど・・・」

私 「ふーん、面白そうだね。で、AIの手によるレンブラントの新作の出来映えは、どうだったの?!」

Brianくん 「出来映えは予想以上に良かったんだよ。陰影のつけ方から油絵の具の質感まで、レンブラントの画風を究極まで模写した新作が完成したんだ」

私 「じゃ、大成功じゃん。何が、関係者をガッカリさせたの?!」

Brianくん 「サプライズがなかったんだよ。完成した作品は、単なる、レンブラントを真似ただけの模倣にすぎなかった。もしレンブラントが生きていて、新作を発表したとしたら、もっとドキドキ、ワクワクさせるような要素があったはずだろうに、AIが作った新作には、それがなかった・・・ っていう評価だったんだ」

現地でしかわからないことを知る!


世界有数の金融機関である、オランダの〇〇生命という企業がこのプロジェクトを主導したというのが大きく影響し、欧米金融機関の間で、

 

AI は 人間の模倣しかできない!

 

という論調が、一気に広まったようです。

 

ま、タイミングも悪かったようで、

「AIって、何でもできる! 神様のような存在!!」だったものが、

「あれ? AIって、何でもできるはずなのに、イマイチ使えない!! 死亡事故も起こすし・・・」という世論も重なったのだと思います。

 

ということで、現在、ヨーロッパのマーケットでは、金融分野を中心に、AIの盛り上がりが一服した感があります。少し遅れて、日本にもそういうトレンドがやってくるんでしょう。確かに最近、盛り上がりに欠けるし・・・

 

AIに関しては様々な意見・見解があると思うんですが、上記のようなことは、実際に現地に行って体験してみないとわからない。日本では知らなかった話ばかりですから。やはり、多少の手間とコストをかけてでも、定期的に海外に出かけて、情報収集することの重要性を再認識したのでした。

 

次回、UK出張編のまとめをしたいと思います! では!!

(次回に続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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