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タカシの外資系物語

タカシの UK武者修行?!(その3)2018.07.10

大英博物館に見るイギリス人の矜持とウィット


(前回の続き) “自力本願”型(=自ら企画した)海外出張ならではの「コスト削減要請」に四苦八苦しているタカシ。パリのシャルルドゴール空港経由 → ヒースロー着の最安値航空券とロンドンの郊外にある廉価なビジネスホテルをやっとのことでブッキングし、いざ 出張当日を迎えたのでした・・・

 

ロンドンへの出張・・・、実は個人的に思い入れが強いのです、これが・・・。私が初めて海外出張に行ったのは、銀行員時代のシンガポールでした(つうか、このときが自身初の海外旅行だったんです・・・)。このときは一週間足らずの滞在で、銀行本社の社員が海外の支店に “お越しになる” というイメージの、いわゆるシャンシャン出張(だれが行っても同様の結果になる形式的な出張)だったもので、初体験のわりには、ほとんど記憶にない。当然、なんかスキルが向上したわけでもない。


その後、銀行から外資系コンサルティング・ファームに転職し、初めてアサインされた大型案件が、某金融機関のグローバル・プロジェクトでした。日本での立ち上げを経て、ロンドンおよびニューヨークで、実際に仕事をする。今思えば、ペーペーだった私が、この業界で生きていく決意とわずかながらの自信が芽生えた出来事でした。

 

ロンドン滞在当時、“グローバル” とは何か? について、色々と思慮を巡らせたのも、後々、いい経験になりました。イギリスは、日本と同じ島国です。そして、両国とも、複雑な歴史を有しています。しかし、こと “グローバル” という視点に立つと、イギリスの方が明らかに広い視座を持っています。


例えば、大英博物館に行くと、このことが非常によくわかる。大英博物館で最も有名な展示品は、おそらく「ロゼッタストーン」ではないかと思います。博物館のスタート地点に展示されていますからね。その他、博物館の呼び物の多く、「これだけは見逃すな!」的なのは、古代エジプト・ギリシア・ローマあたりの彫像です。ラムセス2世の石像を運ぶために、胸元にボッコリと穴を開けた様を見ると、「おいおい、歴史的建造物に、何すんねん!」と突っ込みたくなるのですが、ま、収集の経緯含めて、そのあたりは置いておくとして・・・。


大英博物館のすごさは、呼び物である古代エジプト・ギリシア・ローマのコレクション・・・、ではなくて、そのカバー領域の広範さにあると思います。北米、中南米、オセアニア、インド、アラビア半島、アフリカ、アジア、そして、日本・・・。内容の濃淡はあれど、およそ 人類 が残した足跡が、全てカバーされている。この種の使命というか責任感のようなものは、イギリスの後に覇権を握ったアメリカにも、そして、今後覇権を握りそうな中国にも、ほとんど見られない。イギリス、というか、大英帝国独特のものだと思います。


(今回の出張で、久しぶりに大英博物館を訪れたところ、「Money(お金)」のコーナー = 様々な時代の硬貨や紙幣が展示してある部屋の入口に、かつて一世を風靡したロックバンドNIRVANAの代表作『Never Mind』のアルバムジャケットが飾ってありました。このジャケット写真、赤ちゃんが水中で紙幣を取ろうとしているもの(有名なので、みなさんも見たことがあるはず)でして、ホント、茶目っ気がありますよね、大英博物館の学芸員さん・・・。日本において、例えば、伊藤若冲の『群鶏図』の横に、日清のチキンラーメンを飾る・・・ なんてのは、到底できないわけでして・・・、ちょっと、たとえが違うかな・・・?)

サッカーという奇跡に思うこと


イギリスが、現代のグローバル社会に与えた/与え続けている影響度合を、固有名詞、つまりモノやコトで表現すると、以下3点になると思います。

 

(1)大英博物館 → 上述の通り

(2)英語 → 英語ができれば、世界中どこに行っても何とかなる・・・ という状況を作り上げたのは大きいですよね。「通貨としてのドル」も同意に近いです

(3)サッカー

 

なんか、無理やり感ありますが・・・、でも真面目に、サッカーというのは、やっぱりすごいと思うんです。世界中の何十億人もの人が、同じルール = プロトコル で動くことができる、というシステムは、サッカー以外にありません。今回、出張の時期がちょうどW杯日程と被っていたので、パリでも、ロンドンでも、大いに盛り上がっておりました。幸いなことに、フランス、イギリスとも、ベスト4に残っているし・・・。ということで、サッカーW杯についても一言。

 

いやぁ、日本代表、すごかったですよねぇ・・・。まず、世界のだれがなんと言おうと、私は、わが日本代表を誇りに思います。ポーランド戦のボール回しによる時間稼ぎでバッシングを受けたと思ったら、優勝候補ベルギーとの善戦で溜飲を下げた感もあり。これも、爽快でした。このことが意味するのは、つまり、

 

何を言われようと、勝ち進んでいい仕事をすれば、評価される

 

ということに尽きます。ここでいう “いい仕事” というのは、より高次元のステージで仕事をすること、また、高次元のステージに進むことそのものも含みます。だから、ポーランド戦の時間稼ぎというのは、議論するのもおかしなぐらい、正当な行為なのです。

 

ならば、惜しまれるのは、ベルギー戦の自陣最後のコーナーキックときにこそ、時間稼ぎが欲しかった・・・。後半最後の1PLAYになることを確実にして、それで前後半本編を終えるべきだったと思います。ロシアとか、そのあたりがやっぱりうまい・・・、PK戦に持ち込めば、FIFAのランキングなんて関係ない。どっちが勝つかなんて時の運、確率フィフティフィフティに持ち込めますからね。

ヨーロッパや南米の特色は学ぶということ


サッカーW杯を観ていると、劇的な勝敗ドラマ、その背後にある人間模様、想像を絶するスーパープレイ・・・以外にも、面白い点がたくさんあることに気付きます。例えば、

 

なぜゆえに、日本という国はヨーロッパや南米諸国と比べてバカ正直なのか?!

 

というのが、非常によくわかる。これはひとえに、経験の差なんですよね、組織としての。確かに、日本代表の大半は、ヨーロッパの主要リーグに所属し、世界を股にかけて活躍しています。しかし、組織としての日本という国、サッカー日本代表というのは、決定的に経験数が足りない。だから、究極の場面で、面食らって、あたふたするのです。自らのチャンスを生かしながら、相手のチャンスを極小化するという 狡さ 巧さ が出せない。あの、本田選手ですら、そうなってしまう・・・。

 

ロシアの近代史を見れば、周辺の環境変化に翻弄されたことが火を見るより明らかです。1812年、フランス皇帝となったナポレオンがロシアに侵攻してきます。ロシア軍は奮闘し、ナポレオンをフランスに追い返すわけですが、そこで目にするのは、「自由・博愛・平等」をキーワードにして、フランス革命で民主化したパリ市民だったわけです。ロシアの首脳は、旧態依然とした自国の体制を恥じ、その結果が、ロシア社会主義革命 につながるわけです。が、結果はどうだったでしょうか? ハイカラなフランスの思想を、自分たち流に真似したら、超がつくほど大失敗した・・・、こんなところでしょう。

 

過去に、こんな手痛い失敗をしたら、学ぶわけです。それが、ヨーロッパや南米の歴史です。サッカーも同じで、いい面も、悪い面も、すぐに学ぶ。だから、狡いし、巧いんだと思います。

 

・・・ということで、今回のコラムも雑感で終わってしまいました、すみません・・・(T-T)。まだ、ヒースローにすら到着していませんが、どうか見捨てないでください。次回、乞うご期待、ってことで!

(次回に続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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