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タカシの外資系物語

タカシの UK武者修行?!(その2)2018.07.03

出張の成果を示す方法とは?!


(前回の続き)自分史上初めて、自らの意思により海外出張を企画したタカシ。その行き先はUK(ロンドン)!目的はAI(人工知能)テクノロジーの最先端を学ぶ!! というもの。さてさて、首尾よく、無事ロンドンに到着したのか?って、その前に“強敵”が立ちはだかったのでした・・・

 

プロジェクト都合・海外研修等々、行くことが自動的に決まっている“他力本願”型の海外出張というのは、非常に楽チンでございまして、事前処理も半ばパッケージ化されていて、申請すれば自動的に進んでいきます。

 

一方、自ら「行かせてくださいっ!!」と申請する“自力本願”型海外出張の場合には、そう簡単に事は運びません。前回のコラムでも述べた通り、まずは費用対効果に関するバトル、つまりその出張に意味があるのか?もっと言うと、儲かるのか?について上司を説得しなければなりません。

 

とはいえ、将来のことはだれにもわからんわけで、当然のことながら、儲かる保証などありません。また、外資の場合には 「有望だと思ったんすけど、実際行ってみたら、大したことなかったっすわ、( ̄∇ ̄) ハッハッハ・・・」 ということでは済まされない。では、どうするか?それは、無理やり収益に結びついたことにする、つまり、

 

この出張により儲かったことを、実際の数字で示す

 

必要があります。つまり、自分が稼ぐであろう収益数値の一部を、この出張にくれてやるということです。数字が出せる自信というか、覚悟があれば、それでOKってことですね。上司にはかる際も、最終的に問われるのは、そういうことなので。

 

もちろん、そもそもの目標数値についても、年初に無茶なコミットをしているわけで、それに加えて激しく無謀なコミットが加わるわけですから、自殺行為といっても過言ではありません。しかし、そういうヒリヒリ感がないと仕事をしていて面白くないし、予定にない海外出張など行けはしない。何よりも、外資でサバイブしていくためには、頻繁にリスクをとっていく覚悟がないと、モノになぞ、ならんのです、フフフ・・・(と、不敵な笑いをかます、タカシ。しかし、ここでとったリスクが、予想外に大きいものになろうとは、この段階では知る由もなかったのです・・・(;´д`)トホホ・・・)。

タカシ、“内偵”される?!

 

費用対効果の説明はこれでいいとして・・・、もう1つ、“難関”が待っています。それは、航空券やホテルの手配などの経費のプランです。

 

「えっ? タカシはパートナーにもなって、航空券の手配とか、自分でしとるのか?!」

 

いやいや、手配そのものはサポートの方がやってくれますし、提携している旅行会社が具体的な段取りもしてくれます。ここで “難関” と言っているのは、「どの航空券にするか?どのホテルに泊まるか?」 という意思決定のことを言っています。

 

“他力本願”型の海外出張の場合には、これらの意思決定は不要でして、社内規定の枠内で自動的に決まっていきます。一方、“自力本願”型の海外出張の場合には、この点について配慮が必要となります。 

 

配慮とは何か?それは、「ほぼ最安値のものを使わないといけない」ということです。なぜなら、出張の申請をする際に、「合理的かつ最安値の手段とする」と明記しているからです。

 

外資なのに、ショボいこと言ってるなーーと思われるかもしれませんが、外資において文書に明記したことは、事後の検査対象になります。明記したことを遵守していない場合、内偵が入って、えらいことになる可能性を秘めているのです。

 

何とも、融通が利きませんよねーー。私もそう思います、そんなこと、いちいち調べんなよ、って・・・。しかし、このあたりをなぁなぁで済ませないところが、外資の強みである、とも言えるのです。

“最安値”の海外出張



今回の出張にかかる、航空券・ホテルに関する取扱いをまとめると、以下の通りとなります。

 

(1) “他力本願”型の海外出張=予定にはなかったイベントのため、実施手段(プロトコル)については、綿密に文書化が必要

(2)文書化の一例 「航空券・ホテルについては、合理的かつ最安値の手段とする」を明記

(3)(2)については、計画時および事後において、その適合性を確認

 

ま、文字に表現すると、ごくごく当たり前のことなんですが、これがなかなか実行できない。日本企業の場合、特に「(3)事後において、その適合性を確認」 という部分が壊滅的に弱い。なぜか?それは、「(3)計画時において、その適合性を確認」しているからいいじゃないか!と思っているからです。

 

当然ですが、計画と実行は異なるわけで、実行についても確認を要することは、頭では理解できる。しかし、日本人の悪習として、「計画したことに反して、実行することはありえない」という、麗しき妄想のようなものが存在する。だから、失敗する。ありえないような、不祥事が起こるのです。当たり前のことを、当たり前に、愚直に確認する・・・日本人の専売特許のようでいて、実はできていないことなのですね。

 

で、話を戻すと・・・、今回の出張経費については、“最安値”とする必要があります。しかし、リアルに

最安値にしてしまうと、LCC使いまくりの学生旅行みたいになってしまうので、“合理的”の観点も入れて、一応、ビジネスパーソンの出張の体裁を整えます。

 

「よし、これでいこう!」

 

結果、以下の通り、決まりました。

 

  • ●航空券・・・ヒースロー直行便は高いので、周辺都市経由便のうち、最安値のエールフランス便(パリのシャルルドゴール空港経由)
  • ●ホテル・・・参加を目論んでいるイベント会場近く、ロンドン郊外Royal Victoria駅にある某ホテル

 

なんか、普通じゃねーか・・・って、思うでしょ? いやいやいや、この選択が、とんでもない結果を招こうとは・・・(;´д`)トホホ・・・。何が起こったか?!については、次回乞うご期待!!(って、なかなかロンドンに着かないんですが・・・)

(次回に続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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