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タカシの外資系物語

外資系企業における人事採用最前線(その4)2018.04.10

あなたのエントリーシートの “見本” は?!


(前回の続き)無難にまとまってはいるものの、面接官の目から見ると、全く刺さらないエントリーシート。どのように修正すれば、面接官が「おっ!!」と思うようになるのか? それは、ほんのちょっとした工夫なのですが・・・、その前にエントリーシートの位置づけについて、再度おさらいしておくことにいたしましょう。


まず、学生のみなさんが企業に提出してくるエントリーシートというのは、何を見本として書かれているのか、考えてみましょう。おそらく、その多くは、ウェブサイトや攻略本のたぐいだと思います。では、その記事は、一体だれが書いたものなのか?


それらのほとんどは、現役の人材エージェント会社に所属している(または、過去に所属していた)、いわゆる人事コンサルといわれる人たちだと思います。この手の人たちは、元々は企業の人事部に所属していた経験のある人も多いので、採用人事という “業務” には精通しています。しかし、採用人事における “意思決定” = 結局、だれを採用して、だれを落とすのか? については、直接タッチしていないことが多い。というか、そりゃそうです。決めるのは人事部の担当者ではなく、担当の役員なのですから。


特に、外資系企業の場合は、面接官に100%の権限があると思った方がいい。面接官のすべてが役員であるわけではないですが、役員の考え方を理解・踏襲した人であることは間違いないので、役員の分身と思えばいい。組織としての考え方は、統一されています。だから、役員が気に入るようなアピールをしなければ、採用にはいたりません。


一方で、人事コンサルにも得意な分野があります。それは、“落とされない” エントリーシートを書くということです。企業における “業務” に求められる1つの要件として、「異常値をなくす」ということがあります。何が書いてあるのかわからない、求められていることが記載されていない、白紙で出す 等々、要件未達というフィルターにかける作業は、“業務” の一環です。要件を達成し、それなりに見栄えのするエントリーシートに仕上げておく、というのが、人事コンサルの得意技なのです。

エントリーシートは、いつ見られているのか?!


上記の構図は、以下のようにまとめることができます。

  • 多くの学生さんが書いてくるエントリーシート = 攻略サイトの見本 ・・・ 人事コンサルの “業務”視点で、平均点レベルの落ちないエントリーシートの書き方を真似ている
  • “刺さる” エントリーシート ・・・ 合否決定をする役員の視点 = 平均点 + “光る” 何か


「エントリーシートの段階では、落とされなきゃいいや。勝負は面接なんだから・・・」という発想もあると思います。が、この発想が通じるのは、大量採用をする、日系の大手企業に限られるのです。


日系の中堅・スタートアップや外資では、みなさんの想像以上に、エントリーシートを見ています。理由は単純で、エントリーシートを見ながら(または、事前に見てから)面接する、というのが、理にかなっている(業務に無駄がなく、効率的・効果的である)からです。


先日、ある転職エージェントのCMを見て驚いたのですが、そのビデオでは、以下のようなやりとりがなされていました。

意思決定する役員 「なかなか、いい人がいないねぇ・・・(と言いながら、面接室に入る)」

案内した人事担当の女性 (部屋の外で独り言)「経歴も申し分ない」

役員(面接しながら) 「経歴も申し分ない」

人事担当女性 「こんな経験まで・・・」

役員 「こんな経験まで・・・」

人事担当女性 「君、彼は一体どこで」

役員 「君、彼は一体どこで!」

なんちゃらリー●! と言って終わる・・・

このビデオ、どこがおかしいのか? それは、意思決定する役員が、面接室に入るまで、その人の経歴やアピールポイントを知らない、という設定になっている点です。そんなんで、面接できるのか? 少なくとも、外資ではありえません! 外資はハチャメチャに忙しいですが、事前にエントリーシートぐらいは読み込んで面接に臨みます。でないと、せっかく設定した面接時間が、無意味に終わる可能性があるからです。いちいち、手取り足取り、自己紹介してもらっていては、時間の無駄だし、相手にも失礼ではないでしょうかね?

エントリーシートの役割とは?!


日系の大手企業におけるエントリーシートというのは、人事部の整理シートだと思った方がいい。それを見て、合否判定などしないのです。一方で、日系の中堅・スタートアップや外資では、エントリーシートというのは、ガチで情報収集用に使っています。だから、平均点でよし、としてしまうと、本当に平均点の人としか見られないリスクがあるのです。外資のエントリーシートは、気合を入れて、光る “何か” を入れる! というのが鉄則なのです。


外資系企業におけるエントリーシートの重要性を理解いただけたところで、光る “何か” についてお話ししたいと思います。そのためには、外資の役員 = 採用の意思決定者が、エントリーシートをどのように見ているのか? を理解する必要があります。


面接全体を1つのストーリーに例えるなら、エントリーシートというのは、“序文” ないしは “導入部分” です。起承転結の “起” といってもいい。つまり、相手(面接官)の注意をひいて、「どんな人なんだろう、話を聞いてみたい!」と思わせる必要があります。


実は、もう1つ、エントリーシートには、面接の結果に大きな影響を与えうる、重要な要素があります。実は、多くの人は、このことに配慮せずにエントリーシートを書いてくるため、大きく損をしているという実態がある。それについては・・・、次回のコラムで詳しくお話しすることにいたしましょう。

(次回に続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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