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タカシの外資系物語

男性社会は退屈だ!(その6)2018.03.13

“女性活躍推進の壁は、腑に落ちていないこと” とは?!


(前回の続き)「女性が活躍する企業・組織はイノベーティブである」・・・ これは、私の信念です。では、女性が活躍する社会を、当たり前のように継続していくためには、何が必要なのでしょうか?!


ここ数年の女性活躍推進やダイバーシティの取り組みによって、女性が組織の中枢で活躍する事例が増えてきています。前回のコラムまででも述べてきたように、これはもう至極当たり前のことなので、このムーヴメントを一層推進すべきであることは、言うまでもありません。一方で、これを一過性の取り組みにしては、断じていけない! そのためには、何が必要か?!


私は、女性が活躍する社会が継続していくための初期要件として、以下の3点が必要だと考えています。


(1)女性が活躍する企業・組織はイノベーティブであり、発展しやすいことを周知すること

(2)女性が主体的に巻き込まれた社会サイクルは、合理性・収益性が高く、発展しやすいことを周知すること

(3)上記2つが継続的に実現するための仕組みを作ること


現在、日本という社会が取り組んでいる女性活躍推進の問題点は、上記(1)(2)が確からしいにもかかわらず、それを社会全体の共通認識として腹オチさせないまま、(3)を推進しているという点にあります。女性を登用する制度だけが先走って、職位は上げてみたものの、当事者である女性自身も居心地が悪いし、それを支える男性陣も腑に落ちていない。


逆にいうと、女性活躍推進を当たり前に進めている企業や社会というのは、それが腑に落ちているのです。「欧米はもともと、そういう社会だった・・・」なんていう、曖昧な理由はありえなくて、「女性が上に立つと、みんなにとっていいことがある!」と、社会全体が認識しているからこそ、うまく回っているのです。

では、何から着手すればいいのか? 実は、上記 (1)というのは、トップダウン型で進めることが可能なので、既存組織の長が「もっと女性を登用しよう!」と考えれば済む話です。一方、より難しく、かつ、あまり重視されていないのが(2)です。以下では、(2)について詳しくお話ししたいと思います。

スペインが経験したミラクルとは?!


では、「(2)女性が主体的に巻き込まれた社会サイクルは、合理性・収益性が高く、発展しやすい」 とは、どういうことでしょうか? 簡単にいうと、

女性は儲かる!

ということです。ここでいう‘女性’とは、どの立場にいる人かと言いますと、“売り手側のリーダー”であり、“買い手側のイニシアティブ”でもある。特に、買い手側のイニシアティブに存在する女性というのが、(2)でいうところの女性が主体的に巻き込まれた社会サイクルと同義です。要は、女性をターゲットとして売れば、めちゃ儲かる! と意識せよ・・・ と言っています。

女性をターゲットにすれば、儲かる! 果たして、本当にそうか? よく言われるのが、住宅や自動車など、高額商品を購入する際には、女性の意見も尊重されるので、女性をターゲットにマーケティングすべし、ということが言われます。ま、これはこれでアリなんですが、このケースは「女性の意見‘も’尊重される・・・」ということで、女性だけでなく、男性の意見も同等に加味される。一方で、女性が主体的に巻き込まれた社会サイクルというのは、女性が自らの意思で決定できる事項群を指しています。だから、ちょっとニュアンスが違う。

具体的な実例を挙げてみましょう。スペインはつい最近まで、女性の社会進出が遅れていました。1975年、絶大な影響力を誇ったフランコ軍事政権が倒れ、急速に社会に民主化が進みます。同時に、女性が職を持って、社会にどんどん進出していきました。

この状況を見ていた、洋服の仕立て職人であるオルテガ青年は、あることを思いつきます。

「これからは女性の時代だ! 社会に進出した女性が、キラキラと輝くような洋服を作ろう!!」


さて、みなさん、オルテガ青年とは、だれだかわかりますか?この人こそ、世界的アパレル企業ZARAの創業者アマンシオ・オルテガその人です。ZARAの売り上げは、2016年ベースで約3兆円! これは、ユニクロの持ち株会社であるファーストリテイリングの2倍弱、もちろん世界一です。オルテガの個人財産もすごいことになっていまして、2015年には、一時的にビル・ゲイツを抜いて、世界一の大富豪になりました(資産約10兆円! って、あんたーーーっ!)。

日本社会が資源を投入すべき分野とは?!


オルテガ氏の何がすごいのか? それは、アパレルという物理的なモノを売って、世界一になっているということです。現在のIT社会では、物販の世界においても、モノではないソフトを売ったり、自らはモノを生産せずに、そのプラットフォームを提供したり・・・、というのが、高収益を生む戦略であることは、理解いただけると思います。しかし、ZARAのオルテガ氏は、この時代においても、「女性を輝かせたい!」という自身の信念を曲げずにモノを売っている。そして、世界一になっている。超カッコいいですよねぇ・・・。

そして、オルテガ氏が示してくれたこと、それこそ、女性は儲かるということに相違ありません。ZARAのように飛び抜けてはいないものの、こういう例って、日本でもあると思うんですよねぇ・・・。前回お話しした、パナソニックのナノケアも、女性をターゲットにして、メガヒットにつながっています。

物販でいえば、テレビやPCといった“男性をターゲットに売ってきたもの”は、もはやボロ負けです。目も当てられない。一方で、ナノケアのような美容家電、化粧品や健康食品といった“女性を主なターゲットとしているもの”は、世界的な競争力を持っているし、多くのヒットを生んでいます。こういう商品・サービスに、限られた資源を投入していくことが、「女性を主体的に、社会サイクルに巻き込む」ということなのです。

社会に閉塞感が漂う昨今、今こそ女性が先頭に立って物事を進める度合いを高めていくべきです。加えて、女性の購買力を高め、社会全体の拡大につなげていくべきです。そして・・・、男性は、積極的に、それを支えていくべきだと思っています。では!

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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