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タカシの外資系物語

日本は今こそ Philippine に学べ?!(その3)2017.10.10

フィリピンに流入する人材、流出する人材


(前回の続き)今、フィリピンのITビジネスが熱い! 日系にとっても、外資にとっても、超熱い! さて、その理由とは・・・?!

 

前回のコラムで、フィリピン航空はじめ、フィリピン行のエアラインが苦戦していることをお話ししました。その後、フィリピン航空の経営が厳しく、例えば、空港使用料の支払いが延滞していることが報道されました。さらに、フィリピンのドゥテルテ大統領から、「10日間やる。それまでに払わなければ、閉鎖するという最後通牒が出されたという事実も明らかになりました。

 

いやぁ、非常に厳しい状況・・・。ま、ドゥテルテ大統領が言ったとされる「10日間やる!」というのは、なんか翻訳が恣意的で、強面の大統領を強調しすぎているきらいは否めませんが(「やる!」って、恐すぎ・・・。「大統領は、10日間の支払猶予を与えました・・・」で、ええやん。)、それを差し引いたとしても、切羽詰まった状況は変わりません。

 

ヒトの流入・流出という観点でみると、フィリピンの特殊事情として、以下が挙げられます。

 

  • 流入(外部からフィリピンへ) = 日本をはじめとする先進国から、ビジネスや観光を目的とする
  • 流出(フィリピンから外部へ) = 日本やシンガポールなど先進国へ、労働者として移動する

 

となると、流出分の移動については、サービスなど不要、コストのみで選択されることとなり、格安LCCが競争力を持つことになります。

 

上記のような課題は、これから経済発展を遂げようとする国のエアラインに、共通の悩みといえます。一方で、インドネシアやマレーシアのラッグシップ・エアラインが国営であるのに比して、フィリピン航空は民営です。まだ、経済発展が成し遂げられない段階で、民営の交通インフラというのは非常に厳しい。道路などのインフラ整備と同様に、今しばらくの間は、国の援助が必要なのではないかと思います。

アプリの開発・保守を海外へ!


とはいえ、経済発展のダイナミズムは、待ったなしに動き続けます。近年、フィリピンで目覚ましい発展を遂げたのは、サービス業、とりわけIT企業の進出が目立っています。では、フィリピンのIT企業に勤務する人たちは、具体的に、どのような仕事をしているのでしょうか?

 

フィリピンのIT企業に勤務する人の多くは、システム(=アプリケーション)開発および保守・運用作業に従事しています。以下で、もう少し詳しく解説しましょう。


1つのアプリケーションについて、そのライフサイクルを示すと、以下の通りとなります。

 

(開発)

(1)企画 ・・・ そのアプリを使ったビジネスモデルを検討します。

(2)設計 ・・・ データや人の動きを詳細に定義します。要件定義といいます

(3)プログラミング ・・・ プログラミング言語を使って、アプリケーションを作成します

(4)テスト ・・・ 作成したプログラムが正しく動くか、テストします

(5)データ移行 ・・・ 古いアプリから、新しいアプリへ、データを移します

(6)カットオーバー ・・・ 新しいアプリを使って、業務を開始します


(保守・運用)

(7)通常運用・監視 ・・・ 定められた手順に沿って、アプリをオペレーションしたり、監視したりします

(8)トラブル対応 ・・・ アプリに不具合が起こった場合に、対応処理をしたり、ユーザーに連絡したりします

 

例えば、ある日系企業があったとして、上記作業のすべてを日本で実施すると、費用が多額になってしまいます。よって、日本でなくてもできる作業を切り出して、人件費の安い海外で行うことを検討します。上記作業のうち、(3)の一部、(4)、(7)、(8)の一部であれば、ネットワークさえつながっていれば、世界中のどこにいても作業することが可能です。

“オフショア” 大国・フィリピン


海外で作業する部分を切り出したとしても、企業が自社の力だけで海外に作業手を求めるのには限界があります。そこで登場するのが、IT企業です。グローバルベースで活動しているIT企業は、自社のクライアント企業の海外への切り出し作業を、業務受託という形で請け負います。ITアウトソースという業務形態です。

 

IT企業は、複数のクライアント企業から、業務のアウトソースを引き受けます。複数企業から同種の作業を集めることで、規模の経済(スケールメリット)が効いてきます。これも、ITアウトソースの大きなメリットの1つです。

 

日系企業がIT企業を介して、アプリの開発・運用業務を、海外にアウトソースしたとします。この場合、日本を “オンショア(on-shore)”、海外を “オフショア(off-shore)” と呼びます。フィリピンは、ITオフショアの代表的な国でして、日米欧をはじめとする、多くの企業から、アプリの開発・運用業務を請け負っているのです。

 

実は、私が勤務するコンサルティング会社も、多くのクライアント企業から、IT関連業務を受託しています。その拠点の1つがフィリピン、ということで、今回のフィリピン出張と相成ったわけです。

 

私 「Hi, Tao !」

Taoさん 「Hi, Takashi ! はじめまして、よろしくお願いします!」

 

今回の出張、現地での案内をお願いするTaoさんです。さて、ではどうしてフィリピンは、ITオフショアの代表的な国となりえたのか? 次回のコラムでは、Taoさんのスキルを例に、フィリピンの競争力の源泉を探ってみることにいたしましょう。

(次回に続く)
 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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