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タカシの外資系物語

あなたは“早帰りデー”を説明できるか?(その3)2017.09.19

早帰りの後、どこに行く?!


(前回の続き)なぜ、早帰りするのか? - それは“目的”があるからだ!・・・ 至極当たり前のこの論理、とかく日本では忘れられているように思います。結果、人事部や担当役員におもねる形で、早く退社すること、その行為そのものが目的となって、せっかくの空き時間を無為に過ごしてしまうビジネスパーソンが多く見受けられます。さて、本来あるべき“早帰りの目的”とは何なのか? グローバルの事例を見て、考えてみましょう。
 

「常に早く帰りたいと思ってるんだけど、いざ“早帰り”が実現すると、何をやっていいかわからない・・・(T-T)」 

 

というビジネスパーソンは、結構多いのではないでしょうか。結果、早帰りデー当日、定時にオフィスを出たものの、スタバかどこかで、画面にのぞき見防止のスクリーンをつけて、終電近くまでシコシコと仕事をする・・・なーーんて人、よく見かけます。本当にやるべき仕事があるのなら、セキュリティが担保されて、効率性の高い会社でやればいいのに・・・ という感じ。

 

前回のコラムでお話ししたスペインの場合、多くの人はサッカーの試合を観るため(そのホームパーティを準備するため)に、早帰りをしています。サッカーは水曜と週末に実施されるのが通例なので、この基準で早帰りすれば、週に2回は確実に早帰りが実現することになります。

 

観たいスポーツがあるから、早帰りする・・・というのは、実は世界標準でして、スペインと同様に、ヨーロッパにはその傾向が見られます。南米なども、同様かもしれません。

 

アメリカは、サッカーで早帰りする人はいませんが、私の元上司は、アメフトで早帰りしていました。特に、ひいきのチームがスーパーボウル(アメフト全米一を決める試合)に出場したときなどは、数日間、会社を休んでいました。ちょうど、あるプロジェクトの佳境だったもんで、せめて休むのはスーパーボウルの当日だけにしてくれ~(T-T)、と懇願したのですが、

 

「俺はこの日のために、タカシを引き上げて育ててきたんだ。今こそ、その成果を見せてみろ!」

 

などと、わけのわからない論理で押され、煙に巻かれてしまいました。なんやねん、それ・・・

クリケットを観るために、早帰りした結果・・・?!


あと、あまり知られていないのですが、インドにおけるクリケットは、スペインのサッカーと同等、もしかすると、それ以上の早帰り効果があります。インド人は、クリケットのある日は、絶対に早帰りするのですが、このクリケット、試合が翌日まで続く(!)こともあるため、そうなると、翌日出社してこない人が続出します。まぁ、社会全体がそれを容認しているので成り立っているわけですが、日本人の常識からすると驚きです。

 

一方、日本はどうか。日本においても、野球やサッカーなど、国民的に人気の高いスポーツは存在するわけですが、全国民が同意して早帰りするほどの国民的行事にはなっていないように思います。また、社会そのものが、スポーツ観戦を理由に、会社を早帰りしたり、休んだりすることを容認するのは難しいのではないか、という気がします・・・

 

とはいえ、日本以外の全世界のビジネスパーソンが、スポーツ観戦を目的として早帰りしているわけではありません。家族サービスもあるでしょうが、毎日毎日やっているわけではない。では一体、何が早帰りの目的となっているのでしょうか?

早帰りして、スキルアップ?!


シリコンバレーにいる友人Aは、週に2日間、夜間の余暇を使って、“ボランティア”をしています。ボランティアといっても、町を掃除したり、老人ホームを慰問したりするようなものではなく、得意のITを使ったボランティアなのです!

 

友人Aがやっているのは、発展途上国向けの、英語学習ソフトの開発です。それは、マウスを使わずに、タッチパネルで直感的に学習できるスタイルで、すでに試用版はNPOを通じて、あるアフリカの国で使われているそうです。

 

また、イスラエルにいる友人Bも、夜間の余暇を使って、難民キャンプ向けの掲示板ソフトを開発し、無償提供しているとのこと。

 

A、Bに共通しているのは、自分の能力を使って、無理のない範囲でボランティアを実施しているという点でしょう。ネット上にコミュニティがあるらしく、同じ思いの人たちが集まって、週に数日間、夜間の余暇を使って活動しているようです。

 

そして、より重要なこととして、A、Bが所属する企業が、その活動を支援してくれているということです。自社に所属する社員のスキル、すなわち、自社が保有するスキルを、広く社会に還元することを理解し、認め、誇らしく感じる。そのために、社員の早帰りに協力する。このような企業の意識があって初めて、早帰りデーという制度が成り立つのではないかと思います。

 

最近、仕事が終わってもまっすぐ家に帰らない男性のことを“フラリーマン”というのだそうです。企業の積極的な 働き方改革の結果、フラリーマンを量産したのでは、本末転倒もいいところ。是非、全国のフラリーマン・・・ いや、ビジネスパーソンのみなさんには、意味のある目的を持って、早帰りデーを実践していただきたいと思います、では!

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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