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タカシの外資系物語

あなたは“早帰りデー”を説明できるか?(その1)2017.09.05

日本人の“早帰りデー”感


 先日のこと、あるクライアントとこんなやりとりがありました。

 

私「次回のミーティングなんですが・・・ いつにしましょうかね?」

クライアントA氏「できれば、夕方遅くがいいんですよね、日中は他の会議がパンパンに入っているんで・・・」

私「じゃ・・・ 水曜の17:00- はいかがですか?」

クライアントA氏「あ、ごめんなさい・・・、毎週水曜は早帰りデーなもんで、定時の17:30- に帰宅しないといけないもんで・・・」

 “早帰りデー”、日本のビジネス社会でも、相当定着してきたように思います。みなさんの会社でも、同じような仕組みがあるのではないかと思います。
 

 一方で、この仕組み、私はまだまだモノになっていないと感じています。それは、上記の会話からもよくわかる。

 

 まず、「ごめんなさい」と謝っている点。なんで、謝るのか?! 水曜が早帰りデーだというのは、自分が所属する会社のルールなのですから、正々堂々と言えばいい。しかし、謝ってしまう。多分、他人が仕事をしているときに、自分が仕事をしていないこと(休暇であろうが、早帰りデーであろうが・・・)が、“悪”であるという潜在意識が、このような言動につながっていると推察されます。

 

 次に、「定時に帰宅しないといけないもんで・・・」という点。義務か! もちろん、この手の仕組みは、立ち上げ当初においては、強制的に発動しないと定着しない、というのはわかります。自分だけならいいだろう、30分だけならいいだろう・・・、という意識が、ズルズルと全体に蔓延しないように、強く律するというのも理解できる。
 

 しかし、少なくともそれなりに給料をもらっているホワイトカラー職であれば、他からの強制ではなくて、自分でコントロールする裁量と精神力を持つべきではないか、と思います。この日にミーティングを実施することが合理的で、帰宅時間が大幅に遅くなるわけではないのなら、やってしまえばいい。その分、翌日を自分だけの早帰りデーにしちゃえばいいのです。

“早帰りデー”を外国人に説明する


 実は、この“早帰りデー”、外国人に説明するのが極めて難しいんですよね・・・。“早帰り”とは言うものの、早退しているわけではない。普通に、定時に帰っているだけです。本来なら、“定時帰りデー”というべきなんですよね。よって、それらもろもろを外国人に説明すると、「何を言っているんだ?!」となります。

 

 また、「日本のビジネス社会では、毎日残業をするのが前提になっていて、それを基準に“早帰り”と言っているのだ!」などと、リアルに説明してしまうと、「クレイジー!!」となるのがオチ、いやぁ、本当に説明が難しい・・・。

 

 ま、いずれにせよ、残業はレアで異常だという意識と、自分が働く時間は自分でコントロールできる仕組みをセットにしなければ、このような施策は浸透しないのでしょう。

 

 (クライアントA氏との会話に戻ります)

 

私「では・・・ 金曜の17:00- はどうでしょう?」

クライアントA氏「えっと・・・、あっ、この日は・・・、月末の“プレミアム・フライデー”だから、早帰りなんですよねぇ、ごめんなさい・・・」

クライアントA氏との打ち合わせは、いつ実施した?!


 さて、“プレミアム・フライデー”みなさんの会社では、どのように運用されていますか? 早帰りデーの一種として扱われているか、もしかして、すでに形骸化しているか・・・、そんな感じじゃないですかね?!

 

 当初は鳴り物入りで始まった、この“プレミアム・フライデー”。定時に帰るなんてレベルじゃなくて、半ドン(古っ! その昔、土曜日も働いていた頃、午前中だけの勤務を“半ドン”と言ったんですねぇ・・・)ぐらいで退社して、午後はお買い物をしたり、女子会をしたりして、消費を喚起することを目的に導入されたような記憶があります。確か、今年の二月が第一回目だったような・・・。半年もちませんでしたな、この取り組み・・・、トホホ・・・。

 

 しかし、実際には形骸化していても、日本企業の人事部というのは、一度ルールに取り込まれたものは、キッチリと運用します。とにかく、早帰りデーとして、定時に帰れ! となるわけです。

 

 で、結局、クライアントA氏との打ち合わせ、どうなったと思います?! 実は、A氏と私、プレミアム・フライデーの翌日、そう、土曜日に会って話をしたんですよね、これが・・・。くれぐれも、これって、仕事じゃないんで、誤解なきよう。つまり、こういうことです。A氏と仲がいい私は、休日におしゃべりをする目的で、喫茶店で会った。話のなりゆきで、仕事の話題を少しだけした。もちろん、資料とかは持ち出していない・・・、こんな体裁で、どうでしょう? (って、なんか、悲しくなりますが・・・)。

 

 日本における、“プレミアム・フライデー”の初回は、今年の2/24でした。実はその当日、私はスペインに出張していたため、記念すべき、第一回を体感していません。その代わり、スペインの金曜日の雰囲気は堪能してきました。次回のコラムでは、スペインにおける労働時間の考え方についてお話したいと思います。お国柄、サッカーがものすごく影響してくるんですよねぇ、これが面白くて・・・。次回、乞うご期待!

(次回に続く)

 

 

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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