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タカシの外資系物語

No ? Yes ! New York !!(その7)2017.07.25

Grahamとの打ち合わせにあたり・・・


(前回の続き)NYオフィスにて、同僚Grahamとの打ち合わせに臨んだタカシ。互いに作成した資料を持ち寄って打ち合わせを実施したあと、タカシはある重要なことに気付くのでした・・・


今回のNY出張では、NYオフィスの同僚との打ち合わせを積極的にセットしていました。今の会社に入ってから初めてのアメリカ出張です、顔を売っておかないと・・・。


Grahamもそのうちの一人でして、彼と私は、社内の「人工知能イニシアティブ」に所属しており、わが社の人工知能ビジネスをけん引する仲間です。打ち合わせの目的は、日米の金融業界における人工知能活用の事例について、意見交換することでした。打ち合わせに先立ち、私は出張前に、いくつかの情報をリストにまとめておくことにしました。念のため、おそらく使わないであろう情報も、幅広に整理、整理・・・。準備にかかった時間は2時間程度。残業をする羽目になりましたが、せっかくの出張ですから、万全を期して臨みたいですからね!
 

で、Grahamとの打ち合わせ当日。彼は時間通りやってきたものの、席に着くなり開口一番、
 

「議論を始める前に、10分くれないかな? こっちの情報をリストにまとめたいんだ・・・」
 

・・・んま、よくある話。「事前にやっとくだろ、フツーはっ!(怒)」などと、キレてはいけません。私にとってはNYまで出張して臨む特別なイベントですが、Grahamにとっては数ある打ち合わせの中の1つです。全体に占める重要性が異なる。
 

「議論を始める前に、2時間くれないかな? こっちの情報をリストにまとめたいんだ・・・」
 

と言われたんならまだしも、たかが10分です。目くじら立てるような話ではありません。
 

Grahamは「これはいるかな?」「こういう形式でわかる?」と私に問いかけながら、要領よくリストをまとめていきました。
 

「じゃ、始めよう!」

Grahamとタカシ、事前準備の違いとは?!


「ありがとう! すごく有意義な打ち合わせになったね・・・、また連絡するよ!」

 

打ち合わせは首尾よく終わりました。お互い、事前(でもないが・・・)に準備した情報も、必要十分なものでしたし・・・、って、ちょっと待てよ・・・? Grahamと私では、何かが違う・・・!!

 

Grahamが準備した資料、打ち合わせ直前に10分で作ったやつ、私と一緒に確認しながら作ったので、無駄なものはほとんどなく、ほぼ全て有効に使い切りました。一方、私が準備した資料、出張前に日本で作ったため、“あったらいいな”といった、念のために作った資料も多数含まれていました。かかった時間は、約2時間。Grahamの10分とタカシの2時間 なんじゃこりゃ?!

 

もちろん、資料は英語で作っていますから、その分のオーバーヘッドは加味するとしても、12倍の違いって、どういうことでしょう?! 打ち合わせ直前(というか、打ち合わせの冒頭なんだが・・・)に、ものの10分で資料を作ったGraham、それで全く問題なかったんなら、それでええやん?! なんで、12倍も働いて、無駄な作業をするの??!!

MBAでも教えない、仕事の本質とは?!


Graham(アメリカ人)とタカシ(日本人)の違いを一言で表現すると、以下のようになります。

 

-     Graham(アメリカ人)=正しいことをする

-     タカシ(日本人)=ことを正しくする

 

Grahamは、必要最小限の努力で、打ち合わせに必要な情報をまとめています。ビジネスにおいては、これが最も正しい振る舞いだと言えます。

 

一方、タカシも、個々の作業を取り出してみると、決して間違ったことはしていない、つまり、正しくやっています。しかし、打ち合わせでは使わなかった情報をまとめるのに相当の時間を費やしており、ビジネスの観点からいうと、正しいことをした、とは言えないのです。

 

日米のホワイトカラーの生産性とは、つまるところ、上記の説明に尽きます。要は、日本人は無駄が多い。そして、無駄が多いだけでなく、その無駄を、正しい方法で作成しているので、正しいことをやっているかのように勘違いしてしまうのです。

 

外資系企業で働いていると、同僚の欧米人の何倍も働いているのに、成果がほとんど変わらない、という経験をよくします。要はこういうこと。で、これは、気づいて、自らが行動を変えないと、一生治りません。MBAやビジネススクールで教えてくれるのは、ことを正しくする方法なので、無駄のばかばかしさに気付かないMBAホルダーは、鮮やかな手さばきで、無駄を量産し続けることになります。こういう人、結構いる・・・。

 

Grahamのように、臨機応変に対応し、正しい結果を導くことができるか? 日本人にとっては、多少綱渡り的な方法に見えるぐらいでちょうどいいように思います。無駄はやめよう、残業はしない・・・ NYで再認識した次第です。では!

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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