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タカシの外資系物語

No ? Yes ! New York !!(その6)2017.07.18

タカシがAさんをうらやましいと思う理由とは?!


(前回の続き) NYにて、〇〇銀行 ニューヨーク支店 副支店長のAさんとの再会を果たしたタカシ。旧知の仲である2人は、一緒にランチをとることになりました・・・

 

タカシ「せっかくなんで、ランチどうですか、ご馳走させてください。どこかおススメのお店ってあります?」

Aさん「うまいハンバーガーの店があるんですよ!!」

 

Aさんと私は、同い年で、同じ年に大学を卒業し、銀行員になりました。業界の“同期”というわけです。しかし、その後のキャリアは対照的で、かたや銀行で順調に出世を重ねたAさんと、かたやコンサル業界に身を投じたタカシ。実は、こういうパターンの2人というのは“ちょっと微妙な関係”なんですよね・・・。はっきり言うと、私は銀行をドロップアウトしてしまったわけですが、かと言って、大きく落ちぶれているわけでもない。2人の間には、なんともいえない空気が流れるんですよねぇ・・・。

 

個人的な意見を言わせてもらうと、私自身は、Aさんがうらやましい。嫉妬している、と言ってもいいでしょう。銀行に入ったからには、世界を股にかけたバンカーになるのが夢でしたから・・・。

 

「えっ、そうなんだ! タカシは、銀行員でいたかったんだ・・・」 

 

と、意外に感じる方がいるかもしれません。もちろん、元銀行員の人全員が、同じ気持ちでいるかどうかはわかりませんけど。でも、ひとたび銀行に入った以上、その業界で何かを成し遂げたかったのは確かで、それをやり遂げる前に転職している私は、やはり後悔の念が残っています。自分が所属する銀行が破たんしたので、仕方がなかった部分はあるものの、やはり悔しい・・・。

 

一方で、バブル崩壊やリーマンショックなんていう、超逆風状態を耐えに耐え、他業界に転職していく同僚を臥薪嘗胆の想いで見送っていたAさん。現在の地位は、ぶっちぎりで高いわけではないですが、それはやっぱり、賞賛に値するものなのだと思います。

Aさんの衝撃発言!!


そんな微妙な関係の2人なのですが、海外となると、一味違います。細かいしがらみなんてどうでもよくて、同期で銀行に入社した、同じ釜の飯を食った、仲のいい2人に戻るのです。

タカシ「このハンバーガー、めっちゃうまいじゃないっすか! 日本にはない味だよなぁ、これ・・・」

Aさん「でしょ?! 南部の田舎の方で流行ってたらしいんだけど、去年ぐらいからNYにも展開していて、もうバカ売れ! 思わず、ビール頼みたくなるよねぇ・・・」

こんな感じでバカ話を織り交ぜながら、ひとしきりお互いの近況を語り合って、食後のコーヒーの時間・・・。Aさんが急に神妙な顔つきになって、何やらボソボソと話し始めたのです。

 

Aさん「タカシさんって、すごく生き生き働いてるよね、ホント、うらやましいよ・・・」

タカシ「そうっすかねぇ・・・(それは誤解だろ!)」

Aさん「タカシさんさぁ・・・実は折り入って、相談事があるんだけど・・・」

タカシ「ん?! 何すか?」

Aさん「NYに赴任して、もうすぐ4年。あと少しで日本に戻ることになると思うんだ・・・」

タカシ「ふむふむ・・・」

Aさん「で、日本に戻ったら・・・」

タカシ「戻ったら?!」

Aさん「タカシさんの会社で雇ってくんない?!」

内心では、「えーーーーーーーーーーーーーーっ! うそーーーーーーーーーーーーーーーーーん!!」と思ったのですが、ま、ここは大人の対応をしなければ・・・ということで、私は驚愕の表情など臆面も出さず、ほんの少しだけ驚いた面持ちで一言。

タカシ「つまり・・・、うちのコンサル会社に転職したいってことですけ?(って、緊張して噛んでしもたわーーーーっ! “ですけ?”って、なんじゃ、そりゃーーーーーーーーーっ!!)」

エリート海外駐在員の“たくらみ”


Aさんによると、以下のような理由から、転職を考えているとのこと・・・。

 

(1)海外から副支店長で戻っても、役員になる可能性は極めて低い(出世のトップ競争からは、すでに脱落している)

(2)残りの社会人人生、自分のやりたいことを、自由にやってみたい

(3)海外から国内に戻るタイミングなら、引き継ぎ事項も少なく、転職しやすい

 

実はこの手のパターンは“あるある” 転職の典型的なものです。海外勤務を経たマネジメント層が外資コンサルに転職するに際し、特に(3)の要素が大きいようで、日本への帰任のタイミングで、キャリアをチェンジする事例が多い。国内ではいろいろな事情やしがらみがあって、転職なんてできない層も、このタイミングならできるというのは理解できる。

 

ちょっと気になるのは(2)です。外資のコンサルに行けば、“何でも自由にできる”という発想は、はっきり言って妄想です。正しくは、“お金になるのなら、何でも自由にできる”です。そこんとこ、よろしく!

 

とりあえず、私は上司の外国人数名に、Aさんと紹介する約束をして別れました。わが社としても、〇〇銀行とのコネは喉から手が出るほど欲しいので、Aさんは採用されるかもしれません。逆に、〇〇銀行との関係が悪化する可能性を重視すれば、Aさんの採用はネガティブでしょう。


それ以上に私がショックを受けたのは、私の中で“勝ち組”だと思っていたAさんが、実は、私のようになりたいと思っていたこと。私のようになりたいというのは言い過ぎだとしても、少なくとも、こっちの世界に来たいと思っているということ。うむ、まぁ、いろいろとあるもんです。世界各国、エリート然としていても、いろいろなことを考えている人がいるんだと、再認識した次第です、はい・・・。

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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