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タカシの外資系物語

“キャリアパス” を語る前にすべきこと(その2)2017.04.25

カッコいい企業家は、カッコ悪かった?!


(前回の続き)中途採用の応募者がよく口にするフレーズの1つに、「今の仕事が自分の描く “キャリアパス” に合っていない」というのがあります。で、その大そうな “キャリアパス” って、一体何なの?!

 

前回のコラムでお話しした通り、“キャリアパス” を声高に話す人に限って、そのゴール(目的)は起業であることが多い。正直、「えーー、ホントにぃ?」 と思います。だって、起業に必須である、簿記会計や法律の勉強を一切せずに、ただただ、起業したいと言う。それって、やっぱりおかしい。サッカー選手になりたい!と無邪気に話す小学生だって、そのための努力はしていますよね?

 

“起業” というのは、“手段” です。その先には、必ず “目的” が存在します。例えば、以下のような感じ。

 

①    私はお金持ちになりたい(目的) → よって、起業してIPOでガッポリ稼ぎます(手段)

②    私は世界の貧困層を助けたい(目的) → 貧困層を対象にしたビジネスは収益性が低い、多くの日本企業には余裕がない → よって、NPOとして起業し、草の根的に頑張ります(手段)

 

そして、“手段” には多くの選択肢があります。

 

①    の選択肢 = 副業をする、株式や不動産に投資する、自分が勤める会社で出世する

②    の選択肢 = 大企業に補助をお願いする、広くファンドを募って活動資金を集める

 

元来、“キャリアパス” というのは、「目的を達成するために用いる手段の組み合わせ」を指しているはずなのです。ですから、目的が存在しないとか、起業という手段が目的にすり替わっているとか、そういうのはおかしい。おそらく、起業を口にする多くの人は、成功した起業家がカッコいいので、自分もそうなりたいだけの人が多い。なんじゃ、そりゃ。

 

もう1つ言っておくと、成功した企業家のほぼ全員は、成功した今だからこそカッコいいが、そのプロセス = キャリアパスにおいては、本当に血みどろで、どぶ板を踏むような経験をクリアしてきたのです。ビジネス以外のいかなる世界においても言えることですが、カッコいい人というのは、カッコいいプロセスを踏んで、カッコよくなったわけではない。他人の何倍ものカッコ悪いプロセスを踏んだからこそ、その結果がカッコいいのです。要するに、キャリアパスにカッコよさを求める人は、相当ピントがずれているので、考え直した方がいい、というのが、私の意見です。

タカシが転職した理由とは?!


実際には、多くの人は、起業する行動力や度胸もない。転職だって、ビビるでしょう。そりゃそうでしょう、私だって同じです。自分で言うのもなんですが、私は超チキンなので、キャリアパスが合ってないとか、そんなわけのわからない理由で、転職なんて大胆な行動に出ることはできません!

 

そんな超チキンな私ですが、これまでに3回の転職をしてきました。それも、外資に!その転職が正解だったかどうかは何ともいえませんが、私が持っている能力のわりには、評価は受けてきたように思います。決して、カッコよくはないですがね・・・。 

 

では、超チキンな私は、自分のキャリアパスをどのように考えてきたのか?最近、ある本を読んでいて気付いたのですが、なんと、私のキャリアパスに関する考え方が、理論になっていたんですねぇ・・・、いや、驚いた!その理論とは、

 

計画的偶発性理論

 

と呼ばれています。英語でいうと、Planned Happenstance Theory と言いまして、ますます、何を言っているのか、わかりませんが・・・(T-T)Wikipediaでは、以下のような解説がされています。

 

【計画的偶発性理論】とは、スタンフォード大学のジョン・D・クランボルツ教授が提案したキャリア論に関する考え方。個人のキャリアの8割は予想しない偶発的なことによって決定される。その偶然を計画的に設計し、自分のキャリアを良いものにしていこうという考え方。

 

おーーっ、まさに私の考え方はこれです! 

 

今、自分に与えられた仕事を目いっぱいにやる(すると、その仕事に関する能力が身に着く) 

→ そういうのを成り行きに任せて、複数こなす(すると、複数の能力が身に着いて、それなりのレベルになる)

→ 定期的に自分の能力を棚卸してみて、今の自分を最も評価してくれる会社はどこか?と自問自答してみる(その際に、幅広く、他社を視野に入れることが重要)

→ 一番自分を評価してくれる組織に移る努力を怠らない

 

・・・ ということで、結果的に、3回の転職につながったというわけです。最初の転職は、所属していた銀行が破たんしたことが主因なので、“計画的” とは言いがたいのですが、それなりに、この理論を実践してきたと自負しています。起業だとか、キャリアパスとか、カッコいい話は皆無ですが、あまり深いことは考えずに、来た仕事を目いっぱいやっていれば、平均以上の成果を出し、平均以上の評価を受けることは可能なのだと思います。

自信を持ったら、転職を視野に!


【計画的偶発性理論】は、以下のような行動特性を持つ人に、効果的かつ有利に働くとされています。

 

 (1)   好奇心 Curiosity

 (2)   持続性 Persistence

 (3)   柔軟性 Flexibility

 (4)   楽観性 Optimism

 (5)   冒険心 Risk Taking

 

ま、カッコよく表現すればこうなんでしょうけど、実際には、そんなカッコいい話ではない。要は、「何事にも目いっぱい取り組む」「自分はこんなもんだと諦めない」ということに加え、「今の仕事にやりがいと自負を持つ」ということが重要なのだと思います。

 

中途採用の面接をしていて、応募してくる人の多くに、決定的に欠けている要素が、まさに「今の仕事にやりがいと自負を持つ」という点です。「自分の仕事にやりがいと自負を持っているやつは、転職なんて考えないだろ?!」とおっしゃるかもしれませんが、それは違う。自分の仕事に自信があるからこそ、転職するのです。自分の仕事を正当に評価してくれる会社を探す行為が、転職活動そのものなのです。・・・と、私は思っています。ま、おっさんの戯言に過ぎないので、参考になる部分だけ、切り取ってみてください。では!

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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