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タカシの外資系物語

“お約束” マーケティングでインパクトを与える(その2)2016.09.06

コカ・コーラのすごさとは?!

 

(前回の続き)リオ・オリンピックの閉会式で、安倍首相が扮したスーパーマリオ。日本のマスコミやネット上では賛否両論あったようですが、海外では総じて好意的に受け止められたようです。実は、今回の演出には、とある マーケティング手法 が使われていて、海外において好意的に受け止められたのは、その仕掛けが奏功したと言われています。今回のコラムでは、グローバルのビジネス現場で多用される新機軸のマーケティング手法についてお話ししたいと思います。

 

本題に入る前に、オリンピックについて、あまり話題になっていないが、すっごく気になることを2つばかり。

 

(1)   まず、パラリンピックのTV放映が少ない件。すっごく観たいんですが、やってないんですよ、地上波で! ニュースも限定的だし!!そもそも、閉会式自体、パラリンピックの後にやれよ、って感じだし。すっごく持ち上げているわりには、行動が伴っていないというか、スッキリしないですよねぇ・・・

 

(2)   次に、ブラジルのルセフ大統領が罷免された件。オリンピック期間中も、現職大統領が停職中だということは、何となく耳に入っていたのですが・・・。オリンピック・パラリンピック期間中に、国家のリーダーが停職・罷免て、あんた・・・。例えば、東京オリンピックのときに、現職の総理大臣がこんな状態だったとしたら?日本なら、まともな大会運営ができたかどうか、甚だ疑問です。大統領が捕まろうが、それはそれ、これはこれ。われわれは、自分のやるべきことをやって、人生を楽しむだけ!日本人にはない、強さ、レジリエンスを感じます。ブラジル人、おそるべし!

 

 

さて、本題です。“マーケティング” という言葉から、みなさんはどのようなイメージを持たれるでしょうか?私は、「コカ・コーラ」を思い浮かべます。 

 

スカッと爽やか!というキャッチコピー、カッコいいお兄さんとお姉さんが大勢で飲んでいる、かつ みんなスポーツ万能っぽい、さらに 「コカ・コーラ “ゼロ”」 とか言われると飲めば飲むほど体にいいんじゃないか的な思いを抱かせるほどの洗脳力・・・「コカ・コーラ」の売り上げの相当部分は、マーケティングの力に依存しているということについて、異論を唱える人は少ないのではないかと思います(資生堂の魚谷雅彦社長は、日本コカ・コーラの前社長です。魚谷社長は、マーケティングのプロでして、マーケティング系のプロ経営者としては、日本でも有数の人材だと思います)。

 

コカ・コーラが通じなくなった人たちへ

 

一方で、「コカ・コーラ」に代表されるメガ消費財のマーケティング手法というのは、TVCMや雑誌広告での露出度、販売チャネル量(自動販売機の台数)等、物量に依存する部分が大きいという特徴がありました。まずコンセプトがあって、メディアを駆使して、そのコンセプトを絶対視するような状況を作って、万人をそこにはめていく・・・大手広告代理店が得意とする、典型的なパターンでして、以下を前提としていました。

 

・   無知な消費者 ≒ TVしか情報が入手できない

・   絶対的な憧れの対象 ≒ わかりやすく言うと “アメリカ”的ライフスタイル

 

ま、非常にわかりやすいスキームだったわけですよね。みんな同じ格好をして、同じ話題を話し、同じものを飲んでいましたから・・・。

 

インターネットやスマホが情報チャネルの中心となった昨今は、その状況が様変わりしました。コカ・コーラのかっちょいいCMでは、大衆がなびかなくなってきたんですね。ではどうするか? 

 

ここで登場したのが、「関係性マーケティング」と呼ばれる手法です。従来のように、パワーのあるだれかが提示した、絶対的な何かに踊らされるのではなくて、自分自身の意見・主義を持って、物事を受け入れるという人たちに対して、複数のオプションを提示していく、という新発想のマーケティング手法です。

 

“お約束” としての日本についていけますか?!

 

さて、「関係性マーケティング」は、色々な派生アプローチを生み出しまして、その1つが、受け手の潜在意識に訴求するタイプの提示方法 です。例えば、“日本” ということをイメージし、強く記憶してもらうために、観客が潜在的に持っている 典型的な日本を、そのまんま提示する、いわば “お約束” 的に出すというアプローチです。リオ・オリンピックの閉会式では、演出サイドがこの手法を使ったと思われます。

 

さて、“お約束” マーケティングを使う際に重要なのが、

 

受け手(観客)が潜在的に期待している “お約束” としての日本とは何か? 

 

ということなんですね。それが、スーパーマリオであり、ドラえもんだったわけです。

 

私は、サムライ・ゲイシャ・フジヤマ・スキヤキ・・・ではなかったことが大きいと思います。既に、グローバルにおける “日本” とは、われわれ日本人が想定するものではないということ、そこにギャップがあることをわれわれ日本人自身が認識していないということ、この点に危惧を感じずにはいられません。

 

アニメ、スーパーマリオ、ポケモン、ロボット・・・ここまではついていけますよね? 

 

では・・・、BABY METAL、Perfume、石野卓球、スティーブ・アオキ・・・これはどうですか? ダメ?!そりゃマズイですよ!われわれの想像を絶する数の外国人が、日本のシンボルとして思い描くこれらアイコンについて、もっと理解しましょうよ!この7月に、齢四十八を迎えた私も、頑張ってついていきたいと思います。では!

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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