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タカシの外資系物語

ギブ・アンド・テイク(give & take)に見る成功法則とは?!(その2)2016.08.23

マックス・ウェーバーも考えたこと

 

(前回の続き)ギブ・アンド・テイク(give & take)という行為について、あなたはギブ重視か?テイク重視か?それとも ギブ/テイク バランス型か?今回のコラムでは、これら3つのタイプをもう一段掘り下げるとともに、最終的に 最も得をする = 成功する のはどれか?についてお話ししたいと思います。

 

ビジネスにおいては、常に見返りを要求するような “テイク重視” の人であっても、プライベートでは ボランティアなどの奉仕活動や寄付活動などの “ギブ重視” の行動を取る人が、少なからず存在します。特に、アメリカ人に多い。というのも、これは典型的なプロテスタントの行動パターンなんですよね。

 

マックス・ウェーバーが、その著書『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で論じているように、西洋におけるビジネス倫理の根本には、

 

ビジネスでは “テイク重視” でドライに、プライベートでは “ギブ重視” で成果を社会に還元する

 

というのがあります。グローバルで仕事をする上で、この倫理観の理解は必須だと思います。

 

マックス・ウェーバーの主張は、「天職」「禁欲」というキーワードで説明されます。「天職」というのは、経営者なら自社の利益を求めること、労働者なら自分の仕事を確実にこなすことを意味します。「禁欲」は「隣人愛」に近いキリスト教の概念で、わかりやすくいうと、寄付行為ですね。アメリカの、超がつくほどの億万長者が、自分の資産を惜しげもなく寄付するのは、このような背景があるわけです。

 

ちなみに、私の周りにいる、日本人(ほとんどの人が無宗教)を見渡してみても、ボランティアや寄付をする人には、成功者が多いように思います。

 

「成功した結果、時間とお金があるから、ボランティアや寄付ができるんじゃないの?」

 

確かに、そういう部分はあるでしょう。しかし、私は、そもそも成功するポテンシャルが高い人は、ボランティアや寄付をする傾向が強いように思います。ギブ=与える という行為は、成功者の一要件ではないかと思います。

 

一橋の楠木教授も考えたこと

 

前回のコラムで紹介したペンシルバニア大学ウォートン校の組織心理学者アダム・グラント氏 の著書 『GIVE & TAKE 』 は、非常に興味深い示唆を与えてくれます(グラント氏は、ギブ重視 = ギバー、テイク重視 = テイカー、 ギブ/テイク バランス型 = マッチャ― (バランスをとる人) という分類をしています)。

 

氏の主張を要約すると、以下の通りとなります。

 

  • ● 最終的に最も得をする = 成功するのは、ギブ重視 = ギバー である
  • ● 一方で、成功しない人 = 日の目を見ない人も、ギブ重視 = ギバーが多い
  • ● 短期的には、テイク重視 = テイカーが成功する確率が高いが、中長期的かつより大きな成果を得るのは、ギブ重視 = ギバーである。 ギブ重視 = ギバーが成果を得るには、相応の時間がかかるが、情報伝達速度が急激に高まった昨今においては、より短時間で成功する可能性が高まっている

 

実は、この本の邦題には、「与える人こそ成功する時代」 とありまして、内容的には、ギブ重視 = ギバーのススメ が延々と書かれています。氏は学者ですので、決して思いつきで書いているわけではなく、数字的な裏付けもあります。もちろん、様々なエピソードも記載されていて、結構ページ数が多い本なのですが、あっという間に読めます。

 

また、日本語版の監訳を一橋大学教授の楠木建さんがされており、彼の前書きだけでも、一読の価値はあります。是非みなさんもご覧ください。

 

タカシの結論は、ギブでも、テイクでもなく、○○が重要ということ!

 

「最後に勝つのは ギブ重視 = ギバー である」というのは、わりとわかりやすく、受け入れやすい論理だと思います。特に、日本人にとっては・・・。

 

一方で、人間の行動基準 や 駆け引き を数学的に体系化した “ゲーム理論” においては、時にはギブ、時にはテイク、と、状況に応じた対応の重要性を説いており、ギブ一辺倒という乱暴な議論にはなっていない。最近流行の 行動経済学なども踏まえれば、とるべき一手というのは、ますます複雑化する様相を呈しています。

 

また、グラント氏の論にある「成功しない人 = 日の目を見ない人も、ギブ重視 = ギバー が多い」というのも、相応に納得感があるだけに気になります。うーーむ、どう考えればいいのか?

 

これは全くの私見で、学問的な裏付けなど全くないのですが、私はこのように考えます。

 

まず、基本的にギブ重視というスタンスは持つべきだと思います。普通に考えて、テイク重視で打算的な人とは付き合いたくありませんから。

次に、ギブだろうが、テイクだろうが、より重要なことは、“スピード感” ではないかと思います。テイクは相手が動かないと始まりませんが、ギブは自分の行為ですから、すぐできます。ギブ が テイクに勝るのは、実はこの部分ではないか。もっと言うと、ギブ重視で成功していない人の大半は、スピードに問題があるのではないか。えっちら、おっちらと、後出しじゃんけんよろしく、やっと行動したと思ったら、いつも差し出すばかり・・・これでは成功は覚束ないですよね。

 

さて、みなさんのご意見はいかがでしょうか?情報伝達速度が急激に高まったネット時代だからこそ、スピード感にこだわってみたいと思います。では!

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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