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タカシの外資系物語

タカシ、ベンチャー企業から仕事の “本質” を学ぶ (その5)2016.02.23

“足首を噛む者” に気をつけろ!

 

(前回の続き)フィンテック(FinTech)のベンチャー企業S社の社長T氏との商談を進めるタカシ。T氏やS社の社員の皆さんと接する中で、ベンチャー企業・スタートアップ企業の強さの秘密 を垣間見たような気がしてきたのでした・・・

 

S社の社長であるTさんと、ビジネスの話を始めてから、はや3ヶ月が経過しようとしています。金融の最新ITであるフィンテック(FinTech)についても、最近では毎日のように、新聞の紙面を飾るようになってきました。しかし、フィンテック や フィンテックを扱うスタートアップ企業 がメジャーになる一方で、伝統的な(≒保守的な)企業社会において、スタートアップ企業やそこに勤める人たちを “異質なもの” として認識する傾向は、以前と同様で、ほとんど改善されていないように思います。

 

アメリカ本社の同僚いわく、アメリカでは、いわゆるデジタル系企業を以下のような言葉で表現することが多いようです。

 

  • ● Digital Giant ・・・ Google、Amazon、Facebook などの企業。Microsoftは、もうこの範疇には入れないそうです
  • ● Ankle Biter ・・・ 直訳すると “足首を噛む者”。子供や子犬、転じて 砂利 などを指すスラングで、“取るに足らない” というニュアンスが含まれます。アメリカでは、IT系のスタートアップ企業で、芽が出てきたところ(ブレーク前)を、このように呼んでいるようです

 

「最初は取るに足らない存在だったものが、いざ噛まれてみると、ちょっと痛い。放置しておいたら、結構重症だった・・・」 

 

Ankle Biter とは、そういう感じなのだと思います。しかしこの見方って、極めて大企業的視点で、上から目線のように思いませんか? 大企業がナンボのもんやねん! ほんの数年前までAnkle BiterでしかなかったUber やAirbnb が、今となっては、時価数兆円の企業に大化けしているのです。今のUberに噛まれたら、日本の大企業のほとんどが、体全体を丸呑みされてしまうわけで、苛烈な下克上を、ほんの短期間で実現できてしまうという現実を、伝統的な企業に勤める人々は、理解しなければなりません。

 

あなたがベンチャー社員より優れていること、って何?!

 

ベンチャー企業と付き合ってみて、私がまず感じたのは、「この人たちは、何て優秀なんだろう・・・ 大企業の人間は、束になっても敵わないかも?」ということでした。彼ら・彼女らは、本当に、本当に! 優秀です。

 

まず、ITリテラシーがすごい! これは、単なる “オタク” とはちょっと違っていて、ITをビジネスに利活用する能力がすごい! と言っています。昨今のビジネス処理のほとんどは、ITに依存しているのは自明ですから、要は、ビジネスのリテラシーがすごい! つまり、仕事がめっちゃデキる!!と言っているのです。

 

「とはいえ、人との接し方とか、いわゆるビジネスマナーについては、伝統的な大企業の社員の方が “上” なんじゃないの?」 と考えたみなさま。逆に、私から問いたい。

 

ビジネスマナーが “上” って、具体的にどういうことを指しているの?

 

お辞儀の仕方? 名刺の渡し方? 応接で、だれがどこに座るかってこと? そんなもん、どーでもいいし、百歩譲って必要なことだとしても、1日あれば小学生でも覚えられるじゃないでしょうか! 一方で、ITをベースとしたビジネスリテラシーって、一朝一夕じゃ、絶対に身につかないですよ!!

 

私は本心からビジネスマナーなんてどうでもいいと思っておりまして、そんなことより、ビジネスに対する 意欲・パッション の方が、一億倍重要だと考えています。言い換えると、どれだけお客様のことを考えられるか? お客様本位のビジネスができるか? ということ。この点についても、ベンチャー企業の社員は、ハンパなく、レベルが高い。だって、彼ら・彼女らの信念は 「自分たちのアイデアやテクノロジーを使って、いかに お客様を喜ばせることができるか?」に尽きる。そのことだけを考えていると言ってもいいぐらいです。熱い! 本当に、熱い!! のです。

 

・  スタートアップ企業の社員 ・・・ ITをベースとしたビジネスリテラシー=めっちゃ高い! お客様への思い=めっちゃ熱い!

・  大企業の社員 ・・・ ビジネスリテラシー=いまいち! ビジネスマナー=高いかもしれんが、どーでもいい! お客様への思い=冷めている! 自分や会社の方がかわいい!

 

・・・ということなんですね。 さて、あなたなら、どちらの会社と付き合いますか? そして、今後の日本社会を担うのは、どちらの会社の社員さんでしょうか?

 

オリンピックの新種目とベンチャー

 

台頭著しいベンチャー企業に思いをはせるとき、私がいつも思い浮かべることがあります。それは、 “オリンピックの新種目” なんですね。少しご説明いたしましょう。

 

オリンピックが開催されるたびに、新たに追加される種目が話題になります。2020年の東京オリンピックにおいても、野球・ソフトボール、空手、ローラースポーツのスケートボード、スポーツクライミング、サーフィンの5競技が、東京五輪組織委員会の理事会によって推挙されました。野球・ソフトボール、空手というのは、日本の “お家芸” ともいえる種目です。老若男女を問わず、馴染みのあるスポーツだし、イメージも湧きやすいと思います。

 

一方で、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンはどうか? どの競技も、一般的かどうかという視点では、一部熱狂的ファンはいるものの、必ずしもそうではない。若者を取り込むために、政策として推挙された感は否定できません。

 

で、TVなどのマスコミは、こぞって、現時点における各種目の日本チャンピオンに、インタビューを実施します。野球やソフトはいいでしょう。有名人やスター選手もだいたい察しがつきます。一方、スケボーやサーフィンはどうでしょうか?

 

彼ら、彼女らの多くは、茶髪・Tシャツ・Gパンというスタイルで、何ならピアスとかも普通にしている。ガムを噛みながら、インタビューに応じるかもしれません。古い世代の人たちは、それを見て、どう思うか・・・??? (実際に、冬季オリンピックの スノーボード競技 のアスリートたちは、結構トガった感じの人が多いですよね・・・)

 

この構図、伝統的日本社会にITスタートアップが飛び込んでくるのと、似ていると思いませんか? どうしてネクタイをしていないのか?! 髪を染めているのか?! 生意気な言い方をするのか?! 保守的な一部の人たちは、苦虫を噛み潰す思いで、彼ら・彼女らを見ているはずです。

 

しかし、よく考えてみましょう。彼ら・彼女らを選んだのは、果たしてだれなのか? そう、伝統的日本社会の中心にいる人たちが、彼ら・彼女らを選び、三顧の礼で招き入れたのです。 

 

「われわれの力では、これ以上のブレークスルーは望めません。是非、みなさんの力で閉塞した社会を変革してください!」

 

伝統的企業に所属し、伝統的社会の仕組みに慣れてしまったわれわれは、スタートアップ企業から、真摯な姿勢で、多くを学ぶ必要があります。それなくして、継続的な社会の発展は期待できない。いかに両者を融合し、伝統的社会の “常識・通念” というものを破壊できるか? 

 

スタートップ企業のみなさんとの接点は、21世紀初頭における大きな岐路を意味しています。私は今後とも、スタートアップ企業のみなさんとのコラボレーションに期待し、積極的に活動していきたい、そして、彼ら・彼女らとのコラボを、心から楽しみたいと願っています。では!

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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