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タカシの外資系物語

“あなたは チャンピオン!” メールが届いたら?!(その2)2015.11.24

“champion” としての ビジネスプランを書く!

 

(前回の続き)ある日突然、あなたのメールボックスに “You are the champion ! ” というタイトルのメールが、外国人のえらいさんから届いたとしたら・・・。 なんじゃ、コリャ?! 

外資における、“You are the XXX champion ! ”メール とは、「XXXの分野において、推進をリードするとともに、若手をサポート/育成してください」 という 業務指示 メールを意味します。“champion” という単語には、日本人がイメージする “世界チャンピオン” という意味に加え、“(主義・主張のために戦う) 擁護者” という意味もあり、そこから転じて、“若手をサポート/育成する” という指示内容につながるというわけです。さて、今回のコラムでは、“You are the XXX champion ! ”メールが届いたときの 正しい対処法 についてお話しします。

 

“champion”メールが届いたら・・・、あなたなら、どうしますか? 

 

まず、このメールは単なる社内キャンペーンを広くアナウンスしているメールではありません。上述の通り、業務指示 のメール です。よって、受け取ったあなたは、XXX の分野を推進する計画をドラフトし、メールの送り先である 外国人のえらいさん に返信をしなければなりません。要は、通常のビジネス推進プランを伝えればいいわけでして、内容として含むべきは、以下の項目だと思います。

 

①   (自分の担当地域・組織における) XXXエリアの現況・課題

②   (現時点で自分が思うところの・・・ ドラフトで構わない) あるべき姿・ゴール

③    推進組織 具体的な名前入り

④    スケジュール 各タスクを担当する人の名前入り

⑤    Requirements 経営陣に対する要望 特に、お金がかかるもの 人事異動が必要なもの

 

本件に限らず、「ビジネス推進プラン」と言われれば、普通は上記①~⑤を指します。これは、外資・日系問わず、です。

この中で、特に重要なのは、② と ⑤ です。② と ⑤ の書きっぷりを見れば、その人のレベルがはかれます。いわゆる “残念な人” のプランには、② と ⑤ の記述がないか、あっても非常に薄い・・・。

では、② と ⑤ をうまく書くには、どうすればいいのか? それは、「② と ⑤ 以外を、しっかりと書く」 ということです。 なんじゃそれ?! 少し説明しましょう。

 

② をしっかり見せるためには、①をしっかり記述しておく必要がある。同様に、⑤ を際立たせるためには、③ ④ を明示しておく必要があるのです。これ、多くの人が理解していていないポイントではないでしょうかね? 「魅せる!ビジネス文書」というのはいくつかのTips(コツ)があるので、別の機会にお話したいと思います。

 

“champion” としての 自分を猛アピールする!!!

 

ま、ここまでは普通の仕事ぶり。せっかく、外国人のえらいさんから直接連絡があったのですから、ここは アピールの場 として使い倒しましょう。もちろん、これも仕事の一環ですから、ビジネスのゴールを実現するものでなければなりません。「仕事をしつつ(または、仕事をしている フリ をしつつ)、自分を猛アピールする!」 このような したたかさ は、外資だけでなく、今や、日系企業にも必要な要素となってきつつありますよねー!

 

では、この局面における 効果的なアピール方法 とは、具体的にどのようなものか? いくつかありますので、順を追ってお話しましょう。

 

(1)  すぐ 返信 する

 

“すぐ” とは、具体的に どのくらいか? “すぐ” は “すぐ”、即座に!、right now ! です。たまたま、リアルタイムでメールを受信したら ラッキー です。1分以内に速攻で返す。時差の関係で、朝起きたら来ていた・・・ という場合でも、極力早く返すことが重要です。

 

なぜ 速攻 なのか? 自分よりも上位の人、それが役員クラスであればなおさらですが、そういう人は、時間あたりの単価 = 給料 が高いのです。逆に言うと、単位時間あたり、下位の人よりたくさん働いてもらわないといけないわけで、彼ら・彼女らを効率的に働かせるために、時間をあけずに返信する、これ “常識” です。

一方で、日系から転職してきた人は、この “常識” を守らない人が多い。外資では、役員からのメールを、返信できる状況にあるにもかかわらず放置するなど、ありえない。それができないために、残念な評価を受けている人が相当数いらっしゃいますので、要注意ですね。

 

では、何を書けばいいのか? それは、上記に上げた、ビジネスプランに含むべき項目①~⑤の超ドラフト と いついつまでに①~⑤を書いて送りますよ、という 期限 です。極端な話、「メール見ました!championとして、○○に留意して、プランニングを進めます!!」でもいい。とにかく、メールを見て、既にアクションに入っていることを示すことが重要です。

 

出世する人は、“champion”メールの機会を逃さない?!

 

(2)  同時に指名されたメンバーとコラボする

 

自分と同時に、“champion”メール が届いたメンバー、多くは、他部門であったり、海外に所属していたり・・・ というメンバーですが、その人たちとのコラボレーション(共同作業)を進めると good です。これは、メールを送った外国人マネジメントが、最も期待していることでもあるんですよね。

最近は、社内の “コミュニティ” を作って、意見交換などを効率的に進めるITの仕組みも充実していますので、そういうのを活用しつつ、定期的に、“champion meeting” を実施するというのもいいでしょう。

その際、英語が不得手だという理由だけで、“その他大勢のお客様” になってはいけません。アピールという観点でいえば、sub – leader ぐらいにはなっておきたい。実際のmeetingでは、思うように発言できなくても、それはそれで構わないので・・・。役員UPへのアピールというのは、そういうもんです。

 

 

(3)  自分が “champion” であることを 社内に周知する

 

“champion”メール というのは、正式な業務命令と同じです。ですから、他の既存業務と同様の優先順位を持っていますし、うまく仕事を回すためには、社内に周知してもらう必要も出てきます。

最悪なのは、これを “課外活動” のようにとらえ、優先順位も低く設定してしまうことです。結果、アクションがどんどん後回しになって、進捗が滞り、送り主である外国人のえらいさんから進捗報告の指示を受けて、大慌てする・・・ 非常にありがちなパターンですね。

 

こうならないためにも、最低限、以下のことは実施すべきでしょう。

 

・ 自分の上司、同僚、部下、チームメンバーなどに、外国人のえらいさんから “champion”メールが届いたので、こういうビジネスプランで進めます! と宣言するメールを送る

・ 業務メールのヘッダーなど、自分の肩書きに、“champion” である旨記載する

Ex) Takashi Nara, Partner, Mobile solution “champion”

・  “champion”タスクによる見込み成果を数値化して、自分の評価項目に入れる(入れることを、自分の上司に認めさせる) ・・・ これ、結構重要。これをやっておかないと、自分がリアルに所属する日本の組織から評価されなくなるため、やる意味が半減しますし、協力も得にくくなります。

 

みなさん、いかがでしょうか? ま、外資というところは、直属の上長の指示が絶対であるかのような言われ方がしますが、出世する人というのは、それ以外の機会、例えば “champion”メールなども、最大限活用している、ということです。それに加え、自分を “champion” と呼ぶことで、仕事自体を楽しんでいる側面もあるということです。きっとみなさんも、何かの “champion” であるはず。そういう意識で、当該分野において、推進をリードするとともに、若手をサポート/育成することを検討すると、今以上に仕事が楽しくなるかもしれませんよ!では!!

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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