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タカシの外資系物語

Singularity って、何?(その5)2015.07.28

夏休み映画は、AIのオンパレード!

 

(前回の続き)AI(人工知能)の発達により、早ければ5年以内に、多くの仕事が人間から奪われる・・・ また、2045年には、コンピュータが人類全体の能力をはるかに超え、それ以降の歴史の進歩を予測できなくなる(=“Singularity”)・・・ これら、眼前に突き尽きられた事実に対して、われわれ人類はどのように行動すればいいのか? 今回のコラムでは、“AI(人工知能)との付き合い方” について検討してみたいと思います。

 

「おいおい・・・ われわれ “人類” はどのように行動すればいいのか? ・・・ ってか? “人類” って・・・、ちょっと大げさじゃね?(語尾上げ)」

 

全然大げさではない! 君は、過去4回分のコラムを読んだのか、ホントに・・・(怒!)。 

 

AIの進化は、今年の夏休み映画の目玉として公開されている洋画を見れば、如実に表現されています。

 

①    『アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン』 ・・・ 今回の “敵” は、世界制服を目論む悪者・・・ではなく、アイアンマン(アベンジャーズの隊長格のおっさん、正義の味方側)が開発した、人間護身用のロボット軍団。要は、味方のつもりで作ったロボット(≒AI)が反乱を起こし、ドえらいことになるというもの

 

②    『ターミネーター:新起動 ジェニシス』 ・・・ そもそもこの映画、人間が作った機械(ロボット)に裏切られる系の元祖。今回もシリーズを貫くお馴染みのストーリーは踏襲しているが、タイムマシンのパラドックスがテーマに加わっており、話が超ややこしい・・・ 旧型ターミネーター役のシュワちゃんは、未来の人類反乱軍のリーダーであるジョン・コナーの母サラ・コナーを絶対に死なせないようにプログラムされているのは、前作までと同様

 

③    おまけ 『ジュラシック・ワールド』 ・・・ AIとは全く関係ないが・・・ また失敗したのか、この人たちは! 本当に、懲りない人たちだ・・・ ちなみに、『ジェラシック』 という人が多いが、正しくは 『ジュラシック』 である。『ジェラシック』って、嫉妬の世界か・・・ なんか、こっちの方が恐いが。井上陽水か!! ジェラシー♪~

 

『アベンジャーズ』しかり、『ターミネーター』しかり、ロボット(≒AI)が勝手に暴走したというよりは、人間が何らかのミスをしたか、自分の利益のためにロボットを悪用したことにより、とんでもないことが引き起こされている。実際のところ、“ロボットの反乱” というのは、人間が原因となって起こるのではないか? 仮に、2045年の “Singularity” が来て、ロボットがあらゆる能力において、人間を凌駕することになったとしても、ロボット自らが、自主的に、人間を滅ぼすことはないのではないか? どこかに人間の欲やミスが存在して、それを契機にロボットの不具合が起こる。だとすれば、それが起こらないように細心の注意を払えば、人間とロボットの共存は可能なのだと思います。楽観的ですが、そう信じたい!

 

「10~20年後も “残る仕事”」の共通点とは?

 

楽観志向のついでに、「AIが人間の仕事を奪う」 ではなく、「人間がする必要のない仕事を、AIが肩代わりしてくれる」 と考えてみる。無味乾燥とした単純作業はAIに任せて、もっと付加価値の高い、やりがいのある仕事に就くことができる・・・ そう考えてみましょう。

 

このシリーズの冒頭に記載した、AERA 2015/6/15号に掲載された特集記事 に戻ってみましょう。「10~20年後に “なくなる仕事”」に並列して、「10~20年後も “残る仕事”」が記載されています。そこにあるのは・・・

 

レクリエーション療法士、現場監督、教師、医師、ソーシャルワーカー、人事マネージャー、カウンセラー等々・・・

 

人を育てる仕事、人を治す仕事、人を助ける仕事、人の成長を応援する仕事、つまり、人と人が生身で触れ合うことでしか成立しえない仕事が残っています。“レクリエーション療法士” というのは、日本で馴染みのない職業名ですが、映画『パッチ・アダムス』にて、今は亡き名優 ロビン・ウィリアムスが演じた役柄だと言えば、イメージが湧くでしょうか。実はこの話、実話なんですよね・・・。私の大好きな映画の1つです。

 

もう1つ、読者のみなさんに、是非ご覧いただきたいビデオ(YouTube)を御紹介します。カナダのトロントに、TD Bankという銀行があるのですが、その銀行のプロモーション・ビデオが泣けるのです! ま、とにかく見てください。機械(銀行のATM)がお客様に話しかけるという設定で、ある意味、強烈なメタファーが効いているのですが、絶対に泣けます!! 私は仕事で疲れたとき、このビデオを見て、元気を取り戻しています。人間にしかできないアプローチを知ることができると思います。

 

最も重要なことは、“教育” !!!

 

人間が、ロボット(≒AI)と共存する道は、役割分担を明確にすること。その前提として、人間にしかできない仕事を定義し、それを実践するスキル・能力を身につけることが必須です。そういう意味では、今後ますます重要になってくるのが、“教育” だと思います。

 

しかし、現時点における日本の教育体系では不十分な点が多いように思います。1つには、人間力を高めるための情操教育が不足しています。最近、リベラルアーツが重要! とか言っていますが、要は、情操教育が不足しているのです。英語教育の時間を増やすことも必要ですが、悲しいものを見て泣ける、楽しいことをして笑える人間を育成する授業は、もっと重要だと思います。

 

2つめには、英数国理社の5科目、いわゆる入試のテスト科目しか評価しない教育システムも大問題です。日本以外のほとんどの国では、上記5科目以外の、芸術やスポーツ、ボランティアなどの社会活動も立派な “学問” として評価され、それらの学位が存在し、取得すれば相応の資格として認められるシステムが確立しています。「10~20年後も “残る仕事”」の大半は、英数国理社の5科目ではなく、芸術やスポーツ、社会活動の方です。早急に、東大を頂点とした “英数国理社5科目による偏差値ピラミッド” を崩し、再構築する必要があるでしょう。

 

3つめの課題は、教える側の絶対数が不足しているということ。18歳以下の人口が減少するので、文科省が国立大の教員養成学部の廃止・見直しを進める、というニュースも報道されています(2015/7/27付 日本経済新聞朝刊)。 アホか! 人口が減る一方で、教育の多様性が増した結果、教師はもっともっと必要になってくるのです。加えて、教師の待遇についても見直す必要があるでしょう。なんといっても、教師は 「10~20年後も “残る仕事”」 の代表格なのです。教師の方が、弁護士や会計士よりも、高給取りになっても、全くおかしくないのです!

 

人工知能やロボットと共存することで、もっともっと人間らしい生活を送ることが可能となるはずです。町中で、笑顔が溢れ、感動の涙を流すような社会を作ることが可能なはずです。そのためには、われわれ人間が、人間たる所以の証左として、“人間力”を高めるよう努力する必要があります。と同時に、人工知能やロボットをコキ使うという横暴さを捨て、いかに共存していくかを、真剣に考えなければなりません。科学技術を放置すると、取り返しのつかないシッペ返しをくらいます。それは、東日本大震災の原発事故で実証済みです。若者や、これから生まれ来る子供たちにとって、素晴らしい社会を残してやるためにも、人工知能やロボットと協力する社会をデザインしていきたいと切に思います。では!

 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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