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タカシの外資系物語

外資 “デューデリ” 狂想曲 (その2)2014.11.11

Due Diligence って、何?!

前回の続き) わが社では、「執行役員以上であれば、自分の都合で勝手に会議を招集できる」という横暴なルールがあり、それを実践するシステム機能(横暴極まりない招集メールの発信)も完備されています(ちなみに社員の間ではこのメールを、 “いきなり「決定」 メール” と呼んで、恐れている・・・)。 現在、私の職位は “パートナー” というもので、広義には役員とされることもあるのですが、 “いきなり「決定」 メール” を出すことはできません。つまり、このルールに関しては、執行役員未満ということ。ま、有り体に言えば、都合のいいときだけ役員扱いで大きな責任を持たせるわりには、リターン(お給料)は執行役員よりかなり劣るという、これまた何とも理不尽なルールの中に生きています。さて、今朝私のメールボックスに送信された  “いきなり「決定」 メール”、専務のSahさんからのものなのですが、Sahさんと私は異なる部門に所属しているため、ほとんど接点がありません。Sahさんは、いかなる用件で私とのミーティングをセットしたのでしょうか?

 

ピコーーン!(電子音 from PC) ← 私のPCは、 “いきなり「決定」 メール” が着信ちたしたときだけ、音が鳴るようにセットしています。

 

「ん? 専務のSahさんからだ・・・ アジェンダ(Agenda:会議の議題)は、と・・・」

 

Due Diligence for Takashi Nara

 

「デューデリジェンス・・・、デューデリか・・・ にゃにぃーーーーーーーーーー、デューデリって、わしゃ何かしたんかーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!(T-T)(T-T)(T-T)」

 

さて、みなさん! 前回のコラムの最後で、みなさんに宿題を出しておいたと思います。デューデリジェンス(Due Diligence)、略してデューデリとは何か? Wikipediaを参照してみましょう!

 

● デューデリジェンス(Due Diligence) ・・・ ある行為者の行為結果責任をその行為者が法的に負うべきか負うべきでないかを決定する際に、その行為者がその行為に先んじて払ってしかるべき正当な注意義務及び努力のこと

 

・・・さっぱり、わからんわーーーーーーーーーーーーーーーーっ!

 

デューデリジェンス(Due Diligence) ・・・ 上記より転じて、投資やM&Aなどの取引に際して行われる、対象企業や不動産・金融商品などの資産に対する “調査活動” である・・・

タカシがデューデリを受ける理由とは?!

一般に、“デューデリ” というのは、企業の資産査定のことを指します。Wikipediaの解説にもある通り、M&Aにおいて頻繁に使用されます。自社が買収しようとしている企業が公表している財務情報は正しいか、どこかにとんでもない負債を隠していないかどうか・・・ 買い手・投資家は、買収する前に、自らの手で徹底的に調べ上げるわけです。われわれ一般個人だって、車や住宅など、高額の買い物をする場合には、目を皿のようにして調べますよね。それと同じです。

 

実は私、銀行員時代の一時期、投資銀行部門に在籍していたことがあり、リアルなデューデリを実施したことがあります。また、前職は監査法人系のコンサル・ファームだったため、監査の視点からも、デューデリに関与したことがあります。

数年前にヒットした真山仁さん作 『ハゲタカ』 などにおいても、デューデリの様子が描かれています。調査が決まった瞬間から、入り口に控えていたスタッフが自前のPCやコピー機を持ち込んで、各分野の専門家が夜を徹して調査にあたります。私は真山さんの著作は全て読破しましたし、ドラマも映画も観ましたが、ほぼその通り。真山さん、実際の現場をかなり取材されたと思います。強いて言えば、本当の現場はもっとうるさい、叫び声にも似た怒号が飛び交っています。買い か、見送り か・・・ マーケットは時々刻々と動いているわけで、作業にスピードが求められるのはもちろんのこと、1つのミスが億単位の損失につながることもあるわけですから、現場はまさに鉄火場と化しています。

 

以上の通り、デューデリ本来の意味はご理解いただけたと思います。では、Sahさんが送ってきたメールのタイトル 「Due Diligence for Takashi Nara」 とは、何を意味するのか? 直訳すれば、「私、奈良タカシに対する “資産査定”」 ということになります。つまり、何らかの目的のもと、私を徹底的に調査する、ということを意図しているわけです。

 

デューデリは単なる行為ですから、言葉自体に否定的な意味はありません。しかし、ニュアンスとしては、

 

「お前、なんか隠してるだろ? 正直に言えよ、オラオラーーーーーーーっ!」

 

というイメージがあることは間違いない。第三者から見れば、

 

「タカシ、お前・・・ なんか悪いことしたんか?」

 

と疑惑の目を向けられても仕方の無いグレーな語感を持っています。だから私は焦っとるわけです! わし、なんか悪いことしたんかーーーっ!! クビになったら、どうしよーーーーーーーっ!!!(T-T)(T-T)(T-T)

タカシ、とうとう窮地に!!!

「落ち着けーー、落ち着けよー・・・ わしゃ、なんも悪いことはしとらん! きっと、何かの間違いなんだから・・・」

 

専務のSahさんから、“デューデリ” に関する電話会議(というか、インタビュー。というか、尋問?!(T-T)) を受ける当日。超 “チキン” な 私は指定された電話会議用の小部屋に、20分も前に陣取って、昨夜徹夜で考えた想定問答の復習をしていました。とはいうものの、私がデューデリを受ける原因を作った “罪状” がわからん以上、想定問答もへったくれもないんですが・・・

 

「よし、時間だ! 自信を持って答えよう!!」

 

電話会議システムにアクセスすると、Sahさんはすでにアクセス済み。いかーーーん、専務を待たせてしまったわーーーーーーーーーーーーっ!! いきなりの失点!!!(T-T)

 

私 「H, Hello, Sah-san. This is Takashi Nara speaking ・・・」

Sahさん 「コンニチワ、タカシサン! キョウ ハ、ジカン ヲ トラセテ、アリガトウ!」

 

ま、まずいぞ、これは・・・! 片言の日本語ができる英語ネイティブと話す際、お互いが本来とは逆の言語を使ってしまい、コミュニケーションがチグハグになる、最悪のパターンではないですかーーーっ!!

 

私 「Anyway, what is today’s agenda “Due Diligence”・・・?」

(いきなり直球の質問だーーーーーーーーーーっ!)

 

Sahさん 「ソウネ、コノ プロセス ハ、トテモ ジュウヨウ。ヒト ノ イッショウ ニ カカワル コト ・・・」

(人の一生にかかわること・・・?! キターーーーーーーーーーーっ! わしゃ、クビかーーーっ?!(T-T)(T-T)(T-T)

 

(前回からほとんど進展がないまま、次回に続く・・・)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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