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タカシの外資系物語

外資系タカシ流! 人前で話すときに気をつけていること (その2)2014.07.22

    喫茶店ではフルネームでオーダーせよ!

    前回の続き) 私が人前で話すときに気をつけていることの1つ目は、「(1) 略語を使わない」ということです。実は、その徹底ぶりは相当なもの。前回お話したエピソードに加え、次のようなシチュエーションでも、決して略しません。例えば、こじゃれた喫茶店に入って、『雪の女王が作った白いクリームソーダ』 というメニューがあったとします。このメニューをオーダーするとき、多くの人は 『クリームソーダ』『白いクリームソーダ』 または 『雪の女王』 というふうに、商品名の一部だけを切り取って、店員さんに伝えると思います。しかし! 私の場合、まず間違いなく、ガチでフルネームを言います。 


    「 『雪の女王が作った白いクリームソーダ』 をお願いします!」


    ちょっと、“引く” でしょ? でも、どれだけ引かれようが、私はフルネームを言う。なぜか? それは、このネームを考えた人に敬意を表したいからです。結構悩んだ結果だと思うんですよ、この商品名・・・ 最初は、『アナと雪の・・・』とかにしちゃって、「店長! ディズニーからクレーム来まっせ!」 「え、マジ?!」 みたいなやりとりがあって、これに落ち着いた。しかし、あれだけ悩んで決めたのに、だれもフルネームでオーダーしてくれない。やっぱり、俺のセンスはイマイチなのかなぁ・・・(T-T) 
    正直言うと、イマイチなんですよ、間違いなく・・・ でも、たった一人であっても、苦労して名付けた商品名をフルネームで言ってくれたら、嬉しいと思うんです。自分の名前だって、初めから省略されて呼ばれたら、気分悪いでしょ? それと同じです。 

    無意味に英語を混ぜると、大変なことになりまっせ!

    さて、今回のコラムでは、2つめの理由 「(2) (日本語で同じ意味の言葉が存在する場合は)横文字 = 英語 を使わない」 についてお話したいと思います。ではまず、悪い例から。


    (よくありがちな外資系パーソンのプレゼン) 
    「Uhh・・・, Can I start ? OK ! おはようございます! Thank you for your attendance ! ではこれから、私のclient、A Bankにおける、this fiscal year budget と そのachievement strategyについて、presentationいたします・・・」


    なんやねん、こいつ・・・ と思うでしょ?! まず、英語か日本語か、どっちやねん! という点が気になる。おそらく、この会議には日本語が理解できない外国人(それなりのランク)が参加していて、その人には通訳がついていると思います。だから、日本語で通して全く問題ない。なのに、このプレゼンターが中途半端な英語を話している理由は、おそらく以下3つです。


    (1) 俺は今、本気を出していないだけで、本当は英語ペラペラ・・・ という虚栄心から。本当の本当をいうと、ペラペラではない 
    (2) 話す内容がややこしい(特に、数字部分)ので、万が一誤解を与えないように、数字部分は通訳さんにお願いしたいから(結構、弱気じゃねぇか!) 
    (3) 普段から、日本人相手でも、こういう話し方をしているから


    (1) (2) はどうでもいい。この人がチャラいだけですので、放っておきましょう。問題は (3) です。このような話し方では、どんなに優れたことを言っていても、頭が悪く見えます(ま、頭のいい人は、そもそもこういう話し方はしないが・・・)。  
    外資系や欧米にかぶれた輩は、すぐに英語を混ぜたがる。マスコミ関係は、すぐに言葉を逆転する、女子高生は何言うとるか、さっぱりわからん・・・。でも、そのコミュニティ内で、その話し方を楽しむ分には、勝手にやればいいと思うんですよ、遊びなら・・・。自営業の方も、それでいいでしょう。影響は自分に限定されますから。 しかし、会社・企業という組織に入っている以上、この手の話し方は即刻やめるべきです。その組織に所属している人全員が、同様のレベルだと思われてしまいますから。


    「みなさん、おはようございます! 本日はお忙しいところ、私の説明会に参加いただきまして、ありがとうございます。では早速ですが、私が担当させていただいております、A銀行様の本年度営業目標数値と達成のための戦略について、お話を始めさせていただきます・・・」


    これで十分じゃないですか。通訳さんもうまく訳してくれると思いますよ、これならば・・・・。 私の経験上、「英語ができる立派な日本人」というのは、日本人の中で日本語を話すべきときは、非常にきれいな日本語をお話になります。一方、英語を話すときも、相手のレベルに合わせることができる。相手がネイティブなら、ネイティブ並みに、少し英語ができる程度の日本人が混在している場合には、その日本人が理解できるように、レベルを落とす、という感じ。


    言語というのは、巧拙を競うものではありません。あくまでも、コミュニケーションの手段です。少しばかり英語をかじったからといって、無意味な英語を乱発する人は、見ていて本当にカッコ悪い。それよりも、きれいな日本語を話す人の方が、100倍カッコいいです。私自身も自省の念をこめて、常に心に留めていたい事柄の1つです。

    まだいた?! カッコ悪い単語を使う人たち!!

    それでも、10年前に比べると、中途半端に英語を乱発して、アホ丸出し・・・ という人は、確実に減ってきました。でも、まだいるんです。単語レベルで、カッコ悪い英語を使う人たちが・・・


    (1) 「・・・というわけで、大半の課題や懸念事項については、対応ができたと思います。しかし、still! 大きな問題が残っています」


    → still って、アンタ・・・ ライオネル・リッチー(コモドアーズ時代)か君は・・・  「依然として」 「それでもなお」 で ええやろがーーーーーーーーーっ!


    (2) 「うーむ、専務のお考えがわかりかねますねぇ・・・」 
    「これは私の guess なんですけどね、専務は次のようにお考えなのでは・・・」


    → guess。 上記の “用例” でこの言葉を初めて聞いたとき、正直、何言っているのかわからなかったんですよ。「ゲス、下衆?」 = 「私は下衆野郎なんですけどね、専務は・・・」 だと思っていました。自分のことを、そんなに卑下しなくてもいいのに・・・ とか、思ったりして。でも、guess だったんですね・・・ ならば、 「想像」 「推測」 でええやろがーーーーーーーーーーーっ!!


    すいません、つい、取り乱してしまいまして・・・ みなさんも、気をつけましょう。 次回は、「(3) 意識的に “間(ま)” を空ける」 「(4) 自分が100%理解していることしか話さない」 「(5) 事前に十分な練習を積むとともに、十分に休養をとって、話す体力を温存しておく」 について、お話を続けることにいたしましょう。

     

    次回へ続く

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

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