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タカシの外資系物語

“運” をコントロールする?! (その2)2014.07.01

    アメリカ人同僚Fはスペシャル・タクシーに乗れるのか?!

    前回の続き) 「禍福はあざなえる縄の如し」 「人間万事塞翁が馬」・・・ 運・不運というのは何らかの確率に従って起こるものであって、生まれつき運がいい人、悪い人、というのは存在しない。ただし、運・不運の発生確率が収斂するには、人の人生は短すぎるため、息絶える段階になって、運が発生する分布が前倒しになった人を “運がいい人” と呼び、生きている間に運の発生確率が、たまたま低かった人を “運が悪い” 人と呼んでいる・・・ これが私の “運” に関する考え方です。何やら小難しいことを言っていますが、要は、運に良し悪しなどなく、かといって、人生全体で見るとプラスマイナス・ゼロになるわけではない。運を良くする、運を引き寄せる、なんて啓発本やセミナーに参加するぐらいなら、仕事を先に進めるか、寝てるほうがマシだ! という意見です。が! 私のこの考え方に、アメリカ人の同僚Fは、真っ向から異を唱えてきました・・・


    アメリカ人同僚F 「俺もタカシと同じタクシーに乗ってみせるよ!」


    先日のこと、私は某タクシー会社がサッカーのワールドカップに合わせて実施しているキャンペーン・カーに乗るという “幸運” に恵まれました(日本に11台しかない!)。そのタクシーは、4名の日本代表のカッコいい写真に身を包み、運転手さんもレプリカのユニフォームを着るという豪華版。加えて、日本で4台しかないという、選手の直筆サインがバックシートに描いてあり、乗車記念として、非売品の日本代表グッズがもらえるという、ファン垂涎のものだったのです!


    私 「乗ってみせるって・・・ 乗りたくても乗れない人が、山のようにいるんだぜ! 実際に、日本で4台しか走っていないタクシーなんだから、偶然出会う確率なんて、どれほど小さいか・・・」 
    アメリカ人同僚F 「偶然の出会いにかけるなんて・・・ この俺が、そんな “運” 任せの戦略を取るわけないじゃん!」 
    私 「えっ!?」 
    アメリカ人同僚F 「呼ぶんだよ、そのタクシーを。“運” を呼び込むんだよ! タカシ、そのタクシーの領収書貸して!」 
    私 「あ、ああ・・・ はい、コレ・・・」


    確かに、そのタクシーは業務使用でしたから、私は領収書をもらっています。そして、そこには、タクシー会社の電話番号とタクシーの車体番号が・・・ そっか! 
    アメリカ人同僚F 「じゃ、タカシにも協力してもらうぞ!」

    “どうしようもない” を “どうにかする” に変える?!

    おもむろに携帯を取り出したFは、そのタクシー会社に電話するやいなや、マシンガンのような英語で話し始めました。私もほとんど聞き取れませんでしたから、めっちゃ速い! いわんや、タクシー会社の人をや・・・ です。と、しばらく間を空けて、今度はうって変わって、ゆっくりとした日本語で話し始めるではありませんか!(ちなみに、Fはほぼ完全バイリンガルです) 本当は日本語ペラペラなんですが、ちょっとレベルを落として、つっかえながら話しています。


    アメリカ人同僚F 「ドウモ、スミマセン・・・。ワタシノトモダチ、スゴクコウフンシテイマス。カレノオトウサンハ、ブラジルノスポーツショウ(スポーツ省)ノエライサンデス。フットボールノナショナルチームノタクシー、ゼヒノセテモラエマセンカ?」


    うそつけーーーーーーーーーーーーーーーっ! “スポーツ省のえらいさん” って、アンタ・・・ し、しかし、Fはまんまと私と同じタクシーを呼び出し、近くの駅まで行って、帰って来ました。手には、非売品のファン垂涎のグッズを持って・・・


    アメリカ人同僚F 「な! 乗れただろ?!」


    ギャフン!!! (って、反応が昭和40年代っぽい・・・) まさか、こんな形で、実力行使に出るとは・・・、恐るべし、同僚F・・・。


    上記のようなことは、アメリカ人と付き合っていると、よく経験します。アメリカ人も日本人と同様に、“運” とは、「その人の意思や努力ではどうしようもない巡り合わせ」 であることは、理解しています。しかし、アメリカ人のすごいところは、“どうしようもない” という発想を捨てて、“どうにかする” に変換することだと思います。 
    私がサッカー代表のキャンペーン・カーに乗ったことを聞けば、多くの人は、「羨ましい」と思うでしょう。実際、そのタクシーの運転手さんに伺ったところ、タクシーを見つけて走って追いかけてくる人は相当いるようです。でも、会社に電話をかけてきて、「是非乗りたい、乗せて欲しい!」という人は、ほとんどいないとのこと。つまり、日本人は、“運” は “どうしようもない” ことであって、実力行使して掴み取るものではないというのが、基本的な発想としてあるのではないでしょうか。 
    一方、アメリカ人は、多少のウソというか、芝居を打ってでも、どうしようもない “運” を、どうにかできる “現実” に変えようとする。この発想の違いが、数々のイノベーションを生み出す可能性につながっていると思うのは、私だけでしょうかねぇ・・・

    日本人とアメリカ人における “アンテナ” の違いとは?!

    よく 「常にアンテナを立てなさい」 などと言われます。アンテナを立てて、感度を良くして、“運” を逃さないようにする。しかし、いくら高価なアンテナを立てたところで、家の中に閉じこもって、周波数も変えずに漫然と待っていても、何も起こらないですよね。日本人のアンテナの立て方は、圧倒的にこの方式が多いように思います。 
    一方、アメリカ人が 「アンテナを立てる」 という場合、常に周波数を変更しながら、電波をとらえやすい場所に移動しつつ、首尾よくキャッチできたら、「あなたのメッセージをキャッチしたよーー!」と返事までする。こうすることで、“運” を “現実” に変えていくのです。 
    (ちなみに、文字通りの 「アンテナを立てる(build an antenna)」という英語表現はありません。普通の英語なら、 on the watch for ~ とかでしょうか。でも、build an antenna っていう表現、結構通じるんですよ、これが! 「それは面白い表現だね」と言われたこともあります。みなさんも、是非使ってみてくださいね!)


    “運” を引き寄せる というのは、「羨ましいなぁ・・・」 で何もアクションしない日本人方式ではなく、具体的に行動を起こして、時にはどんな手段を使ってでも、“運” を “現実” にするアクションをとるアメリカ人方式のことを言っています。実は、この手の話は、カーネギーやナポレオン・ヒルの時代から同じことを言っていて、現在の自己啓発本やセミナーは、100年前とほぼ同じ、普遍的な内容を繰り返し伝えているにすぎないんですね。だから、方法論にあまりのめり込むのではなく、とにかく “現実” 化するようにアクションをとる方向に持っていった方が、間違いなく効果が上がるのです。


    さて、もう1つ、“運” に関して、アメリカ人と日本人における大きな差異があります。それは、キリスト教の背景を理解していないと、日本人にはなかなか腹に落ちないのですが、アメリカ人と付き合う上では非常に重要な考え方なので、次回お話したいと思います。

     

    次回へ続く

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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