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タカシの外資系物語

“放置プレイ” が 人を育てる?! (その1)2014.05.27

    タカシの人脈とその特徴

    先日のこと、私は知り合いの人材育成コンサルタントA氏(社外の方・女性)と話をしていました。


    “外資のコンサル” とかいうと、何だかすごい人脈を持っていそうな感じがするでしょ? ま、実際に、外部の勉強会やコミュニティに出まくって、名刺を数千枚持っている同僚もいます。それはそれで、傍目に見ると華やかに見えるのですが、そういう人に限って、あまり優秀でないことが多い。お付き合いが忙しいのでしょうか、あまり仕事もしない。かといって、いざというときに、その人脈からキーマンを探してくれるかというと、そうでもない。要は、数が多いだけで、関係がめっちゃ薄いんですよね。人脈というのは、“量” (人数)ではありません。“質” です。毎晩毎晩、わけのわからん勉強会に出続けるくらいなら、職場のベテラン社員の話を聞く方が100倍有益だと思います。心当たりのある方は、ご注意を!


    私の場合、社外の人脈については、当然 “質” を重視してお付き合いをしており、お互いに give & takeの良好な関係を構築しているのですが、一方で、“量” が少なすぎるという欠点があります。心おきなく話せるのは、5人ぐらいしかいない。ちょっと少なすぎますね。元来、人付き合いはあまり得意ではなく、自分と波長の合わない人と長時間話すのは苦痛以外の何物でもないので、いきおい、数が限定されてくるのです。様々な分野における友人を、少なくとも10名ほど持っているといいのかな、という気がします。


     

     

    究極の “人使い” とは?

     


    さて、話を戻しましょう。なぜ人脈の話をしたかといいますと、A氏との話の中で、「優秀な営業パーソンの条件とは?」という話題になったからなのです。


    人材コンサルA氏 「彼ら・彼女らは、人脈をうまく使っていますよね。“使う” というのは、究極は、自分の仕事を振ってしまうということ。上司・部下といった社内のリソースと同様に、社外のリソースも使ってしまう。だから、スピーディで斬新な発想・提案ができるのだと思います・・・」 


    これも同感ですね。同僚のBなどは、まさにこれに該当します。Bは、会社で私の横に座っているのですが、ほとんど仕事をしているフシがない。その代わり、自分の部下はもちろんのこと、それ以外の人(上司や社外の知り合い)に対して、様々なお願いや指示を出している。そして、仕事に必要な材料が出揃ったところで、最終的に自分でまとめるという作戦をとっています。憎らしいほど、人を使うのがうまいんですよね・・・。 Bは、自分なりの “仕組み” を発明・構築したんでしょう。私の半分程度しか働いていないくせに、私より売り上げが多い! どういうこっちゃねん!!


    私 「(Bに向かって)お前さぁ、うまい “仕組み” を作ったよなぁ・・・ そういうやり方されちゃ、だれもかなわないよ・・・」 
    同僚B 「さすがタカシ、やっぱり気付いた? でも、この “仕組み” の欠点は、カネがかかるってことだね」 
    私 「えっ? おカネ??」 
    同僚 B 「社外の有識者というのは、グルメが多くてねぇ・・・ 打ち合わせのたびに、ン万円が飛んでいくから、結構キツいんだぜ・・・(T-T)」


    ま、何事も give & take ですからね。優れたエンジン(仕組み)は、燃料代も半端ではない、ということなんでしょう・・・

    タカシの仕事術は、MBAを超えた?!

    さて、デキる営業パーソンの共通点、人脈のほかには・・・?


    人材コンサルA氏 「あとは・・・ デキる営業パーソンは、“自ら考え、行動する” という特徴があるかな・・・」 
    私 「“自ら考え、行動する”・・・? それって・・・」 
    人材コンサル A氏 「それって、当たり前だ、って言いたいんでしょ? でもね、タカシさん、日本の営業パーソン、いや、ビジネスパーソン全体を見渡しても、自ら考え、行動できている人って、ほとんどいないんですよ・・・。違う言い方をすれば、日本のビジネスパーソンの多くは、明日会社に行って、やる仕事がすでに決まっているんです。で、その次が問題なんですけど、それを決めているのは自分自身じゃない。彼ら・彼女らの仕事を決めているのは、上司であったり、システムであったり、マニュアルであったり、ルーティンの作業(よく言えば日常業務、悪く言えば惰性)であったり・・・ つまり、自分では何も決めていないんですよ」


    言っていることはわかります。私の周囲を見渡しても、創造性の高い仕事をしている人など、ほとんどいません。創造性、すなわちイノベーションがないので、売れると決まっているものしか売れない。ほとんどの時間は、売れると決まっていた商品・サービスを販売した後の事前・事後処理、メンテ作業に費やされています。


    私 「なるほどねぇ・・・ 私自身、思い返してみると、今日も昨日と同じことをしていたし、一ヶ月前も同じようなことをしていたし、下手すると、一年前も同じことを・・・ なんか、泣けてきますなぁ・・・(T-T)」 
    人材コンサル A 氏 「放っておくと、そうなってしまうんです。特に日本人は、変化を嫌いますからね。 『単調な仕事は、性に合わないぜ!』 なーんて、いきがっている人ほど、創造性のカケラもなかったりする。だから、会社が、そうならないような 仕組み・ルール を作る必要があるんです」 
    私 「(Aさん、結構辛口やな、この姐さん・・・) どんな、仕組み ですか?」 
    人材コンサル A氏 「えっ? タカシさん、あなた外資系企業に勤めていながら、気付いてないんですか?!」 
    私 「(絶対、ワザといじめとるな、この姐さん・・・) は、はぁ・・・ すんません・・・」 
    人材コンサル A氏 「中にいると、それが当たり前になって、かえって気付かないのかもしれませんね。それは、


    やるべきこと と 期日 だけを伝えて、後は放置する ≒ 放置プレイ


    ということです。方法論も教えない、途中経過も必要ない、ホウレンソウなんて時間のムダ・・・ こうすれば、人というのは、“自ら考え、行動する” ようになるんです。というか、そうせざるをえなくなる」


    確かに! これぞ、「外資流!」って感じですね。日系企業から外資に転職して17年、だれも何も教えてくれない、でも、目標数字だけは設定されている。だから、どんなに無様でカッコ悪かろうが、やるしかないんです。はっきり言って、MBA本を読んで勉強するような、悠長な時間などありませんでした。とにかく前へ、前へ! それを繰り返すうちに、自分なりのやり方を発見する。冒頭に述べた、同僚B の “他人に全部やらせる作戦” も、彼が長年の経験を踏まえて構築したものなのでしょう。不思議なことに、そうやって自分なりに見つけた方法が、そっくりそのまま、MBA本にベストプラクティスとして載っていたりする。ま、そんなもんなんです。


    営業力がスゴく、人材輩出企業と言われている日系企業、例えば、某大手のR社とか、往年のS社とか も、基本は 放置プレイ で仕事を進めているように思います。次回のコラムでは、放置プレイ企業の内外事例と、その弊害、および時代とともに変化しつつある部分についてお話したいと思います。

     

    次回へ続く

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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