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タカシの外資系物語

“字幕の映画” は お好き?! (その1)2014.04.28

    タカシ、映画に行く!

    いきなりですが・・・、みなさーん、最近映画観てますかーー? 勘のいい方ならお気付きかもしれませんが、このコラムには、しばしば映画の話題(映画の名場面を知っているとニヤリとする表現)が出てきます。そう、私は “映画大好きにーちゃん” なのです!


    クリスマス、年末年始、春休み、GW、お盆・・・ 分かりきったことですが、配給会社はこれらシーズンに “目玉作品” をぶつけてきます。このGWの目玉は、何といっても 『アメイジング・スパイダーマン2』 でしょう。しかし! そこに思わぬ強敵が!! それは、『アナと雪の女王』。春休みシーズンからロングランを続け、日本だけでなく、全世界でも記録的なヒットを続けています。


    ここで一言。私はスパイダーマンも観ますが、やはり 通好みの単館上映もの が好きです。ここ最近では、『チョコレートドーナツ』というのが秀逸でしたね。日々、しっかり生きねば、と考えさせられます。単館ものではありませんが、『ウォルト・ディズニーの秘密』も良かったです。名作 『メリーポピンズ』の作者である パメラ・トラバース と ウォルト・ディズニー との関係を描いたものなのですが、『メリーポピンズ』を一度でも観たことがある人にとっては、必見の名作です。原題は 『Saving Mr. Banks』 となっていて、これも分かる人にはわかる。そして、泣ける・・・(T-T)。また、有名な呪文(というか、早口言葉)である “スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス(Supercalifragilisticexpialidocious)” の誕生秘話も出てきて、マニアには垂涎の映画になっています(帰国子女の同僚によると、アメリカの幼児は、ほぼ全員がこの早口言葉をマスターして、遊んでいるとのことです)。みなさんも、是非ご覧ください!


    というわけで、行ってきましたよ・・・、『アナと雪の女王』。最近のシネコンは座席指定も事前にインターネットでできたりして、非常にスマートなんですが、行ってから、いざポップコーンを買おうとすると長蛇の列に、唖然・・・。 ここで、Supercalifragilisticexpialidocious!と叫んでみたところで、「なんじゃ、このおっさん・・・」と冷たい目で見られるのがオチ、列は一向に進みません。結局、あやうく本編の時間に間に合わなくなるところでした。「ポップコーン、出来立て!」 を誇示するのはわかりますが、混雑時には作り置きにしておいても、だれも苦情を言わないと思います。そういう、臨機応変さが欲しいですねぇ。

    比較文化論! タカシの 『Let It Go』 考?!

    「パパーーっ! 面白かったねぇ・・・ おばあちゃんと一緒にもう一度観たいから、DVD買ってもいいでしょ? ね、ね?!」


    さすがディズニー、噂に違わぬ出来、こりゃ記録的なヒットもうなずけます。ストーリー、CG、音楽とも、最高ランクの出来であったことは間違いないのですが、私が一番感動したのは 「松たか子さんの主題歌」 です。みなさん、お聴きになりましたか? 腰抜かしますよ、マジで・・・


    映画 『アナと雪の女王』 の主題歌、タイトルは 『Let It Go』。この歌は公式には、英語の原曲が2曲、日本語訳の曲が2曲と、計4曲存在します。


    ① 『Let It Go』  by Idina Menzel 
    ② 『Let It Go (Ending)』  by Demi Lovato
    ③ 『Let It Go ~ありのままで~』  by May J. (厳密には、『Heartful Song Covers』というMay J.さん自身のアルバムの中に、『Let It Go ~ありのままで~ (Heartful version)』という別バージョンあり!) 
    ④ 『Let It Go ~ありのままで~』  by 松たか子姐さん


    よくありがちなパターンとして、「英語の原曲はいいけど、日本語に訳して、日本の歌手が歌うとイマイチだなぁ・・・」 というの、多いですよね? いやいや・・・、本作に限って言えば、日本語の歌の方が絶対にいい! それも、たか子姐さんバージョンがブッチギリに一番だと断言できます!!


    そもそも、この四者の歌唱法は微妙に(姐やんのは、特に)違うので、同じ土俵で評価するのは難しいのですが、それを差し引いても、たか子姐やんのパンチ力が、他の3曲をぶっ飛ばしています。アンパーーンチ!(※注:アンパンマンのパンチです)。May J.さんなんか、萎縮してますもん、姐やんの迫力に・・・。ただ一部分だけ、歌姫としての意地が炸裂しているところがあります。最後の歌詞、「少しも寒くないわ・・・」の部分、姐やんはサラッと終わっているのですが、May J.さんの方は、「少しも寒くないわーーーーーーー~~~~~~~~~~(超ビブラート)」と伸ばしています。何とか、一矢報いたという感じですな。


    実は私、松たか子さんの大ファンなのです。最初、キムタクとドラマで共演していたころは、何とも感じなかったのですが、舞台、それもミュージカルに出始めてから、才能を開花させたと思います。『ハムレット』のオフィーリア、『嵐が丘』のキャサリンを経験して、そして、『ミス・サイゴン』のキム。素人考えで恐縮なのですが、私は現代ミュージカルの中で、『ミス・サイゴン』のキム役が、一番難しい役どころだと思っています。それを完璧に演じきっているのですから、『Let It Go』 での歌いっぷりも納得できるわけです(松たか子さん、“姐やん”などと冗談を申しまして、ごめんなさい。大ファンなんです、全部観ているんですよーーー)。映画 『小さなおうち』でも、新境地を見せてくれました。


    それともう1つ、歌姫May J. の名誉のために申し上げると、この世で視聴できる 『Let It Go』 のうち、私のベスト1は、松たか子さんのものではなく(なんじゃそりゃー!)、May J.さんの歌ったものです。『関ジャニの仕分け∞』 という番組で、素人と本職の歌手が “カラオケ対決” をするコーナーがあるのですが、ある天才小学生が 『Let It Go』 で挑戦してきたときに、May J.さんが歌った 『Let It Go』、 これがこの世でベスト1だと思っています(みなさんも、Youtubeで見ることができますよー)。これからも頑張ってください・・・。 って、それはそうと、満員電車で潰されそうになりながら、Youtubeの『Let It Go』の聴き比べをしている四十半ばのおっさんというのはどうなんでしょうか、恥ずかしいやら、情けないやら・・・トホホ・・・(T-T)

    吹替版が増えたことを教えてくれた、映画界の超大物とは?!

    単館上映のマニアックな映画好きな私。久しぶりに、大規模シネコンに行ってみて、ポップコーンを買うのに時間がかかる、松たか子さんの歌がぶっ飛んでいる、ということ以外に、あることに気付きました。それは、


    「ほとんどの洋画に 吹替版 があって、字幕版 よりも客の入りが良さそうだ」 
    ということです。


    ま、『アナと雪の女王』が、字幕版より吹替版の方が、人気が高いのは当然のことでしょう。主な観客は小さな女の子でしょうし、作品の出来そのものも、日本語版の方がいいわけですから。しかし、同じ日に上映されていた 『キャプテン・アメリカ』 や 『LIFE!』 にも、字幕版・吹替版の両方がセットされていて、吹替版の方が人気のようでした(字幕版の混雑状況は ◎ でしたが、吹替版は △ でしたから、間違いない。私の主観ではない)。『キャプテン・アメリカ』はわからんでもないですね、元々、アメリカンコミックですから、子供が観てもおかしくない。でも、『LIFE!』は子供が観ないでしょう・・・。ん、もしや、字幕版=大人、吹替版=子供 という思い込みそのものが間違っているのでは・・・?!


    結論からいうと、10年前に比べ、字幕版よりも吹替版を好む大人が、劇的に増加した のは事実のようです。その理由は、映画界に起こった2つのイノベーションと、日本におけるコミュニケーション方法の変化とのこと。私はこの話を、なんとあの、字幕業界の第一人者である 戸田奈津子さんから伺う機会を得ました。果たして、何が日本人の映画スタイルを変えたのか? 結果、英語と日本語の関係はどうなってしまうのか? それについては、次回お話することにいたしましょう。

     

    次回続く

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

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