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タカシの外資系物語

“リケジョ” と 外資系 (その1)2014.02.18

    豪雪の週末に・・・

    雪、雪、雪・・・ 大雪やーーーっ! ここ2週間というもの、週末になると大雪に見舞われています。大雪が降ると、露呈するのが都市インフラの脆弱性。また、鉄道や道路のマヒと同期を取って、サプライチェーンの寸断が起きます。決死の覚悟でコンビニ行っても、何もない! 新聞も来ないし! まぁ、おにぎりや新聞程度なら我慢しましょう。しかし、今回の大雪では、ある鉄道会社が事故を起こしてしまいました。雪仕様にしていたにもかかわらず、ブレーキが利かなかったとのこと。雪は自然現象ですから仕方ないと言ってしまえばそれまでです。が、そのために、尊い人命が危険にさらされるようでは先進国家とは言えません。東京オリンピックを見据えたハコモノ作りも結構ですが、基本的な安全性の確保、具体的には、異常気象や災害に強い街づくり・都市/地方を問わない完全なバリアフリー等の実現を、安部政権には、是非期待したいものです。


    そういえば、週明けの月曜に、出張で新潟に行ってきました。「東京がこんな状態ですから、新潟はとんでもないことになっているんだろうな・・・」と、完全防備で行くことに。上下にヒートテックを着込んで、濡れたとき用に替えの靴下、そして、靴の滑り止め。先日、こうなることを見込んで、ビジネスシューズにも着脱できるアイゼンを購入しました。その名は、“シューベルト”! 洒落た名前じゃないですか!! 使ってみたかったんですよ、これ。で、いざ、新潟へ。


    そうそう、新潟を・・・ない、ない、雪なんて、ひとかけらもないし!!! 到着10分前に装着した、“シューベルト” むなし・・・(T-T) 新潟の手前では、かなり積もっていることを、新幹線の車窓から確認していたんですけどね。現地のスタッフに聞くと、「この時期に、道端に雪の痕跡が一切ないのは珍しい」とのこと。太平洋側が大雪で、日本海側に雪はなし。かなり確信的に、異常気象が起こっていると感じざるをえません。 


    はじめ、雪国って、信号が縦に赤・黄・青と並んでいるんですよね。横に並べると、雪の重さに耐えられなくなって、信号が折れてしまう危険性があるからだそうです。また、豪雪地帯では、雪が20cm以上積もったら、早朝に除雪車が出動し、道路と歩道を除雪することで、通勤時の事故を防いでいるとのこと。ま、東京でいつ降るかわからない雪のために、常に除雪車を配備しておくわけにはいかんのでしょうが、もう少し自治体同士で情報交換をして、雪に備える施策を進めてもいいのかもしれません。

    先週末の新聞は、○○○○だらけ・・・

    さて、冒頭に書いたように、週末の土曜日、我が家には新聞が来ませんでした。問い合わせたところ、横浜と川崎地区をカバーしている印刷工場周辺が通行できなくなったため、各地区の販売店に新聞を運ぶことができなくなったとか。結果、土曜の夜遅くに、朝刊と夕刊がドサッとまとめて配達されてきました。


    土曜の朝は、コーヒーでも飲みながら、ゆっくりと新聞を読むのが私にとっての至福の時間。むぅぅぅ・・・ 私の楽しみを1つ奪いやがってぇ・・・(怒!) まぁ、雪に文句を言っても仕方ないので、眠い目をこすりながら、丸一日遅れて届いた新聞を読み始めたのです。


    「あれ?」 新聞を読み始めて、あることに気付きました。偶然(?)なのか、ある特定の話題を扱った記事が、点在して複数掲載されているじゃないですか!


    ① リケジョってどんな人? (2014/2/15付 日本経済新聞・朝刊) 
    ② 豪、女性幹部5割に挑む (同上) 
    ③ あすへの話題 『ガンバレ・リケジョ!』 by阿木燿子さん (同上・夕刊) 
    ④ (日付は違いますが・・・) 女性経済学者 活躍の場は? (2014/2/17付 日本経済新聞・朝刊)


    ②で取り上げられている女性幹部も「技術オタク」が中心、④の経済学も物理学並みに数式を使う学問ですから、数理経済学を専攻した私の個人的な見解ではありますが、文系ではなくむしろ理系。ということで、要は “リケジョ(理系女子)” 礼賛の記事がオンパレードというわけです。


    これは間違いなく、前回のコラムでも触れた通り、 STAP細胞を発見した小保方晴子さんの影響でしょう。しかし、小保方さん以前にも、“リケジョ” という言葉は話題になりかけていましたよね。正にタイミングよく、小保方さんのニュースが出て、“リケジョ” が一気にスターダムにのし上がった感じです。


    ということで、今回のコラムでは、リケジョとビジネス について、お話したいと思います。

    “リケジョ” と 政治

    話を始める前に、“リケジョ” という言葉を整理しておきたいと思います。当たり前ですが、“リケ” = 理系、“ジョ” =女性・女子 ですよね。“ジョ” の方、女性とビジネスという話は、これまでも相当数の紙面を割いて、お話をしてきました。いわゆる “ガラスの天井(Grass Ceiling)” の問題、一方で女性CEOが多数出てきていること、日本でも女性の活躍をベースにダイバーシティが進んでいること、等々。ま、このコラムで取り上げるまでもなく、議論としてはメジャーなアジェンダだと思います。


    一方、“リケ” というのは、どちらかというと、マイナーな話題です。というか、“理系” “文系” という切り分けが、かなり特殊な見方でして、少なくとも欧米にはない。おそらく、他の地域にもなくて、日本独特の分類なのだと思います(理系・文系の分類については、また後ほどお話したいと思います)。


    さて、時代をさかのぼれば、中国の “科挙” なんてのは究極の文系ですし、中世ヨーロッパの貴族も、文系的な教養のみを叩き込まれていました。理系の研究者、技術者というのは、“実務者” であって、支配層になることは少なかった。ただ、フリーメイソンが石工という技術者のギルドを起源としているように、また、軍事というのはつまるところ理系技術の最先端なわけですから、理系の実務者なしに世の中の平衡を保つのは、過去においても困難だったことが想定できます。


    とはいえ、21世紀の現在に至っても、“理系” というのは、ノーベル賞以外では、あまりスポットライトが当たらない。先進国のトップを見ても、もろ理系というのは、ドイツのメルケル首相ぐらいでしょう。アメリカ大統領には元弁護士が多いし、日本の首相も、菅直人氏ぐらいでしょう(田中角栄氏も、ある意味、バリバリの技術者といえなくはないですが・・・)。ただし、中国のトップは、理系出身がほとんどですが・・・


    さて、私がここで取り上げたいのは、メルケル首相です。彼女は、ライプチヒ大学で物理学を専攻した物理学者です。また、先日逝去された、「鉄の女」こと、イギリスの元首相・サッチャー女史も、オックスフォード大で化学を専攻した、バリバリの “リケジョ”・・・。ん? もしかすると、“リケジョ” は、本職の科学分野だけでなく、政治の世界でも活躍し、世界を変える???


    次回は、ビジネスの現場における “リケジョ” の振る舞い、そこから垣間見ることができるリーダーの片鱗をご紹介することで、上記の問いに回答したいと思います。

     

    (次回へ続く)

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

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