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タカシの外資系物語

SME がやって来た! (その1)2013.03.05

    突然の来訪者! その目的は・・・?

    最近、私の会社で、外国人の数が異常に増えてきたような気がします。そもそも、“外資系” なので、相応の外国人がいるのは当然なんですが、何か急に増えたような・・・。月曜の朝は、受付が見知らぬ外国人で溢れていますし、金曜には大荷物をカートに乗せて、会社を闊歩する外国人がゾロゾロいる。そう、彼ら・彼女らは、短期限定で東京に派遣された社員なのです! 


     秘書さん 「タカシさん、USから来たビジネス分析エキスパートとの面談が入っています」 
    私 「はいはい・・・」 
    秘書さん 「今週中に、顧客のグローバル展開を支援するチームとのセッションを、最低2回持つように! と、役員から指示が出ています」 
    私 「はいはいはい・・・」 
    秘書さん  「会議室に、リスク管理アプリケーションのSME(※)がお待ちです。時間過ぎていますので、急いでください」 
    私 「はいはいはいはい・・・」 

      

    って、多すぎて、さばききれんわーーーーーーーーーーーーっ! もともと予定があるのに、その隙間に急に入れるのは、無理じゃーーーーーーーーーーーーっ!! ハァハァハァ・・・(T-T) 


     いきなりやって来た来訪者、彼ら・彼女らは一体何者なのか? SME(※)というのは、Subject Matter Expertの略、「特定分野の専門家」 という意味です。ビジネス分析・顧客のグローバル展開・リスク管理 等々、各分野の専門家が海外からやって来て、すぐに時間を取れと言う。一体、何が起こっているのか? 


    ビジネス分析SME 「Nice to meet you, Takashi ! ところで、お前が担当しているクライアントに関して、ビジネス分析分野の見込み案件が、少ないようなんだが・・・」 
    私 「は、はぁ・・・ そうっすね・・・」 ← かなり痛いところを突かれている 
    ビジネス分析SME 「グローバル全社の戦略として、ビジネス分析分野の売込みをかけているのは知っているよな? なのに、お前のプランには、それが一切反映されていない・・・。Ummmm、どうすればいいんだろう・・・」 ← 私が、相当な “おバカさん” という感じで話をされている 
    私 「・・・ ・・・」  

    急に決まった日本への出張?!

     彼ら・彼女らが日本に来た理由はズバリ、「日本のマネージャーに強烈なプレッシャーをかけつつ、ハンズオン(手取り足取り、一緒になって作業する)にてビジネスを拡大する(当該分野の見込み案件を大幅に増やす等)」 ことにあります。 


    SME 「“事前” に連絡している通り、われわれは、本社CEOの特命で日本にやって来た。つまり、われわれの言うことは、CEOが言っているのと同じ。また、タカシが言うことも、そのままCEOに伝わると思って欲しい・・・」 


     「事前に連絡???」 わしゃ知らんわい! 思うに、この話は急に決まったと思います。多分、先週末に、US本社の社長から私の上司(役員)に話があって、上司から私には、まだ話が来ていないのでしょう。金曜朝にUS本社の役員会議か何かで 「Japanの見込み案件が少なすぎる!」という問題になって、緊急措置が決まり、金曜午後には日本に派遣される人選がされた。人選された人は、金曜夜には飛行機に飛び乗って、日本に向かったのでしょう。時差を考慮すると、日曜午後に東京に着いて、本日(月曜朝)を迎えていると思われる。本社の迅速なアクションとは対照的に、日本側のコミュニケーション、受け入れ態勢が追いついていない、ということを露呈しています。 


     実は、この手の話は、外資系企業ではありがちなことです。「Japanの見込み案件が少なすぎる!」と認識されると、米国本社の経営陣は、「当該四半期中」に、「目に見える形」 での対応を求められます。経営状況を示す会計情報は、月単位で株主に開示されます。社内の経営会議で認識された課題は、遅くとも、その四半期末に、早ければ、その月末には株主も目にすることになります。株主から当該事項を指摘された際、「いやぁ・・・ バレましたか。実は、これから対応しまんねん・・・」などと悠長なことを言った日にゃ、間違いなく、役員解任動議が発動され、その役員は早晩消えることになります。だから、課題は先送りせずに、即座に対応を開始し、株主に説明できるように。理想的には数字の変化で示せるようにする、というのが、US本社役員の基本的なスタンスなのです。 

    SMEは 敵か? 味方か?

     SME 「今日(月曜)から一週間の予定で、われわれスペシャルチームが日本に滞在する。一日あたり、最低でも2時間のセッションをやろう。結果、新規の見込み案件を、○○億円増やしたいと思う。Takashi, Are you ready ? 」 
    Are you ready ? て、アンタ・・・ Sure! って即答したいところなんですけど・・・ 


     US本社役員のスタンスは間違っていないし、私も同感です。金曜午後にいきなり呼び出されて、「一週間日本に行ってこい!今日の夜便に乗れ!!」 と言われ、それこそ着の身着のままで日本に来たSMEの立場もわかる(昔やってた 『電波少年』 みたいなスケジュールですからね、これじゃ・・・)。加えて、状況をこのまま放置したら、日本の数字はズルズルと下がり続け、近い将来、とんでもないことになるのも自明です。 
    しかしSMEを受け入れる当事者の立場から言わせてもらうと、何の前触れもなくやって来て「お前の数字は悪い、会社の戦略を全く理解していない。つまり、おバカさんなのである(そこまで言ってないか・・・)。これから一週間、社長から特命を受けたわれわれと一緒にプランを立てよう。すぐ、予定を空けろ!」 
    と言われても、ねぇ・・・ 


     さて、どうするか??? ま、やるんです! つべこべ文句を言わずに、やる!! これは、会社員の処世術として、長いものに巻かれているわけではない。私の経験則から、このようなケースでは、「SMEとがっつり組んで、やり切る!」が正しい。どうしてか?へたれタカシは、何の抵抗もしないのか? 


     次回のコラムでは、その理由と、SMEと私の “長く・熱い一週間” について、 
    お話しましょう。 


    (次回続く)

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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