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タカシの外資系物語

タカシ流 海外で身を守る方法 (その2)2013.02.05

    当たり前のことは、当たり前にする!

    (前回の続き) 海外で不測の事態が起こったとき、どのように対処するか? みなさんも、「こりゃ、本格的にヤバいな・・・(=生命の危険を感じる)」 というレベルの経験まではいかないまでも、「こりゃ、ちょっとヤバいな・・・(=もしかしたら、殴られるかも? お金取られるかも?)」 程度の経験なら、お持ちではないでしょうか? 今回のコラムでは、そのような状況に陥らないために、また、たとえそういう状況になったとしても、過度にあわてないために、どのように対処すればいいのか? についてお話したいと思います。


    「(1) ロンドンのフットボール・バーで、フーリガンもどきにからまれた」 「(2) ロンドンのコンビニに押し入ろうとしている強盗を目撃し、乱暴されそうになった」 「(3) ロスの路面電車に、自転車ごと乗り込んできた(イカれた)にーちゃんにからまれた」 「(4) ロンドンの地下鉄で、無賃乗車でつかまりそうになった」 ・・・  
     以上は、前回のコラムでお話したように、全て私の “ちょっとヤバめの” 経験です。実は、これらの事象を招いた原因は、ひとえに、私自身の “情報” と “柔軟性” 不足ではないかと考えています。


    まず “情報” について。 

      

     パスポートは腹巻に入れて肌身離さず持ち歩く、いかにも高価そうな貴金属やブランドものは身に着けない(本当にヤバい地域では、指輪を盗むために指を切断されることもある!)、カメラは首から提げない(さすがに、こういう人は見かけなくなりましたが)・・・ この手の話、ほとんどの日本人旅行者が認識していることと思います。これはこれで正しい、というか、こんなの当たり前のこととして認識・実行すべき内容。しかし、これだけでは、有事の際に自分の身を守ることなどできません。 

    現地の同僚と仲良くなる!

     上記に追加して、海外で危険な目に遭わないために心得ておくべき事項、特に日本人が冒しがちなこととして、以下が挙げられます。 


     ・ 日本人同士で、過度に 群れない  
    → 日本人の特徴として、海外において、日本人同士で異様なほど “群れる” というのがある。これって、すんごく目立つ! いざというとき、群れていれば大人数で力をあわせて何とかなりそうな気もしますが、犯罪を犯そうとしている側は、それ以上に組織的で、多数の人数がいると考えた方がいい。華奢な日本人が数名いたところで、窃盗団チームには、所詮勝てるわけないのです。要は、群れている日本人というのは、「鴨がネギ背負って」状態と同じ。一方、中国人も日本人に負けず劣らず群れる民族ですが、中国人の場合は、20 ~30人という大規模の群れを作る傾向が強く、獲物がデカすぎて、犯罪組織もうかつに手を出せない・・・ と中国人の同僚が言っていました。そういえば、日本でも同様の光景は目にしますね・・・


    ・ 神経質になり過ぎない  
    → キョロキョロ、オドオド、ソワソワ・・・ これも日本人に典型的に見られる傾向です。“備え” は重要ですが、過度の神経質な動きは、かえって狙われる可能性が高いと思います。

     


     「群れるな! 神経質になり過ぎるな! って・・・ じゃ、どうすればいいんだ?!」 一番いいのは、現地の人と仲良くなって、最初はその人と一緒に行動を共にし、その人から、“生の情報” を仕入れることです。経験上、これに勝るものはない! 


     これは、観光では難しいかもしれません。しかし、ビジネスであれば、ほとんどの場合、現地の世話役がいると思います。現地に着いたら、まずはその人に滞在地周辺を案内してもらい、情報を引き出す。お礼にちょっとリッチなディナーでもご馳走すれば、気心も知れあえるというものです。日本のビジネスパーソンは海外出張の際に、“お客様” 気分のまま、現地スタッフに食事をご馳走になったりしますが、それは全く逆。有力な情報は、タダでは手に入りません。出張手当というのは、お土産代に使うのではなく、現地スタッフへのもてなしに使うべきものなのです。 

    Once over the border, ・・・あなたならどうする?!

    次に “柔軟性” について。 


    「旅の恥はかき捨て」といいます。これは、旅先では知る人もいないので、無茶なことをしていい、という意味でとらえることが多いですね。英語にも同じ意味のことわざがあって、「Once over the border, one may do anything」と表現します。 
     で、英語版のことわざの意味するところを、複数の外国人同僚に尋ねたところ、日本語のような、「旅先では無茶をしていい」という意味は薄く、むしろ、「ひとたびthe borderを超えたら、そこでは臨機応変に振舞うべし」というニュアンスが強いようです。つまり、「When in Rome, do as the Romans do (郷に入れば郷に従え)」ということわざに通じるようです。 


     日本人から見て、外国人が旅慣れている印象を受けるのは、まさに、このような発想の違いではないでしょうか? 日本人は、明らかに “柔軟性” が足りない。日本と同じ杓子定規で物事を判断し、凝り固まった固定観念を旅先にも持ち込んでしまう。だから、トラブルも多い。 


     例えば、私が経験した 「(4) ロンドンの地下鉄で、無賃乗車でつかまりそうになった」 というのも、まさに文化の違いを如実に表しています。日本の地下鉄では、初乗り切符で入場して、どこまで行ったとしても、超過運賃を払えば、何のお咎めもありません。一方、イギリスでは、料金が超過した時点で、「コイツは怪しい。運賃を踏み倒すに違いない・・・」と怪しまれるのです。これには、同様の踏み倒しが、数多く発生しているという背景があるわけです。 
     その際に、「俺は無実だ!無賃乗車なんてするわけねぇだろ!!」と反抗し続けると、余計にもめる。要は、「単なる間違いであって、支払うお金はあるし、支払う意志もある!」ことを告げればいいのです。間違えたのは自分ですから、あくまでも低姿勢で、ですが・・・ 
    日本の “常識” をいったん忘れて、現地の人に身になってロジカルに考えれば、旅先でのトラブルは、予想以上に解決しやすい。これが、私の経験則から来る実感です。 


     グローバル化の進行は、もはや止めることができません。日本人が海外に行く機会は、ビジネス・プライベート問わず、今後ますます増えることは間違いないでしょう。また逆に、日本に外国人のみなさんを迎えることも格段に増えるはずです。相手が外国人であっても、所詮は同じ人間ですから、最後には理解し合えるはずです。一方で、日本人にはなかなか理解できない事情を抱えている国や民族が、まだまだ山のように存在することを忘れてはいけません。 


     日本人は、英語や世界史・地理の教育を通して、理解し合える “基盤” を作る必要があります。その基盤をもとに、実際のコミュニケーションを通じた “生の情報” を収集し、本番では “柔軟” に対応する。これこそが、ひいては、自分自身の身を守ることにもつながるように思います。もちろん、アルジェリア人質事件のような悲劇を、二度と引き起こさないために、国と企業が一体となって、特に途上国に滞在する日本人の安全を、国家レベルで守ることが、必須の取り組みであることは言うまでもありませんが。 
    では! 

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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