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タカシの外資系物語

タカシ流 海外で身を守る方法 (その1)2013.01.29

    アルジェリア人質事件の衝撃

     全世界に衝撃を与えた、アルジェリア人質事件。日本人10名の死亡が確認され、深い悲しみが社会を覆いました。犠牲者の皆様には、心からのご冥福をお祈りいたします。


     今回の事件、私が最もショックを受けたのは、多数の “一般人” が犠牲になったということです。政治家や外交官、また、ジャーナリストの場合、そもそも、そういうリスクを負っている職業といえなくはない。だからテロに遭っても仕方がない・・・とは言いませんが、リスクに対する準備と覚悟は相応に持っているはずです。 
     しかし、今回死亡した方々は、プラント建設大手:日揮の現地駐在員です。政治家やジャーナリストとは、明らかに異なる世界に生きている人々が、いきなりプロのテロリストに襲撃された。加えて、これもプロであるアルジェリア国家軍隊の攻撃に巻き込まれたわけです。アルジェリア軍の攻撃時期と方法については、賛否両論が起こっています。国家がテロ組織に対峙するとき、今回のような対応(相応の犠牲を覚悟してでも、短期間で処理する)をすることが1つのスタンダードになりつつある事実。つまり、巻き込まれたが最後、もうどうしようもない・・・


    アメリカ人の同僚は言います。 

      

    「今回の事件は、個人では防ぎようがない。防ぐ手段は、“そもそも行かない” ということしかない。結果論として、どうして行ったんだ・・・ と後悔することは、故人のためにならない・・・」 


    「しかし、日本人の “平和ボケ(peace idiotと言います)” 度合は、本当にひどい。ボケ具合は、多分、世界一だろう・・・」 


    「アメリカで、あれだけの犠牲者が出ながら、どうしてgun(銃)が規制されないか? 結局、自分の身は自分で守るしかないから、その権利を取り上げることに抵抗感があるんだよ。(もちろん、銃産業は選挙における大票田だから、政治家が手を付けにくい分野ではあるけど・・・)」 



    今回のコラムでは、私自身の実体験を踏まえて、海外における身の守り方について、お話したいと思います。 

    タカシの危険なマフラー

     繰り返しになりますが、アルジェリア人質事件の犠牲者の皆様とそのご遺族には、心から弔意を表します。 


     (1回目) 会社帰りに、スポーツバー(=football pub、サッカー見ながら大騒ぎする飲み屋)で、数人のイギリス人にからまれた 


     ときは、2000年ごろ。日本がワールドカップに初めて出場し、サッカーが盛り上がり始めたころです。私もサッカーには興味を持って、それなりに理解しているつもりでしたが、いかんせん、海外のサッカー事情はほとんど知らなかった・・・ 中田英寿さんがイタリアに渡った当初ですから、ほとんどの一般人は、海外のサッカーの “凄さ” を知らなかったと思います。 
     何が “凄い” のか?  要は、騒ぎ方がハンパではないのです。自分のひいきのチーム(ほとんどの場合、出身地のクラブチーム)が、点を取ったり、また、逆に取られたりすると、スポーツバー全体が “ズンッ” という地鳴りのような悲鳴と怒号に包まれます(スポーツニュースでよく見ますよね。実際には、あの数倍の迫力です!)。一種、異様な雰囲気。 


     で、なぜ私が “からまれた” のか? つまらん話なんです、ホントに・・・ 原因は、私がそのとき身に着けていた 「マフラーの色が青かった」 からなのです。 


     ヨーロッパのクラブチームは、“クラブカラー” というのが決まっています。そのチームのサポーターは、当然のことながら、クラブカラーの服を着て、応援するわけです。イギリスでいうと、マンチェスター・ユナイテッドが “赤”(このチームの通称は、Red Devils・・・)、一方、マンチェスター・シティは “青”。またリバプールが “赤” で、チェルシーが “青”・・・ 人気チームだけを見ても、カラーが重複している。多分、同じ赤でも微妙に違うんでしょうねぇ・・・ 
     また、ヨーロッパというのは、色の “組み合わせ” というのが、非常に重要なんです。国旗を見てもわかりますが、デザインは同じで、配色だけが異なる国が山ほどある(「十字」が多いのは、キリスト教の影響でしょうね)。同じ枠組み・ルールの中で、いかに他チーム(他国)と違う主張をするか、という観点から来ているのだと思います。一方、ヨーロッパ以外の国は、デザインそのもので個性を出しているのとは対象的で興味深いですね。 


     話を戻しましょう。私は青いマフラーを身に着けて、あるスポーツバーの店先を横切ったわけです。おそらく、その色と組み合わせが、敵チームのものに近かったのか・・・、数人の野郎どもが、私のマフラーを引きちぎらんばかりに引っ張りました。2メートル近い野郎ども数名にからまれた私。私はとっさにどうしたか? 映画『シュレック』に出てくる猫(アントニオ・バンデラスが吹き替えしているキャラ)並みのなみだ目で、必死に「私は弱いのだ!」と訴え続けた結果、何とか事なきを得て、“釈放” してもらいました(な、情けなし・・・)。 

    タカシ vs コンビニ強盗、奴らは本当にヤバい!

    (2回目) コンビニに押し入ろうとしている強盗2人組を見た 


    ロンドン滞在中、会社の帰りに、滞在先のFlat(日本のWeeklyマンションに近い)に戻る途中、コンビニのような商店の下りたシャッターをガリガリといじくっている2人組がいるではありませんか! 「故障したので、メンテナンス会社の人が修理に来たのかな?」  これは、極めて日本的な発想。んなわけないし!明らかに強盗です!! 私の気配を察したその2人組、こちらに向かって奇声を発しながら去っていきました。 
     翌日、その商店のそばを通ってみると、複数の “注射器” が! そうです、多分、覚せい剤を打っていたんですな、あの2人。一歩間違えると、「こりゃ、本格的にヤバいな・・・(=生命の危険を感じる)」レベルだったのかもしれません・・・ 


    上記以外にも、以下のような経験があります。 
    ・ ロスの路面電車に乗っていて、チャリンコのまま電車に乗り込んだヤバそうな奴と目が合って、明らかに因縁つけられたこと → このときは、完全に死んだフリ&英語が全くわからないフリ で切り抜ける) 
    ・ ロンドンの地下鉄で居眠り(!)をして乗り越してしまい、超過料金を払おうとしたところ、「無賃乗車したのか?!」と警察に連れて行かれそうになったこと(ロンドンの地下鉄では、郊外の駅の場合、上り下りのホームがつながっていないため、いったん駅から出なければならない) → 財布を見せて、「俺はこれだけのお金を持っているんだ!払えないわけではない!」と訴え、切り抜ける。お金がないと思われたら、即警察に引き渡されたかもしれません・・・ 


     今となっては笑い話ですが、そのときは本当にビビりました。日本の常識は通じない世界、想定外が頻繁に起こる世界・・・ アメリカ・イギリスといった先進国でもそうなんですから、途上国の場合は、何をかいわんや、です。 
    さて、どうしてこんなことが起こるのか? いや、起こることは避けられないにしても、何かあった際に、必要以上にうろたえてしまうのか? それはひとえに、“「情報」 と 「柔軟性」の不足”が原因です。次回のコラムでは、海外で不測の事態が起こった場合、どのように対処すべきかという点について、私なりの考えをお話したいと思います。 


    (次回続く)

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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