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タカシの外資系物語

タカシが“失敗”から学んだプレゼンの極意とは?( その 2 )2012.08.07

    タカシの“得意技”とは ?

    (前回の続き)プレゼンにおける聞き手の興味は、“WIIFM”という言葉に集約されます。これは、“What's In It For Me ? ”の略で、「一体それは、私にとって、何の役に(ためになる)立つの?」という意味です。“WIIFM”を無視したプレゼン資料は、どれだけ体裁よくまとまっていても、クライアントにとっては、興味の薄れたものになります。図表が豊富でカラフルなだけで、実務上はさえない資料って、結構ありますもんね・・・さて、今回のコラムでは、プレゼン時の“話し方”そのものについてお話ししたいと思います。 


    「あなたの“得意技”は何ですか ? 」と聞かれたら、私は迷わず、「プレゼンで話すこと ! 」と答えます。というか、実はそれしか取り柄がなかったりする。 
    実は、コンサルタントを生業としているものの、論理的思考に優れているわけでもなく、分析能力も特筆できるものではない。図表やチャート作りもイマイチだし、そもそも“絵心”がないので資料作りが苦痛で仕方がない(言い切るなよ ! )  
    ま、万事こんな感じで、コンサルの素養が一切感じられないトホホぶりなのですが、強いて言うなら“プレゼンで話すこと”だけは、自信がある。学生時代に教師を目指していたこともあり(これでも、国語の教員免許を持っていたりする)、大勢の人に注目される中で話すのは得意だし、何よりも“好き”なんですよね。私がコンサルをやっている理由は、「プレゼンで快感を得たいから」と言っても過言ではない。クライアントからも、 


    「タカシさんの説明はわかりやすいよね」  
    「タカシさんは、自信を持って話してるから、信頼感がある」 


    といった評価をいただいていますので、それなりのもんではないかと自分でも思っていました。あのことがあるまでは・・・さて、私の自信を打ち砕いた、クライアントの一言とは、一体何だったのでしょう ? 

    不採用の理由は、タカシの“得意技”?!

    その日、私はいつも通り、クライアントに自信満々のプレゼンを実施していました。クライアントの課題・わが社の実績/アプローチ・期待される効果・・・与えられた時間を目一杯使って、想定される質問は全て盛り込んで、話をしました。 
    私 「他に質問はございませんか ? ・・・(シーン)・・・では、これにて、プレゼンテーションを終了させていただきます。本日はありがとうございました ! 」  
    ということで、自信満々でプレゼン終了。 


    数日後、クライアントから連絡が来ました。

    「申し訳ありませんが、今回の件については、他社さんにコンサルをお願いすることにしました・・・」

    ガーーン ! なんでやねん ?! ・・・ま、いっか ! え ? 淡白すぎるんじゃないかって ? いや、当然、ショックはショックなんですよ。でも、プレゼンはうまくいったし、それでダメだったんですから、相性が合わなかったということ。こんなことで、いちいち凹んでいたら、身が持ちません。 


    それから数ヶ月後、ある会合にて、上記プレゼンに参加されていたクライアントのキーマンであるAさん(システム部長さん)とご一緒することがありました。 


    私 「これはこれは、ご無沙汰しております。前回のプレゼンでは、ご評価いただける内容を提示できず、失礼しました・・・」 
    Aさん 「いやいや、こちらこそ・・・」 
    私 「あのぅ・・・ちなみに、なんですが、弊社ではなく他社さんを選ばれた理由は、何だったんでしょうかね?」 
    Aさん 「うーーん、正直言って、評価は分かれたんですよ。ただ、役員の一部から、タカシさんのプレゼンが流暢でうますぎるから、かえって信用できない、っていう声が上がってね・・・私はタカシさんを推したんだけどね・・・」 


    ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン !!!(T-T)(T-T)(T-T)な、なんでやねん ???!!! 

    タカシの“得意技”は、プレゼン全体を・・・

    これには凹みましたね、実際・・・。自分の得意技を存分に発揮したにもかかわらず、それが理由で×がついたんですから。 
    数日後、別のクライアントのBさんを飲んでいる際、酔った勢いもあり、上記の話を愚痴っぽく話してしまいました。Bさんとは、十年来の付き合いで、何でも腹を割って話せる仲。と、Bさんが真剣な顔をして、次のように忠告してくれました。 


    Bさん 「前から気になっていたんだけど・・・俺とタカシの仲だから、はっきり言わせてもらうね。タカシのプレゼンは、確かにすごい。迫力もあるし、わかりやすい。実際に、俺もタカシのファンだしね・・・でも、タカシのプレゼンは、なんて言うか、後続の話し手や聞き手も含めて、プレゼン全体を“スポイル”してしまうことがある・・・」 


    ガーーーーーン !“スポイル”って、どんな意味だっけ ?(ガクッ!)←酔っ払っているので、頭が回らない。スポイル、スポイル、spoil、あ、そうそう、spoil=ダメにする、台無しにする。つまり、「タカシのプレゼンは、後続の話し手や聞き手も含めて、プレゼン全体を台無しにすることがある」 


    ガーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーン !!!(T-T)(T-T)(T-T)た、立ち直れん・・・ 


    それから1ヶ月ぐらい、ショックで寝込んでしまうほどに落ち込みました。しゃべりが流暢すぎて信用できん、プレゼン全体を台無しにしている・・・そもそも、それしか取り柄がないのに、完璧に否定されたわけですから、人格そのものを否定されたに等しいわけで・・・。この時期、本当に職を変えようかと、真剣に悩んだりもしました。 


    そんな煩悶の日々を過ごす私を救ったのは、ある会合での、司会者Cさんでした。ある会合とは、マンションの理事会。そう、私が住むマンションの理事会にて、当時理事だったCさんのプレゼンに、私は心底胸を打たれました。さて、私はどういう点に胸を打たれたのか ? 次回お話いたしましょう。 
    (次回へ続く) 

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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