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タカシの外資系物語

タカシが“失敗”から学んだプレゼンの極意とは?( その 1 )2012.07.31

    タカシのプレゼンに対する聴衆の反応は ?

    今回から数回にわたり、ここ数年、私がプレゼン時に気をつけていることについてお話します。全てのケースは、失敗した経験から導かれたものですので、それなりに実践的だと思います。では、始めましょう ! 


    私 「本日はプレゼンの機会をいただき、本当にありがとうございます・・・」

    あるクライアントへのプレゼン当日。相手は、担当役員ほか10名程度。全員、こわい顔をして、ニコリともしない(当たり前か・・・)。

    この日のために、大勢のコンサルタントが、深夜・週末を潰して、提案書を完成させました。私もプレゼンターとして、チームメンバーの思いを一手に背負い、渾身のプレゼンを実施しなければなりません。最近には珍しく、何度も事前練習をしたんですよぉ・・・(T-T)。さぁ、いざ本番 ! 


    私 「こちらが、提案書になります。同じ内容をプロジェクタに映しながらお話しますので、皆様は前の画面をご覧ください。適宜、お手元の資料をご参照いただければと存じます・・・」 


    ・・・と言って資料を渡したわけですが、紙の資料を渡してしまうと、そちらに気が行ってしまい、私や前の画面をほとんど見てくれない ! 


    私 「今回、御社からいただきましたRFP(Request for Proposal:ベンダー(業者)に対する提案要求書のこと)に基づいて、提案書をまとめております・・・」

    ほぼ全員、下を向いて、紙の資料を見ている・・・

    私 「近年、金融業界の課題は、次の3点に集約されると考えております・・・」 


    複数名が私をチラ見し、また、紙の資料をペラペラめくり始める・・・ って、 
    いい加減、俺の話を聞けーーーーーーーーーーーっ ! (by クレイジーケンバンド)わしのプレゼンは、BGMかぁーーーーーーーーーーーーーーっ !! (T-T)ハァハァハァ・・・ 


    ま、紙の資料を渡してしまった段階で、もう勝負はついているんですけどね。紙やスライドなどに頼らずに、“素手”=単純な話術で立ち向かえるプレゼン・スキルが、私に足りない・・・という話もあるが・・・(T-T)ただ、RFPに「プレゼン時には、紙ベースの資料を参加人数分準備のこと」と記載されているケースも多く、無茶な冒険などできないわけで・・・ ま、現実は、こんなもんです・・・ 

    クライアントが提案書を見る際の“順番”

    さて、参加者はプレゼンそっちのけで、紙の資料に見入っているわけですが、具体的に、どこを見ているのか ? 


    私の経験では、十中八九、以下の順番で資料を確認していると思います。 
    (1)提案価格・・・ほとんどの提案書は、最終ページに記載されています 
    (2)効果・メリット 
    (3)スケジュール・・・いつからいつまでか ? 
    (4)体制・・・自分はどのような役割か ? 
    (5)負担・・・会議や作業負担はどの程度か ? そのような部署から、何名の要員を調達する必要があるか ? 
    (6)プロジェクトの進め方&アプローチ  


    ・・・ こんな感じでしょうね。相手の役職ランクが上がれば上がるほど、この傾向は強いと思います。役員クラスであれば、(1) (2)が全てと言っても過言ではない。彼ら(彼女ら)にとっては、プレゼン本編など、実はどうでもよくて、紙の資料で(1) (2)を確認したら、それでOKなのです。後は現場に任せたという感じ。意識はすでに、次の会議のこととか、今夜の接待のこととか、週末のゴルフのこととか・・・こういう人がほとんどです。 
    もちろん、しっかりした人がプレゼンしている=この人に任せても大丈夫だという確信は大前提ですが・・・。ただ、こういうのって、プレゼンの内容云々ではなくて、話し振りとか、印象とかで、だいたいわかるもんです。日本企業の役員も、人を見る目というか、そういう眼力は身につけている人が多い。 

    “W I I F M”の原則

    みなさんは、“W I I F M”という言葉をご存知でしょうか ? これは、“What's In It For Me ? ”の略でして、日本語に直すと「一体それは、私にとって、何の役に(ためになる)立つの ? 」となります。冷静に考えると、これはモノやサービスを売るときの基本ですよね。 「どれだけのお金を払って、どんな得があるのか ? 」これを知りたい。だから、相手がそれなりに信頼できる人かどうかを確認した後は、上記(1) (2)=WIIFMさえ確認できればいい。 


    これは、ビジネスの基本です。われわれ自身がモノやサービスを買うときも、それなりに安心できるメーカーであることを前提に、(1) (2)しか気にしちゃいないわけで。ま、納期やアフターサービスなども、購入時のポイントとなりえますが、(1) (2)を超えるものにはなりえない。 


    にもかかわらず、ですよ ! 提案書の大半は、しょうもない挨拶文から始まって、どーでもいい(6)に大きく紙面を割いている。相手の興味と、完全に乖離しているわけです。 
    私は5年ぐらい前に、このことに気付きました。以来、プレゼン資料や提案書の構成も、(1) (2)・・・という順にしています。これによって、販売実績が激増・・・というわけではないですが、それなりに成果は出ていると思います。勝率でいうと、3 - 4割は上がったのではないでしょうか。 


    目に見える効果としては、(1) (2)・・・という順にすると、参加者が私の話を聞いてくれる、ということ。これは間違いない ! 参加者の興味に合わせて、その優先順位に沿ってプレゼンをする・・・当たり前のようですが、実はそうなっていないケースが多い。みなさんも、ご自身のプレゼンや提案を再確認してみてはいかがでしょうか。 


    次回は、プレゼン時の“話し方”そのものについてお話します。自分で言うのもなんですが、私は人前で話すのだけは大得意 だと自負しています。しかしある日、懇意にしているクライアントから、衝撃の指摘を受けました。 


    「あなたのプレゼンは、提案全体を台無しにしている・・・」

    なんでやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ(T-T) 
    次回、ご期待ください ! 


    (次回に続く)  

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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