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タカシの外資系物語

“ノマド”を超える究極の働き方( その 2 )2012.06.26

    Belindaが電話会議を実施する理由とは ?!

    (前回の続き) 最近、会社のオフィスではなく、喫茶店やファーストフード店などでノートPCを使って仕事をする人 = ノマド・ワーカー(nomad worker)が増えています。そういえば、喫茶店、駅の待合室、公園のベンチ・・・、いたるところで仕事(もしかしたら、単なるネット・サーフィンかも ? )をしている人を見かけますよね。トレンドに乗り遅れまいと、六本木ヒルズでノマド・ライフを満喫したタカシ、でも、アメリカにはもっと上がいるようでして・・・ 


    先日、私が所属する部門のグローバル統括責任者(Belindaさん:女性)とのテレコン(電話会議)がありました。“グローバル統括責任者”というのは、私が所属する金融コンサルティング部門で一番えらい人のこと。私の会社では、“日本” “アメリカ”といった地理的な切り口と、“金融”“流通” といった業務的な切り口での、マトリクス組織を採っています(私は、地理=“日本”、 業務=“金融” という所属)。実際のところ、地理的な切り口でのトップにあたる日本支社長より、Belindaの方が、ずっと格上だったりします。外資系企業では、よくある組織構成です。 


    このBelindaさんの特徴として、テレコンが多いことが挙げられます。週に2回は、世界規模での電話会議を実施しています。で、その内容が、しょぼい ! 要は大規模案件の進捗を、担当のパートナー(役員)に確認することを目的としているのですが、何しろ案件数が多いので、時間内に確認しきれないのです。私を含め、担当のパートナーは、自分の順番が来たところで、「on track (順調に進捗中)」「delay (遅れ発生)」 のいずれかを言うわけですが、たとえ 「delay」だったとしても、その場でお咎めを受けるわけではなく、「delay」の人は後日個別に呼び出しをくらって、こっぴどく怒られる場が別途用意されています。じゃ、この会議はなんやねん ! 「on track」の人が参加する意味があるんか !! 事務局にBelindaの意図を確認したところ、以下のような回答でした。 
    (1)当電話会議では、Belindaから各国パートナーへ連絡事項を“肉声”で伝えることもあり、案件の進捗確認だけが目的ではない 
    (2)Belindaは、みんなの“肉声”を聞きたがっている

    “肉声”て・・・、なんやねん、それ・・・田舎のおばあちゃんと孫やあるまいし、勘弁してくれよ、ホントに・・・(T-T) 

    オフィスから電話会議に入る面々

    それも、普通の時間に実施されるんならいいんです。Belinda主催の電話会議は、アメリカの現地時間をベースに設定されるので、日本時間の夜中か早朝なんです、これが ! この日も、日本時間の午後11時30分開始でした。 
    自宅で会議に参加すればいいんですけど、午後10時頃まで別件の打ち合わせをしていたため、仕方なく、オフィスの会議室から入ることになりました。私と同様に、オフィスから入ることになったパートナーが数名いたので、彼ら・彼女らも同じ会議室に集まってきました。

     


    同僚A 「さぁて、今日はどの地域から始まるんだろうな・・・」

    進捗確認をアジアから始めた場合、一番最初が日本なので、早く終わるんです。しかし、アメリカやヨーロッパから始めた場合、日本の順番は最後の方になるので、終了までにかなりの時間がかかります。 


    同僚B 「私、終電が24:15なのよね・・・タカシさん、終電の時間になったらオフィス出ちゃうから、それまでに私の順番が来なかったら、“代返”しといてね ! 」

    “代返”て・・・ そもそも、Bさんは女性なんだから、私に女性のフリをさせて、声色を使えと言ってるんすか ?! 気持ち悪いわーーーーーーーーーっ !! 


    「Hi, everyone ! I’m Belinda・・・」 午後11時30分、電話会議が始まりました。Belindaさんは会議の冒頭、どうでもいい世間話をして、参加者をイラつかせることが多く、この日もまさにそうでした。早くしてくれやーーーっ(怒 ! ) 

    プールサイドで電話会議 ?!

    世間話が2分ほど経過した頃、私の横で電話会議に参加していた同僚のCが、私を肘で小突きながら、こんなことを言い出しました。 


    同僚C 「おい、タカシ。今、Belindaさ、“Miami”って、言わなかったか ? 」 
    私 「そ、そうか・・・ それがどうした ? 」 
    CはTOEIC900点UPですので、彼がそう言うなら、そうなんでしょう。俺に聞くなよ・・・、全然聴き取れんかったわ ! 
    同僚C 「うちの会社、マイアミにオフィスなんか、あったっけ ? 」 
    私 「ん ? 」 
    同僚B 「Belindaの自宅がMiamiにあるのよ・・・NY支社の同僚が言ってたわ。Belindaって、月に数日しか本社に出社せずに、ほとんど自宅にいて、電話とPCで指示を出しているらしいわよ」 
    同僚C・私 「なんやねん、それ ! 自分はMiamiの太陽の下、プールサイドから電話に入って、わしらは終電気にしながら、夜中までオフィスに拘束ってか ! ふざけんなよ !! 」 ! !」 
    同僚B・C・私 「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ(T-T)(T-T)(T-T)」 


    後で調べたところ、Belinda以外にも、このような働き方 をしている上級役員は多いとのこと。最近、アメリカ企業の経営層で流行しているのだそうです。 


    「これって、いわゆる SOHO (= Small Office Home Office)なんじゃないの ? 」 

    私はちょっと違うと思うんですよね。SOHOは、主にフリーランスやベンチャー立ち上げ期に使われるワークスタイルで、組織・会社の規模も、個人および少人数に絞られると思うんです。一方、Belindaの場合は、部下は少なくとも全世界に数千人はいますからね。そういう立場の人が、会社に出社せずに、自宅(のプールサイドかどうかは別として・・・)から全世界の部下に指示を出す・・・、ネット社会は、このような働き方を可能にしているということです。 


    以前、ダウンタウンの松本人志さんが、ラジオでこんなことを言っていました。

    「売れ出した頃の芸人は、本当に忙しい。朝も昼も夜もなく、呼び出されたところに行かなければならないし、自分の時間など一切ない。でも、自分の名前を冠した番組が始まると、自分のペースで仕事をすることができる。収録場所や時間も、融通が利くようになってくる。そうなると、世間が思うほど忙しくはなくて、結構楽。自分の名前を冠した番組を持てるかどうか、この一線が分かれ道だと思う・・・」 
    確かに・・・ ビジネスの世界も同じですよね。自分が組織の長になれば、好きなようにできるわけで、Belindaはそれを体現しているわけです。かく言う私も組織を持ってはいますが、あくまでも中間管理職の位置づけ。Belindaレベルになるには、あと5段階( ! )ぐらい昇進する必要があります。「プールサイドで電話会議・・・」は、夢のまた夢ですな、こりゃ・・・トホホ・・・ (T-T)(T-T)(T-T) 

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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