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タカシの外資系物語

恒例 2012採用面接にて・・・( その 1 )2012.05.29

    面接の段取りは、Eラーニングで !

    少し前のことになりますが、新卒採用の人事面接に、面接官として参加しました。今回のコラムでは、そのときの話をいくつか紹介したいと思います。 



    人事部担当ユキさん 「タカシさんですね、今年もよろしくお願いします。段取りは昨年と同じですので、説明しなくて結構ですよね ? 」 
    私 「えぇっ ? 説明なしで、ぶっつけ本番ですか ?! 」 
    ユキさん 「HR(人事)からの依頼メールに記載している通り、面接の進め方を確認または学習したい場合は、ご自身で事前にEラーニングを受講いただくことになっていたのですが・・・ ご存知ありませんでしたぁ ? (ちょっと呆れた感じ・・・)」 
    私 「そうでしたか・・・じゃ、結構です・・・(んなもん、いちいちチェックしとらんし、仮に気付いてても、学習する時間などないわーーーっ ! )」 



    ま、口が裂けても、こんなことは言えないんですがね・・・。採用活動は、「他のどんな業務よりも重視すべき業務」として位置付けられており、段取りを確認したい場合は、徹夜してでも、Eラーニングを受講すべきだという話になるので。 



    最近、外資のみならず、日系企業でもEラーニングを活用するケースが増えてきました。以前なら、集合して対面で受けていた説明も、Eラーニングの仕組みを使って、「事前に目を通しておけ ! 」という感じになってきています。 
    合理性の観点からは、その考えは間違っていないと思います。が、Eラーニングというのは業務中にはできないんですよね、実際のところ・・・。業務時間後にやるか、自宅でやるか・・・。 日系企業の多くでは、自宅でEラーニングを受講する仕組みがない(社外でのアクセスを許していない)ケースが多いようですので、結局残業になるんです。本部サイドとしては、Eラーニングなら、コンテンツさえ作れば、あとは社内の掲示板か何かにアップして終わりなので、何でもかんでも 「Eラーニングを活用して・・・」 となってくる。その結果、受講する社員側の負担が増大してきてるんですよね。Eラーニングが導入されて以来、夜中にシコシコ勉強する時間が格段に増えたように感じています。 

    学生さんをリラックスさせる方法

    わが社の採用面接プロセスは、以下のようになっています。 
    (1)書類選考(エントリーシートというやつですね) 
    (2)1次面接 ・・・ 10名程度の学生さんにテーマを与えて、ディスカッションしてもらう。その中から3名程度の学生さんが、次のプロセスに進める 
    (3)2次面接 ・・・ 1次を通過した学生さんに対して、個別のテーマを与えて、プレゼンしてもらう(テーマ例:SNSを使った町おこしのアイデア等)。ここで半分に絞る。 
    (4)3次面接 ・・・ パートナー(役員クラス)との面接。これで決まり! 



    私の担当は、「(4) 3次面接」です。面接は、こちらが人事の担当者と面接官である私の2名。相手は、最終選考に残った、学生さん 1名。進行は人事の担当者がやってくれるようなので、私は確認すべき評価基準とエントリーシート、これまでの面接結果を見ながら、随時質問していけばいいという流れです。ま、これならば何とかなるでしょう。 



    学生さん 「○○大学の△△です。よ、よろしくお願いします!」 ← かなり緊張気味! 
    人事部担当ユキさん 「よろしくお願いします。本日は最終面接ということで、弊社役員の“由良”との面談を実施いたします。では、落ち着いて、頑張ってください・・・」 
    私 「あ、あの・・・ 私、“奈良”なんですけど・・・ 奈良タカシ・・・」 
    ユキさん 「失礼しました。“奈良”でしたね・・・ では、もう一度。弊社役員の“奈良”との面談を実施いたします・・・」 
    役員の名前間違えるなよ ! (怒)ま、いっか・・・この学生さん、超ラッキーですよね。冒頭で、面接する側が漫才みたいな会話しているんですから・・・。いずれにしても、随分リラックスできたと思います。 

    Aさんが“即合格”となった理由とは ?

    結局、5時間程度かけて、3名の学生さんの面接をしました。このコラムでは毎年恒例になっていますが、今年も面接の中から、印象深かったやりとりをお話したいと思います(昨年の採用面接については、# 543 『2011 採用面接にて・・・』 参照のこと)。 



    (学生Aさんの場合) 
    私 「それではいくつかご質問しますね・・・エントリーシートによると、Aさんは中国への留学経験があると記載されていますが・・・」 
    学生Aさん 「中国の××大学との交換留学制度を使って、1年間留学してきました」 
    私 「ほーーぅ・・・じゃ、中国語は問題ないレベルと考えていいですか ? 」 
    学生Aさん 「現地の企業でのインターンシップにも参加しましたので、通常レベルなら大丈夫だと思います。もちろん、まだまだ向上の余地はあるので、勉強は続けたいと思います・・・」 



    はっきり言います。Aさん、“即合格、明日からでもいいから来てくれーーーーーーーーっ ! ” 



    中国の経済発展に伴って、日本企業の中国進出が以前にも増して活発化しているのは、みなさんもご存知だと思います。われわれコンサル業界やIT業界でも同様でして、中国マーケットを非常に最重視している。システムの開発や保守・運用を、中国拠点で実施するのは今や当たり前ですし、最近ではシステムだけでなく、経理や給与計算といった業務そのものを、中国で行う企業が増えています。ここ数年、中国の人件費が高騰してきたため、同様の業務をフィリピンやベトナム、カンボジアに移すような動きも出ています。 
    以上のような背景の中で、中国語が話せる人材を、企業は喉から手が出るほど欲しい ! 英語ペラペラの人と中国語日常会話レベルの人がいたら、断然後者の方が欲しい ! こういう感じなんですよね。 
    英語は世界標準ですから、ある程度のレベルは必須。それに加えて、中国語をいかに習得するか、というのが、今後のグローバル企業で働く要件になってくるかもしれません。 



    (院生Bさんの場合) 
    院生Bさん 「T大学・工学系大学院のBです。よろしくお願いします」 
    私 「よろしくお願いします・・・(T大の理系院生か、すげぇな・・・それに、人当たりも良さそうだし、これは他の企業との取り合い必至だね・・・)Bさんは弊社を第一希望とお考えとのことですが、弊社以外にプロセスが進んでいる会社はありますか ? 」 
    院生Bさん 「実は、・・・」 



    次回、Bさんの一言で、われわれは驚愕の事実を知ることになるのです。 
    (次回へ続く) 

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

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