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タカシの外資系物語

「何かあったら、自宅に電話するよ ! 」 は時間外勤務なのか ?2012.04.03

    タカシが会社を休んだら・・・

    まず、読者のみなさんに御礼から。前回のコラムで、「ヘルニアの画期的な治療法求む ! 」という主旨のお願いしたところ、複数の読者の方から、非常に参考になる情報をいただきました。本当にありがとうございます ! 



    で、私の症状なんですけど・・・ 先週、とうとう大学病院にまで行って治療を受けたのですが・・・ ま、なかなかすぐには良くならないようでして、今も首と腰をかばいながら仕事をしています。痛みがピークに達したときには、本当に起き上がれなくなる、というか、動けなくなる。うつ伏せの状態から、顔と腕しか動かせなくなるんですよね、困ったことに・・・ 私なんぞより、もっと重い症状の方もたくさんいらっしゃるわけで、弱音を吐いてばかりもいられないのですが、情けないことに、四十ン歳を超えて涙がポロポロこぼれてくるともしばしば・・・(T-T) みなさんも、健康にだけは留意ください、トホホ・・・(T-T)(T-T) 



    翌朝立てなくなるのは、何となく前夜の兆候でわかるので、そんな夜は、目覚ましを早めにかけて寝るようにしています。翌朝、案の定動けなくなったとしても、ベッドから転がるように風呂場に行って、熱――いお風呂に 30 分ぐらいかけて入ると、何とかごまかして出社できる程度には回復します。しかし、それでも立てない日が、年に 2 回ほどあります。そんな日は、秘書さんやスタッフのみんなに、「立てませんので、本日は休みます・・・ メール・電話可能ですので、よろしく ! 」とメール連絡しています。 



    日系企業に勤めていた頃は、上記のような連絡をすれば、「今日はツライだろうから、そっとしておいてやろう・・・」という感じで、会社からの連絡は来なかったものです。しかし、今は違う ! 通常時にも増して、ジャンジャン仕事が来る! 会議も電話で出ろ!と、矢のような催促も来る !! 休むと言うとるやないかぁーーーーーーーーーーーーーーーー !!! ハァハァハァ・・・ 外資系だし、今はそれなりのポストでもありますので仕方ないんですけどね・・・ こうなった理由としては、外資系だ、管理職だという以上に、仕事の大半が、メールや電話でこなせるようになったことも大きいように思います。わが社の場合、あらゆる承認処理はオンラインで決裁できますし、全ての会議は電話で入って、 Web 上で画面を共有して行うことが可能となっています。これらの仕組みによって、仕事の効率性は劇的に向上した反面、常に仕事に追い立てられている感じになっているのも事実。不景気な経済情勢に加えて、仕事のシステム化が、メンタルに支障をきたす社員を増加させているという側面も見逃せません。 



    また逆に、 PC に向かってメールをすることが「仕事」だと勘違いしている輩もいる。メールは単なる「処理」、価値のある「仕事」は、結局は対面でないと進まないもんなんですけどねぇ、まったく・・・ 

    ブラジルにおける 「時間外勤務」 の考え方

    「何かあったら、後で携帯に電話するよ ! 」 上司からこう言われつつ帰宅した経験は、みなさんにもあると思います。さて、このような場合、来るか来ないかわからない上司からの連絡を待っている時間は、時間外勤務に該当するのかどうか ? 



    週刊エコノミスト2012/3/20号に、こんな記事が出ていました。

    「何かあれば連絡する」 は 時間外勤務になるか ? 
    ~ ブラジルでは、会社や自宅で待機する必要が出た場合、時間外労働手当を支払う義務がある。ところが、ポケットベルを利用すれば「労働者を特定の場所に拘束していない」ため、この支払いが免除されるという認識が定着していた。だが、モバイル通信の普及に伴い、指示を受けて不特定の場所で業務の問題解決に当たることが増え、「そうした作業は明らかに時間外勤務に当たる」と、時代の変化に合わせて法改正された・・・~  とのこと。 



    「ブラジルだったら、俺の時間外手当、今の何倍になるか ! うらやましいわーーーーっ !! 」 と思われた方も多いのではないでしょうか。もちろん、職務の質や職位、置かれている立場によって、見方は様々だと思います。ブラジルにおいても、この法案については、労使によって解釈が分かれているようです。雇用者側は「具体的な作業を指示した場合には該当」という見解ですが、労組側は「たとえ 5 分でも、時間外に会社のメールを読まされれば該当」という立場を取っているようです。 
    私個人の意見でも、心情的には労組側の言い分を取りたい気もします。が、管理職目線では、雇用者側の見解に立たないと仕事にならんわけで、非常に複雑な立ち位置になる。両者の見解を私なりに客観的に判断してみると、「帰宅後や休日にメールをチェックすることは、来るべき勤務時間の “準備作業” なのだから、時間外には当たらない」 という方に、多少の分があるようにも思えます。みなさんは、どう思われますかね ? 

    自分の “裁量” で ON/OFFを切り替える

    さて、欧米先進国の外資系企業における考え方はどうか ? 欧米の外資系においても、勤務時間外に具体的な指示(たとえ、来るか来ないかわからない電話待ちであっても)を出した場合は、時間外勤務に当たるという判断をすると思います。しかし、外資系の多くでは、そうならないように、「裁量労働制」なる制度をとって、残業代が発生しないような仕組みを取り入れている場合がほとんどです。つまり、「明確な始業・終業時間を決めずに、基本的には、いつ働いてもいい」という制度です。仕事は “時間” ではなく、“成果” で測る、という発想ですね。私もこの発想には賛成なのですが、だからといって、裁量騒動制だから 24 時間ずっと仕事モードで過ごすことを強要されては困ります。 



    実は、日本人の最大の問題は、「 24 時間ずっと仕事モード」でいなければならない、と思い込んでいることにあります。だから、深夜でも休日でも電話に出るし、メールをチェックする。場合によっては、チェックだけでなく、メールに対応するために本格的に仕事を始めたりするわけです。一方、欧米人というのは、深夜・休日は仕事用の携帯電話を切っているし、メールには(たとえ、見ていたとしても)ほとんど反応しません。裁量労働というのは、自分の “裁量=判断=意思” で ON と OFF を規定できる制度なのだから、 OFF には仕事をしない、と決めているのです。 



    もちろん、平日の勤務時間中に仕事が片付かなかった場合には、欧米人だって追加で仕事はします。わが社で多いのは、土曜の午前中。役員などは、毎週といっていいほど、土曜の午前中に会議を設定しています。しかし、その会議が終われば、それ以降は OFF モードです。会議で出たアクション・プランを土曜の午後や日曜に送ったところで、欧米人役員がそれを見るのは月曜の朝というわけ(ま、月曜の朝時点でアクションが実行されていないと、「遅いぞ!」と怒られるので、結局、下っ端連中にとっては、土曜の午後や日曜に仕事をする羽目になるのですが・・・(T-T))。 



    「腰が痛いので、今日は休む ! 携帯も切る ! 」「土日は家族とゆっくり過ごすので、メールは一切見ない ! 」 こういう判断をして、強い意思をもって ON/OFF を切り替えられないと、“裁量労働の泥沼” に陥ってしまいます。深夜や土日ぐらい、自分の健康や家族のために時間を使っても、バチは当たらんでしょう。われわれ日本人も、そろそろ “モーレツ社員” からの脱却をはからないと、いけない時期に来ているのかもしれません・・・ などと、首と腰をさすりながら思う今日この頃です。では ! 

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

    「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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