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タカシの外資系物語

英会話のレベルUPは 「仮定法」 から ?! ( その 1 )2012.02.21

ザ・アメリカ” Whitney Houstonさん 追悼

「世界で最も歌がうまい歌手は誰か ? 」 この問いに対する、私の回答は極めて明確です。それは、Whitney Houston さん。その Whitney が、アメリカ時間の 2 月 11 日に、 48 歳の若さで急逝されました。心よりご冥福をお祈りします・・・

Whitney の歌が卓越していることは、あらためて説明する必要はないと思います。美しいメロディーラインに乗せて、ごまかすことのない歌唱力。その歌詞がまた、壮大っちゅうか、王道っちゅうか、「いいこと ? 全ては “Love” よ、“Love” なのよーーー ! 」 的な真剣勝負のバラード。最近の歌手は、歌の間にわけのわからんラップとか入って興ざめなのですが、 Whitney は歌唱力のみで勝負できる、稀有のエンターテイナーだったと思います。

 

私が彼女に肩入れする理由は、その全盛期をリアルタイムで過ごしたことも大きいと思います。ちょうど洋楽に目覚めた頃、と同時に、海外(≒アメリカ)に憧れを抱き始めた頃、私にとっての “ザ・アメリカ ! ” は、Whitney Houston と Bruce Springsteen でした。私は学生時代に、 2 人の Live に行ったことがあるのですが、それはそれは・・・、今でも鳥肌モノの衝撃経験でした。Whitney の Live は大阪城ホールという、関西では最大規模の会場だったのですが、彼女の歌声の迫力にホール全体が揺れ、本当に腰が抜けかけました。「こりゃ、日本人が束になっても敵わんわ・・・ 脱帽・・・」 アメリカの底力を初めて体感したように思います。


ちなみに、 Bruce の Live は高校生の頃。大阪城ホールのチケットが取れず、京都府立体育館まで “遠征” したのを覚えています。 Bruce の Live もすごいのですが、内容もさることながら、時間がハンパじゃなく長い ! 平気で 5 時間ぐらいやっちゃうもんですから、結局その日は家に帰れず・・・ 生まれて初めての “無断外泊” は、忘れもしない Bruce の Live でした。今でも、打ち合わせが超( ! )長引いて、終電を逃してしまう日には、「参ったな・・・ まるで、 Bruce の Live 並だな・・・」などと、独り言を言ってしまう始末です。

 

さて、 Whitney 最大のヒット曲 “I Always Love You” は、みなさんもよくご存知だと思います(映画 『ボディガード』 の主題歌。このサントラは、全世界で 4,200 万枚(!)を売り上げました)。その冒頭の歌詞は次の通り。


If I should stay I would only be in your way ・・・ (もし、私がここに残ったら、あなたの邪魔になる・・・ ※「だから、出て行くわ」と続きます)

 

Whitney の歌の特徴は、英語イマイチの私でも聴き取れるぐらい、発音がハッキリしているということ。通常、アメリカ英語というのは、syllable (音節)が “くっつく” 傾向が強いので、特に歌の Dictation は難しいとされています。 Beatles や Oasis のような、イギリス英語の歌の方が格段に聴き取りやすい。でも、 Whitney の歌は別。私でも何度か聴けば、すぐに歌える(歌唱力は別として・・・)。だから好きなんですけどね。 
話を戻しまして、今回のコラムでは、この歌詞の歌いだしにも使われている “ IF ” についてお話したいと思います。

「if」 が苦手な日本人

先日のこと、新聞にこんな記事が出ていました。

 

「but」 使えるが 「if」 苦手
接続詞「but」はうまく使えるが、「if」は苦手――。国立教育政策研究所は、中学 3 年を対象にした調査の英語「書くこと」の分析結果を公表、文のつながりを考える力が十分に身に付いていない傾向が浮かんだ・・・ 文章の間に接続詞を穴埋めする問題では、「しかし」を意味する「but」と答えられたのは 75% だったのに対し、「もし」を表す「if」が正解の問題は 40% だった。「if」は前後の文脈を把握しなければ解答するのが難しいという。同様に、「because」(なぜならば)が正解の問題の正答率も 50% にとどまった・・・

(日本経済新聞 1/29(日)付)


私も含め、学校教育や受験で英語に四苦八苦した層には、この結果は何となく理解できると思います。“A but B” というのは、文章の順番通り、一文ずつ内容を捉えられますが、“if A, B” というのは、何となく、文章を戻って長文全体で内容を理解しなければならない印象がある。そもそも、「if」の日本語訳 「もし~ならば・・・」というのが胡散臭い。そんな形式張った表現、日常会話で使わないし ! 日本語の場合、「たとえば、宝くじが当たったとしたらさぁ・・・」 とか、「仮に、社長になったとするじゃん・・・」 という風に、“「if」文” を使うのが一般的でしょう。これは私だけかもしれませんが、「たとえば・・・」 という日本語には、思わず「for example」という英語を思い浮かべてしまう。しかし、これでは意味がグダグダです。“If you win lottery・・・” とすべきところを、“For example, you win lottery ・・・” とか言ってしまうわけで、聞き手の外国人にしてみれば、「一体、何の “例” を話しとんねん ? 」という印象を持たれてしまうわけです。

片言Englishの “限界” とは?

「if」を使った文章とは、いわゆる「仮定法」というやつです。仮定法には、「if」を直接使う文章のほかに、「I wish I were a bird (私が鳥だったらなぁ・・・)」というのもあります。みなさん、思い出しましたか ? 目をそむけたくなる気持ちはわかります。私もそうなので・・・ でも、もうしばらくご辛抱を ! 


「なんで 主語が “I” なのに、“were” やねん ! なんで過去形やねん ! 」 だれもがそう思ったはずです(私も・・・)。仮定法は、高校の英文法で体系的に学習したと記憶していますが、このあたりから、英語に対するアレルギーが出てきた方も多いのではないでしょうか ? (私も・・・(T-T)) 「仮定法過去」「仮定法現在」「仮定法未来」・・・ ま、ここまではいいでしょう。「仮定法過去完了」・・・ これもギリギリ許す。しかし・・・、「仮定法未来完了」て、なんやねん ! なんで、“仮定” の話が、それも “未来” に、“完了” すんねん ! わしゃ、妄想狂か ! ハァハァハァ・・・ 要は、日本人が勝手に編み出した「英文法用語」に振り回されているだけなのです。情けなし・・・(T-T)(T-T) 

 

ちなみに、「仮定法未来完了」とは、次のような文章のこと。 “If you go to Kyoto again, you will have been there 10 times. (もし、再度京都に行ったならば、 10 回行ったことになる)” 冷静に考えれば、大した英文ではありません。大した英文じゃないんですけど、これをサラッと英語で言える日本人というのは、そうそういないのも確か。なぜか ? それは、重要性のわりに、しっかりと教えてない、勉強していないからです。


英会話をする上で、「仮定法」、つまり「“if” を適切に使えるか」(「時制を的確に使えるか」を含む) というのは、非常に重要です。そもそも、日本語であれ英語であれ、日常会話というのは、「仮定」の話がほとんどです。もちろん、「事実」の話があってこその「仮定」なのですが、少なくとも、会話を盛り上げるためには、「事実」だけでは不十分です。単語主体の片言 English の限界は、ここにあります。つまり、片言では「仮定法」「時制」が使えないので、ぎこちない会話しかできないのです。

 

●「週末に、京都に行きました」「私は犬と散歩をしました」・・・ このように、事実の羅列では寂しいですね。
●「週末に、京都に行きました」「それは素晴らしい。私は行ったことがないよ・・・」「君が行くとしたら、まずは清水寺をお勧めするね」・・・ 会話というのは、こういうものでしょう。

 

実は私、最近のことなのですが、ある英会話教師と話をしている中で、「仮定法」「時制」の重要性について再認識しました。次回は、そのときのお話をしたいと思います。
(次回続く) 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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