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タカシの外資系物語

時間が来たので 「ハイ、さよなら!」 って・・・、言えますか? (その1)2012.11.05

    タカシ、ハロウィンのカボチャで・・・

     5歳になる娘の通っている幼稚園、横浜という土地柄もあり、外国人ファミリーが多数在籍しています(No.533 『日中伊パパ友 3 人、白昼のバトルトーク ?!』 参照)。先週末の日曜日、恒例の 「ハロウィン・パーティー」 が、盛大に開催されました(昨年の模様については、No.567 『“グローバル人材育成プログラム”にモノ申す !』 を参照ください)。

     

     

     

     さて、まず、「ハロウィンって、何やねん?」 私が子供のころには間違いなく認知されていなかったし、メジャーになり出したのは、少なくとも、ここ数年だと思います。東京ディズニーランドが、イベントとして取り上げたのが大きかったのでしょうかね。クリスマスやバレンタインほどの域にはまだまだ達していないものの、それなりに定着し出したように思います。 
     このハロウィン、元々は ケルト人 の宗教的行事のようでして、要は秋の収穫を祝いつつ、同時に、先祖の霊もなぐさめましょう という意図らしいです。あと、“仮装” については、悪い霊が家に近づかないように脅しているとか、“Trick or Treat” と言われたらお菓子を渡すのは、子供の悪霊をお菓子で追い払っているのだとか、諸説あるようです。 


     それともう1つ、ハロウィンといえば、“おばけカボチャ(Jack-o-Lantern)” が有名です。これも、悪霊を追い払う “魔除け” なのだとか・・・。実は、我が家でも、巨大カボチャと加工用ドリルを買い込んで、手作りの “おばけカボチャ” に挑戦しました。 


     私 「(重さ20kg ! の巨大カボチャを前に) ち、ちょっと・・・ いくらなんでも、デカ過ぎるんじゃ・・・」 
    奥さん 「いーーのよ!(キッパリ!) どうせやるなら、これぐらいの作らなきゃ・・・ あなたは、テーブルの上に運んでくれるだけでいいから」 ← うちの奥さん、イラストレーターだけあって、絵はプロ級。おまけに、大工仕事も、私なんかより、断然うまい! 
    私 「そ、そうか・・・ お、重っ!・・・ このカボチャ、テーブルから落ちると危ないから、今日はこのまま床に置いておこう。明日、テーブルに上げとくよ・・・」 


     で、夜中・・・ ゴツン! ドタッ! イタタタターーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!☆#※$д@ (T-T)  お約束通り(?)、トイレに起きた際に、カボチャにつまづいて、コケてしまいました。全く・・・、魔除けにつまづいて怪我をするなんて、アホか、わしゃ・・・(T-T)(T-T) 

    好感度抜群のAndrew先生

     さて当日・・・、幼稚園でのハロウィン・パーティも残すところ、クライマックスの “Trick or Treat” のみ。リーダーであるAndrew先生が、子供たちを集めて、外に誘導しようとしています。 



    Andrew 先生 「Hey, Guys ! Please say loudly, “ Trick or Treat !”. OK ?」 
    子供たち 「“ Trick or Treat !”  “ Trick or Treat !”  “ Trick or Treat !” ・・・!」  


     Andrew 先生、実は日本語ペラペラでして、子供にも大人気。父兄や他の先生からも全幅の信頼を得ている感じです。確かに、そばで見ていても安心できる先生だと実感できます。私は仮装行列の模様をビデオに録画しつつ、Andrew 先生の横を歩いていました。 


     私 「Andrew 先生は、どちらのご出身なんですか?」 
    Andrew 先生 「Virginiaです。アメリカの大学で、日本語と児童心理学を専攻しました。私は日本大好きです。将来、大好きな日本で、安価に提供できる International Kindergarten を作りたいと思っています!」 


    私 「その通りですね。Andrew先生のお考えは、素晴らしい。是非、実現させましょう!」 


    われわれ仮装行列の一行は、近所にあるコーヒーショップに到着しました。事前にお店にお願いしていたらしく、人数分のお菓子とおもちゃのメダルを持った店員さんが、お店の前に並んでいます。 


     子供たち 「“ Trick or Treat !”  “ Trick or Treat !”  “ Trick or Treat !”」 
    店員さん 「“ Happy Halloween !”」 

    Good Bye ! Andrew 先生 ?!

     子供たち、大喜び! いやぁ、良かった、良かった・・・ Andrew先生は、と・・・ あれ? 何だか困った表情で、時計を眺めています。 


    Andrew 先生 「・・・ OK ! じゃ、次はあそこの花屋さんに行きましょう。その前に・・・」
    私 「その前に?」 
    Andrew 先生 「今日、私のアサイン(assign:配属/担当)は午後1時まででして、それ以降は別の用事があります。今、ちょうど1時なので、私はここで失礼します・・・」 
    私 「ん?」 
    Andrew 先生 「ここから先は、そうだなぁ・・・ よし! ここからは、奈良さんのパパ に誘導をお願いしたいと思います。奈良さん、よろしく! じゃ、Good Bye! See you tomorrow !」 
    私 「よっしゃ、待ってました! Andrew 先生、お疲れ様――っ! あとは、引き受けたよ――っ! ・・・って、なんでやねん!! おいおい、帰るんかい?!  無責任ちゃうんか、アンドリューーーーーーーーーーーーーっ!!! 」 


    ・・・ってことで、Andrew先生、突然帰ってしまいました。うーーむ、仕方ない・・・、子供たちを放置するわけにはいかないし、私が一番地元だし(ちゅうか、幼稚園の横が自宅だし)・・・、ま、誘導ぐらいはしますけどね・・・ 


     私 「はーーい、じゃ、みんな、お友達と手をつないだまま、おじさんについてきてねーー!(“おじさん”、て・・・  なんか、怪しい響き・・・)」 
    子供たち 「あれーー、英語じゃないのーー? Andrew 先生なら、英語話してくれるのにーー!」 
    (こいつら、ムカつくぅーーー、よーーし・・・) 
    私 「Go straight with your buddy, now !」 
    子供たち 「ワイワイ、ガヤガヤ・・・」 
    私 「SHUT IT UP ! DO IT, NOW !! ニャーーーーーーーーーーーーーーーーーウ!!!」 
    子供たち 「ヒッ!!!(T-T)」 
    ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ ザッ 
    奈良さんパパ隊長のもと、園児軍団は一糸乱れぬ隊列を維持したまま、“ Trick or Treat !” をやるために、目的の花屋さんに向かいました・・・ って、ちょっとやり過ぎか・・・ 


     それにしても、Andrew先生・・・ こりゃ、あまりにも無責任じゃないんすかねぇ。でも、実は外資系企業に勤めていると、同様の経験をすることが多い。つまり、グローバル・スタンダードでは、これが普通なんです。 
     Andrew先生は、幼稚園と 「日曜のハロウィン・パーティーは、午後1時まで勤務する」 という “契約” をした。約束の時間まで勤務したのだから、何も問題はない。それどころか、自分の後任として、地元の地理に明るい私を指名して、遅延なく “事業を継続” した。全く、問題なし!・・・ こういう評価がされるのです。 



     でも、日本人の感覚では、なんか釈然としませんよね・・・。次回のコラムでは、実際のビジネス現場における、「時間」 と 「契約」 の考え方について、実例を用いてお話することにしましょう。 

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    この記事の筆者

    奈良タカシ

    1968年7月 奈良県生まれ。

    大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

    みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
    出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
    結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

    書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
    奈良タカシ

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