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タカシの外資系物語

タカシ、2011 年の反省2011.12.27

外資でも“師走” ?

12 月。日本では、「師走」という言葉が表す通り、非常に忙しい季節です。それは外資も同様・・・、っていうか、外資は日本以上に忙しい ! なぜなら、以下の作業が目白押しだからです。

 

年度決算 - 多くの外資では、12 月に会計年度を締めます。ただし、外資の主流は「 4 半期」(Quarterly Based)ごとの決算ですので、年度末だから特別に忙しいというわけではありません。

年末挨拶周り(& 忘年会) - ま、これは日本人だけですが・・・。外国人は、年末の挨拶周り的なことをほとんどしません。
評価 - ここでの評価が、来年 2 月頃に支払われるボーナスに反映されます。

 

上記に加え、外国人スタッフは、クリスマス・シーズン( 24 日以降)に “しっかり” 休みをとります。日本支社に赴任している外国人(特に、外国人役員)の場合、「クリスマス休暇 + 年末のドサクサ + 日本の年末年始休み」 にまとめて休暇を取って、本国に帰ってしまう人も多く、ほとんど仕事になりません。ですから、重要な決裁が必要な仕事は 12 月 24 日までに仕上げておく必要があり、現場はてんてこまいなわけです( 23 日が祝日なのも痛い ! 実質、勝負は 22 日までとなります)。

 

以上のように、例年 12 月は目が回るほど忙しいわけですが、忙しいからこそ、立ち止まって考えることも重要です。今回のコラムでは、私自身の「今年の反省(やりたかったことが、できたかどうか ? )」をお話したいと思います。

 

私が 「今年やりたかったこと」 は、以下 2 点です。

 

(1) 自分の後任を育成すること
(2) 株価を意識してアクションをとること

 

以下では、それぞれの “達成状況” を見てみたいと思います。

タカシは後任を育成できたか ?

まず、「(1) 自分の後任を育成すること」ですが、このコラムでも繰り返し述べている通り、私は、「マネージャーの最大の仕事は、“次の(後任の)マネージャー” を育成すること」 だと考えています。これは、後任の育成を通じて業績も上がるし、何よりも、自分が次のステップに行くためには、後任を指名する必要があるという理由から言っています。

 

現在、私直属の管理下に、二十数名のスタッフがいます。その中に、2~3名の “育てるべき後任候補” がいるにはいます。しかし ! その2~3名に手をかけて、育成しているかというと、甚だ自信がない・・・。できない部下が出したトラブルの後始末や自分自身の仕事に忙殺されているのが現実です。

 

いや、もっと突っ込んで考えてみると、「忙しい、忙しい ! 」というのは単なる言い訳なのではないか・・・ ? 無意識のうちに、“育てるべき後任候補” を “育てたくないバイアス” で自分を縛っているのではないか・・・ ? そんな気もするんです。口先だけの理想論とは裏腹に、「育てたくない、自分の地位を脅かされたくない・・・」というのが潜在意識としてあるのではないか。なぜなら、ここ数年、“育てるべき後任候補” を常時2~3名抱えていながら、じぇんじぇん育っていないからです・・・(T-T) 結局これって、私の怠慢なんですよね、やっぱり・・・

 

この話(=私の悩み)を同僚の外国人にしたところ、彼(アメリカ人)は、「Takashi, it’s just “Matryoshka doll” syndrome ! (タカシ、そりゃまさに、“マトリョーシカ” 症候群だよ ! )」 と言いました。 “マトリョーシカ” というのは、ロシアの人形で、人形の中に少し小ぶりの人形が入っていて、開けても開けても人形が出てくる、アレです。そんな症候群があるのかどうかは不明ですが、言いえて妙ですね。マネージャーは自分の “器” を超えない部下を持ち(または、そのようにしか育てず)、その部下もまた、自分の “器” を超えない部下しか持たない・・・ 結果、この組織は、マネージャーの “器” 以上のパフォーマンスを出すことができない。全ての組織がこのような状況を抱えたとき、組織の成長は止まるんでしょうなぁ・・・ などと、のんきなことを言っている場合ではない ! 来年こそ、私を超えるマネージャーの育成に、本気で取り組みたいと思っています。

タカシは株価を意識して行動したか ?

次に、「(2) 株価を意識してアクションをとること」ですが、これは私がパートナーに昇進した際に、ある外国人役員に言われたことです。


「日本人のエグゼクティブは、営業マインドは高いが、株価を上げるというマインドがほとんどない ! 」とのこと。実際に、海外の研修などに参加すると、日本以外の国のマネージャーは、「私のミッションは、わが社の株価上昇に貢献すること ! 」と、口を揃えて臆面もなく言ってのけます。「各マネージャーが収益を上げた積み重ねの結果が株価である」「株主に受ける戦略を立て、それに従って行動するのだ」・・・ ま、言わんとしていることはわからんでもない。しかし、日本人的には、「株価というマクロの観点では、自分の貢献など無視できるほど小さい」「会社の戦略など、本社のえらいさんが勝手に決めたもので、自分にゃ関係ない」・・・などと考えがちです。結果、自国の組織、自分の顧客を最優先してしまうというのが、ほとんどのパターンでしょう。

 

「株価を意識してアクションをとる」とは、具体的には、会社の戦略に合わせて、ある部門を閉じたり、ある顧客層へのサービス提供を止めたり、いわゆる「リストラ」を伴います。エグゼクティブに求められるのは、極端な場合には、全社のために、自分の担当領域を縮小・撤退するような意思決定をする、ということなのでしょう。俗に、「選択と集中」と言われているものです。しかし現実には、自分で自分に引導を渡すようなことをする日本人は、非常に稀です。私だって、「この顧客層に営業をかけても、会社に貢献できそうにないなぁ・・・」と思うときがありますが、それを担当しているスタッフが徹夜で資料を作っていたりすると、「・・・とは言いつつ、案件が取れるかもしれない。頑張って欲しい ! 」といった、情実色濃い意思決定をしてしまうことが多い。結局、予想通り何も取れなくて、会社に貢献できないばかりか、担当スタッフの評価も下げてしまうという悪循環を起こしているわけです。
「リストラ」というのは、日本語的にはかなりマイナスのイメージがついてしまっていますが、元々は、restructuring(再構築)なのですから、むしろ前向きに捉えるべき言葉です。シュンペーターの“創造的破壊” ではないですが、社員ひとり一人が “企業家精神” を持って、良くない部分を再構築していくというアクションこそが重要なわけで、それは株価を上げることだけでなく、顧客・社員ひいては社会にとっても利益をもたらすことにつながるのでしょう・・・ なーーんて、高尚なことを考えてみたりして。ま、このテーマは引き続き追いかけて行かねばならないことは間違いありません。

 

さて、いよいよ今年も終わります。来年こそ、震災に打ち勝つ日本の底力を、世界に見せ付ける年になればと思います。被災されたみなさんが、一刻も早く安心できる生活を取り戻されることを祈りながら・・・
というわけで、みなさん、よいお年をーーー ! ・・・ って、じぇんじぇん仕事が片付いておりませんが・・・(T-T) ま、いっか・・・ では ! 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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