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タカシの外資系物語

出世するアイツがしていること -役員編- (その 2 )2011.09.13

同期パートナー ○田 との駆け引き

前回の続き) 「役員の階段を駆け上る、アイツは何をやったのか ? どのような手段を使ったのか ? 」 前回のコラムでは、出世する役員の条件として、「Penetration(TOP層に取り入ること)がうまいこと」を挙げました。さて、残りの条件とは・・・ ?

同期パートナーの○田が、US 本社次期社長候補の R 氏(現上級副社長)の来日に合わせ、個別面談を申し入れていたことに驚いた私。Penetration のうまい○田に嫉妬のような感情を抱きながらも、純粋に R 氏の話を聞きたいと思った私は、○田にあることをお願いすることにしました。

 

私 「○田さぁ、ちょっと相談というか、お願いがあるんだけど・・・」
○田 「お、タカシじゃねえか。どうした ? 」
私 「 2 週間後に R 氏が来日するよな、・・・そのときに、お前がアポ入れしてるって聞いたんだけど・・・」
一瞬、○田の顔が歪んだような気がしました。「コイツ、なんで知ってんねん ? 」 てな感じ。でも、次の瞬間、○田の口から出た言葉に、逆にびっくり !

 

○田 「機会を見つけて、定期的に時間をもらってんだよねぇ。 やっぱ、あそこまで登りつめた人だけに、参考になる話も多いし・・・ そうだ、タカシ、お前も来るか ? 」

 

○田の思いがけない “勧誘” に戸惑いつつ、「どうせコイツのことだから、オレを R 氏に紹介することで、人脈の広さとか、なんかこう、太っ腹で器の大きいところとかを R 氏に誇示することが目的なんだろう・・・」などと考えたりして、自分でも情けなくなるほどの小男ぶり思考を発揮している自分に幻滅・・・(T-T)。 ま、それはともかく、敵から送られた塩を潔く受け取るのも、たまにはいいかな、ということで、

 

私 「ホ、ホントにっ ! 是非、お願いするよ ! 」

と返答してしまいました。

外資流 ! Executive になる条件

 

それから 2 週間後、ついに R 氏との面談の日がやってきました。
R 氏 「ハイ、○田サーン ! アーンド・・・ ? 」
私 「タカシです。タカシ ナラ ・・・」
R 氏 「ハイ、タカシ。Nice to meet you ! 」

 

軽い自己紹介から始まった R 氏との面談は、次第に話題がキャリアの話に・・・。
R 氏 「○田さん、タカシ。わが社で Executive になるための “条件” って、何だかわかるか ? 」

 

○田のように、Penetration がうまいこと ! やばいやばい、思わず口から出そうになった言葉をグッと飲み込んで・・・

 

私 「リーダーシップ ? 」
R氏 「んなもん、当たり前やろがっ ! (パシッ ! )」

 

漫才のツッコミのように頭をはたかれたわけではないですが・・・ R 氏は、そんな教科書的で陳腐な回答を求めているわけではないことが、その強烈なツッコミが如実に表していました。

 

R氏 「それはな、大きなトラブルを経験し、かつ、それを乗り越えたことがあるか・・・ ということだよ」
○田 & 私 「トラブル経験 ? 」
R氏 「ノーノー、トラブルだけじゃない、かつ、それを乗り越えた経験。後者が重要なんだよ」

大トラブルの経験を、経営に活かす

 

10 年ほど前、R 氏があるリージョンのヘッド(どこかの国の支社長)だったとき、プロジェクトで大トラブルを出したことがあったそうです。支社そのものを吹き飛ばしてしまうほどの財務インパクトが出そうなところを、R 氏の手腕で、想定しうる最小の損失で切り抜けたのだとか・・・。

 

R 氏 「最小の損失で切り抜けたとはいえ、莫大な損失を出したことに変わりはない。あのときばかりは、本気でクビを覚悟したよ」
○田 「でも、今は上級副社長・・・」
R 氏 「そう、人生というのはわからんね。当時のトップに、身の振り方を相談しにいったところ、『君の経験を、

今後のわが社の経営に、是非活かして欲しい ! 』と言われ、即座にボード入りが決まったんだ。だから私は、ちょっとやそっとのことじゃ、うろたえないし、驚かない。あのトラブルに比べれば、大したことなんてないからな。私以外の経営陣もみな、同様の経験をしている人たちばかり。だから、わが社の経営陣は強い ! ガハハハ ! 」

 

実は私も、数年前に、会社に大損失を与えかねない大トラブルを起こしたことがあります(このコラムでも、あまり話していません。思い出したくないんで・・・(笑))。そのときも、色んな人の助けを借りて、何とか最小の損失にとどめることができました。 パートナーへの昇進審査のとき、その経験を評価してくれる役員が多数いたらしいのですが、こういうことだったんですね・・・

 

○田は、私が大トラブルを何とか収束させた経験を持っていることを知っています。R 氏の言葉に軽く舌打ちをして、すぐに話題を変えていました。フハハ、ちょっと優越感、ってか ! 

 

出世する役員の条件(その 2 ) = 大トラブルを経験し、かつ、ダメージを最小限に食い止めた経験
 

数日後、R 氏と廊下で偶然すれ違いました。R 氏は私に向かって、軽くウィンクをしながら、右手の親指を突き出してきました。「ま、頑張れよ ! 」とでも言いたいのでしょう。別れ際に一言、

R氏 「○田さーーん、See you ! 」

 

名前間違え取るわーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ ! (T-T) わしゃ、奈良タカシじゃーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ ! (T-T)(T-T)

豪快というか、はてまた、単なる物忘れなのか・・・ ま、出世する役員というのは、ある程度の“鈍感さ” も必要なんでしょうね。

 

See you, Mr. R. I’m looking forward to seeing you again, in New York, !

 

出世する役員の条件(その 3 ) = 鈍感であること ・・・ ? 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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