グローバル転職NAVI

キービジュアル キービジュアル

タカシの外資系物語

My Favorite Movie ! (その 2 )2011.07.25

アジアの映画事情

前回の続き) 今週も、映画の話をします。最近、私のオフィスでも、アジア系のスタッフ、特に中国人、インド人が増えてきました。彼らもアメリカ人同様、かなりの“映画通”です。しかし、アメリカ人がハリウッド映画一辺倒なのに比べると、中国人、インド人の映画観は少し異なります。

中国人の多くもハリウッド映画を好む人が多いのですが、それと同じくらい、日本映画、なかでも日本のアニメ映画のファンも多い。

「タカシ、もうすぐ公開される『コクリコ坂から』ってのは、どんなストーリーなんだ ? 」
し、知らん・・・ 私も宮崎アニメは大好きで、そのほとんどを観ていますが、実は中国人の方がマニアックなファンが多かったりするのです。
その一方で、本国中国の映画はあまり観ないという人が多い。理由は、「中国映画は思想的な要素が強いため、たとえ観たとしても、友人との話題にしにくいから」だとか。ま、何となくわかる気もします。

 

では、インド人はどうか ? これが、めちゃすごい ! インド人の映画に対する思い入れは、おそらく世界一ではないかと思われます。インドでは、映画は一大産業として確立されていて、「ボリウッド( Bollywood )」と総称されています。これは、ムンバイ(インドにおける映画産業の中心地)の旧称「ボンベイ」の頭文字「ボ」と、アメリカ映画産業の中心地「ハリウッド」を合わせてつけられた名称です。

 

で、その中身はといいますと・・・ ほとんど全編がダンス、ミュージカル ! 出演者全員、踊りまくり ! なのです。日本でも、インドカレー屋さんとかにいくと、流されていたりしますよね。私も一度、同僚のインド人と、六本木にある「インド映画バー」(こんなんあるんか・・・ ? と思われるかもしれませんが、あるんです)に行ったことがあるのですが、そこでは人気のインド映画を観た後、その映画のダンスシーンが繰り返し上映され、客も一緒になって踊る ! というメニューが提供されます。「死ぬほど辛いカレー食った後で、何の因果で踊らにゅならんねん ! 」と思ったりもしたのですが、ここは文化の多様性を重んじる奈良タカシ。同僚と一緒に、しっかり踊ってきましたよ ! 

ジム・キャリーと植木等の違いとは ?

 外国映画を観ることのメリットの 1 つに、「その国の文化・考え方・社会的背景を知ること」が挙げられます。私はジム・キャリーの映画をよく観るのですが、彼が演じる冴えないサラリーマンによるエピソードは、日本の外資系企業でも「あるある ! 」という話が多い。主人公は出世を狙って上司に必死のアピールを続けるのですが、全くうまくいかない。そうこうしているうちに、会社存続の危機が訪れ、冴えない主人公が会社を救う・・・ ジム・キャリーの映画は、ほとんどこんな感じです。日本でもありがちなストーリーなのですが、 1 つだけ違うことがあります。それは、「主人公は出世を狙って・・・」という部分。植木等さんに代表される、日本のサラリーマン映画では、出世を狙っているモーレツ・サラリーマンは描かれない傾向が強かったように思います。ま、最近では、日本映画もアメリカ化していて、苛烈な出世競争が描かれるものも多くなってきましたが。

日米 笑いのツボの違い

 

外国人と一緒に映画を観ると、また違った発見をすることがあります。かなり前のことになりますが、休日勤務の振替で、平日に休みをとったときのこと。やることがないので、『エンジェル・アット・マイ・テーブル( Angel At My Table )』という映画を観ることにしました。
この映画、日本では単館上映だったので、ほとんど話題にならなかったのですが、かなりいい映画でして、ヴェネツィア映画祭で賞をとったりしています(気になる方は、是非ご覧ください)。その日は平日だったせいもあり、客は 15 人程度だったでしょうか。中に、 3 人組の外国人(おそらくアメリカ人)が座っていました。


主人公は非常に感受性の強い女性で、多感さゆえに精神分裂症と誤診され、施設に入れられてしまいます。その施設には、社会生活に適応できなくなった人が多数収容されていて、食べ物を床にぶつけたり、子供のようないたずらを繰り返したりしている・・・ そんなシーンです。で、観客のアメリカ人がそのシーンを観て、どうしたか ?

 

「ハッハッハッハ ! ガッハッハッハ ! 」 3 人とも、バカ笑いしてるんです ! 

 

「そりゃ確かに面白いシーンではあるが、そこで笑うのは・・・ マズイんじゃないの ? 」
これと同じような光景は、アカデミー賞の授賞式でも見られます。黒人の俳優が賞をとったとき、授賞スピーチで、その黒人俳優自身が、自分が黒人であることをネタにして、かなり自虐的に話している。それを聴いている聴衆は、一様に大爆笑 ! ・・・

 

これって、日本人的にはヒキますよねぇ。ほとんどの日本人は、素直には笑えないと思います。しかし、アメリカ人の立場に立ってみると、「なぜ日本人は笑わないのか ? 」となるのです。

 

アメリカ的な発想では、「それ は それ。これ は これ」なんですよね。つまり、


・『エンジェル・アット・マイ・テーブル』の収容所施設シーンで笑ったのは、その行為が面白くて笑ったのであり、精神分裂症の人を笑ったわけではない
・アカデミー賞授賞式のスピーチで笑ったのは、その俳優の言動が面白くて笑ったのであり、黒人であることを笑ったわけではない

ついでに言うと、

・面白いシーンを素直に笑えない方こそ、何か差別意識を持っているんじゃないのか ?

 

と思っているフシがあります。

 

これは極端な例とはいえ、同じようなことは頻繁に起こる。かといって、急にアメリカナイズされる必要は一切ありませんが、アメリカ人がどのように考えているのか ? を、ある程度理解するのは重要だと思います。
私などは、英語のスピーチの内容がわからないときに、アメリカ人が笑うのに合わせて、笑う「達人」と言われています。ま、笑顔でいる限りにおいて、コミュニケーション上の衝突は起きないと思いますので、基本的には笑顔でいることが重要です。

 

みなさんも、外国映画を外国人と一緒に観て、その反応の違いを認識するとともに、コミュニケーションの幅を広げてはいかがでしょうか。きっと違った世界が見えてくると思いますよ ! 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

外資・グローバル企業の求人1万件以上。今すぐ検索!

この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

ご意見・ご感想フォーム

合わせて読みたい

---