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タカシの外資系物語

海外に行きたくないのかーーーっ!(T-T)(その1)2011.01.01

ああ、憧れの 『ウルトラクイズ』

「ニューヨークへ行きたいかーーーっ!」  「おーーーーーっ!(雄叫び!)」

 

みなさん、このフレーズ覚えてます? というか、知ってます? (ちょっと古いですが・・・) これは、日本テレビが 70 年代 ~ 90 年代にかけて放送していた 『アメリカ横断ウルトラクイズ』 での有名なやりとり。この番組は、クイズに勝ち抜きながら、東京からアメリカを横断するという内容で、決勝戦はニューヨークで行われていました。中でもセンセーショナルだったのは、東京からロサンゼルスに向かう飛行機内での 「機内クイズ」 でして、成績が良くないと、ロサンゼルス空港に降りられずに、そのまま東京にトンボ帰りという結果に。これ以外にも、敗者には様々な罰ゲームが課されていて、エンターテイメント性からもそれまでのクイズ番組の常識を覆した、かなりの人気番組だったように記憶しています。

 

高校生になった頃、この番組の“弟分”ともいえる 『高校生クイズ』 というのが始まりました。さすがに、大人を対象とした 『アメリカ横断・・・』 とは異なり、決勝戦含めて日本国内でのみ行われていましたが、優勝の副賞として 「アメリカ研修旅行」 というのがあったもので、私は仲間 2 人を誘って、迷うことなく応募しました。結果は・・・残念ながら、高 2 ・高 3 とも近畿大会の準々決勝ぐらいで敗北・・・(T-T)。おまけに、学校の重要な行事をブッチして予選会に出場したのがバレて、停学になりかける、という散々な目に遭いました(わりと厳しい高校だったので・・・)。

 

(実は、前職の外資系企業で、私の部下として、『高校生クイズ』 で優勝した経験のある K くんというスタッフが配属されたことがありました。当然のことながら、アメリカの研修旅行に行ったそうです。う、うらやましいっ!(T-T))

 

番組が全盛期だった 80 年代初期、小学生 ~ 高校生だった多感な私は、「ニューヨークに行きたい、アメリカに行きたい、世界のどこでもいいから、この目で見てみたぁーーーいっ!」 と、羨望の眼差しでこの番組を見ていました。なぜ行きたいのか ? 取り立てて行きたい場所や見てみたい名所があったわけではない。会ってみたいスターやスポーツ選手がいたわけでもない。では、なぜ ? 当時の私は、それを明確に意識したこともなく、また、それを論理的に説明する能力もなかったのですが、おそらく次のような感覚ではなかったかと思います。

 

「それほど頭の出来がいいわけでもなく、良家の生まれでもない自分が、他人との差別化をはかるためには、海外での経験 = 海外で一旗上げること が必要である・・・」

「何が何でも、海外に行きたい!」

「なんか、悟っているというか、ませているというか、子供にしては寂しい考え方だね・・・」 そう思われた方も多いと思います。私自身もそう思います。でも、これ以外にさしたる理由が見当たらないのです。
理由はどうあれ、このような理由だったからこそ、“思い”が長続きしたように思います。なぜなら、40 歳を超えた今でも、その思いは変わっていませんから ! 

 

さて、「何が何でも海外に行きたい」 と決意した私。大学では ESS (English Speaking Society: いわゆる英会話クラブです)に入り、英語力に磨きをかけました(結局、大したレベルにはなりませんでしたが・・・)。新卒で銀行に入ったときも、業務内容云々よりは、「いかに海外に行きやすいか ? 」という観点で、仕事をこなしてきました。その甲斐あって、システム要員としてシンガポール支店に赴任が決まったときは、本当に飛び上がらんばかりに喜んだものです(結局、この海外赴任話については、当時の上司である H 部長にモミ消され(!)、なかったことにされてしまいましたが・・・ 詳細は、『H 部長との思い出』 を参照のこと)。

 

銀行に在籍していた 20 年ほど前、私の周りには、同じ考えの人間がウジャウジャいたように思います。つまり、「何が何でも、海外に行きたい!」 という連中。さすがに会社に就職するような年代になると、わけもなく、ただ単に海外に行きたいというわけではなく、ほとんどの連中は、私が幼い頃に抱いた動機 ( = 海外に行くことで他人との差別化をはかる) を持っていたように思います。そう言えば、同期の中でも、東大や京大などの超一流大学を出た連中は、あまり 「海外、海外 ! 」 と言っていなかったように思います。出身大学という意味で、既に他人との差別化がはかれていると考えていたのかもしれません。

部長は海外がお好き ?

 

少し前置きが長くなりました。本題に入りましょう。最近、若手社員の海外志向が縮小傾向にあるというニュースをよく耳にします。ある調査では、社員の 7 割は海外に行きたくないと考えているとのこと。この動きは、一般企業はもちろん、商社にまで広まっているようです。ある大手商社では、海外勤務を希望する若手社員が著しく減少したため、会社として無理やり赴任を義務付ける制度を作ったようです。海外を相手にしてナンボの、あの商社が、ですよ ! 会社が尻を叩かないと、だれも海外に行かなくなったって、信じられます ?

 

また、こんな調査結果もあります。産業能率大学の調査によると、今後海外で働きたいと考えているビジネスパーソンの割合は、役職が上になるほど高くなる傾向にあることが分かった、というのです。具体的には、海外勤務に前向きな人は、部長クラスでは、57.1 % と半数を超えているのに対し、課長クラスでは 41.2 %、係長クラス 34.5 %、一般社員 29.3 % と、役職が下がるほど低くなっているというのです (http://www.sanno.ac.jp/research/global_bp.html ※外部サイト) 。うーーぬ、これはどういうことなのか・・・ ?


産業能率大学の分析によると、役職が上になるほど海外勤務に前向きである理由として、以下が考えられるとまとめています。
(1)部長層に登用されている人材は組織コミットメントや挑戦意欲が高い
(2)高い地位にあるために海外勤務に対する心理的な準備ができている
(3)海外派遣がさらなるキャリアの向上につながるチャンスだという意識を持っている

 

うぅぅーーーーぬぅぅ、そうかなぁ・・・? (1)はわかります。(3)も(1)の派生的な理由でしょう。でも、(2)はどうでしょう。役職が上 ≒ それなりの年齢 でしょうから、今さら海外勤務と言われたら、少なくとも若手よりは抵抗感があるのではないでしょうかね。

 

この調査結果を解析するにあたり、以下 2 つの “意外な要素” に分解してみたいと思います。

 

1.部長の海外志向が、予想以上に高いこと
2.一般社員の海外志向が、予想以上に低いこと

 

私と同じ「バブル世代( 1988 - 91 年ぐらいの就職した連中)」が、課長や、早い人は部長になり始めています。つまり、彼ら・彼女らの多くは、『ウルトラクイズ』 を見て育った 「何が何でも海外世代」 と重なります。1.の理由は、そのあたりにあるのかもしれません。
では、2.はどう説明がつくのか ? 一般社員って、海外に行きたくないの ???

 

「ニューヨークへ行きたいかーーーっ ! 」  「別に・・・」

 

次回のコラムでは、当調査結果に対する私なりの分析をお話したいと思います。
(次回続く)


 

さて、当コラムが年内最終となります。みなさん、本年もご愛読いただき、本当にありがとうございました。引き続き、来年も 『タカシの外資系物語』 をよろしくお願いいたします。では、よいお年をーーーーーーーーーーーーーっ !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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