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タカシの外資系物語

“シャドウイング” のすすめ (その 2 )2010.12.07

時間は自分で作るもの

前回の続き) 終日、上級役員の横について、その仕事ぶりを実体験するという 「 1 day シャドウイング」 プログラム。人事部からの案内メールを十分に確認しなかった私は、英会話のレッスン法である“Shadowing”(ネイティブの人が話した英語を聞きながら、それと同じ文章をそっくりそのまま音読する)だと勘違いし、大失敗する羽目に。さてさて、実際のプログラムはどうなることやら・・・


プログラムは「 7 時開始 ! 」とのことだったのですが、「・・・とはいうものの、最初はコーヒーでも飲みながら、役員の Andy と世間話でもするんだろ・・・」と思っていた私。そんな期待はもろくも崩れ去り、Andy ( 上級役員、わが社のTop 3 )は本当に 7 時から仕事を始めました。


Andy 「タカシ、本日のスケジュールをセクレタリのアキコさんからもらってくれ」
私 「OK ! 」


見ると、夜の 18 時まで、予定が “みっちり” 詰まっています。どの程度 “みっちり” かというと、15 分刻みのスケジュール表すべてが埋まっているぐらい “みっちり” です。一体、いつ休憩をとるのだろう、このおっさんは !


私 「Andy、1 つ質問してもいいかな ? 」
Andy 「あぁ、簡潔にな。」
私 「スケジュール表見ると、7 時から 18 時まで全て詰まってるんだけど・・・ 自分の仕事はいつやるんだい ? 」
Andy 「ん ? (スケジュール表を見て) ふーーむ、こりゃ大変だな・・・ でもな、タカシ。時間というのは、自分で作るもんなんだぞ」
私 「自分で作るってたって、全て埋まってたら、作りようがないじゃない・・・」
Andy 「例えば、移動の時間。これは全て私の時間だ。次に、30 分の打ち合わせは 20 分で終わらせる。そうすれば、10 分は自分の時間になる・・・」
ま、そりゃそうなんだけど・・・ そうそううまくはいかんだろうに・・・
私 「なるほどねぇ・・・(と、とりあえず納得しておこう)。あと、14:00 – 14:15 のミーティング、2 つ入ってるように見えるんだけど・・・」
Andy 「ん ? (スケジュール表を見て) ふーーむ、ダブルブッキングだな・・・ 仕方ない、7 分 30 秒ずつやろう!」
だ、大丈夫なのか、このおっさん !

役員の条件は「鈍感力」 ?

 

「ふーーーっ ! やっと午前中が終わった・・・」
時計の針はちょうど 12 時。プログラム開始から5時間が経過しました。はっきり言って、横についているだけで、もうフラフラ・・・ 一方の Andy は、時間がたつにつれ、エンジンが温まってきたイメージ。元気一杯です。


Andy 「どうした、タカシ ? もうギブアップか? 」
私 「いやはや、Senior Executive ってのは、本当に大変だね・・・」
Andy 「おいおい、こんなことぐらいで弱音を吐かれちゃ困るなぁ。タカシを Executive にしたのは、失敗だったかな・・・ グハハ ! 」


さて、午前中の 5 時間の間、Andyは自分の時間を持つことができたのか? 30 分のミーティング、早く切り上げるどころか 10 分オーバーしていました !(なんじゃ、それ ! ) 移動時間、Andy は思いっきり寝てました ! (ま、自分の時間といえば、そうじゃが・・・)

 

思うに、実はそんなことはどうでもいいのです。役員としてやっていくために必要な条件は、まず「体力」 ! これにつきます。1 日 10 時間で、30 分の会議で埋まっているとすれば、全部で 20 の会議となります。そこで、Andy は何らかの Decision Making (意思決定)をしており、それによって、仕事が次に進む。もし、Andy が体調不良で休んだら、20 の仕事が滞る可能性があるのです。

 

Andy は、前職も含め、すでに 10 年以上のExecutive経験を有していますが、バケーション以外、1 日たりとも休んだことはないとのこと。「風邪は週末にひくように調整している」んだそうです・・・ 


次に重要なことは、「気にしない精神」かもしれません。「鈍感」といってもいい。どんなにショックなことがあっても、気にしない。1 つ 1 つを気に病んでいたら、次々にやってくる意思決定に支障をきたします。
Andy 「タカシ、重要なことは、“Don’t worry ! Be Happy ! ” のスピリットだぞ ! 」


私の場合、何か嫌なことがあると、その日 1 日、ウジウジと引きずってしまう傾向が強い。Andy の境地に至るには、まだまだです・・・

「笑顔」の重要性

私 「Andy、12 時からのスケジュール、 “Office Walking” って書いてあるんだけど・・・」

Andy 「よし、行くぞ、タカシ ! 」


“Office Walking” というのは、ランチ前の 30 分間を使って、オフィスを歩き回るというもの。Andy によると、健康プログラムの一環とのことなのですが、単に歩き回っているわけではない !


「ハイ ! 佐藤サン、調子ハドウデスカ ? 」
「週末ハ、ドコカ楽シイトコロニイキマシタカ ? 」


Andy は、オフィスにいるスタッフに、気軽に声をかけながら歩いていました。Andy いわく、「業務上の会議だけではなく、普段のインフォーマルなコミュニケーションを大事にしたい」とのこと。その際に、必ずチェックしていることがあるのだとか。それは、「社員が笑顔で仕事をしているかどうか ?」 社員の笑顔は、業績のバロメーターなのだそうです。
そういえば、“Office Walking”中の Andy は、笑顔を絶やしていません。この「笑顔」も、役員に必要な条件なのかもしれませんね。

 

Andy 「タカシ、何やってんだ ! お前もスタッフとコミュニケーションしろ ! 」

私 「ええっ ! (いや、これは Andy がやるから様になるんであって、私がやっても、単にウザイだけだと思うんだけど・・・)」
Andy 「早くやれ!」


私 「ハイ、田中さん、元気ですか ? 週末は、どこに・・・」
田中さん 「えっ ! 何よ ? (冷たい視線・・・)」
私 「ご、ごめんなさい・・・」


・・・ほらね、言ったじゃん(T-T)


さて、本日の夕方には、アメリカ本社を交えた「役員会議」を控えています。そこで私は、驚愕の事実を知ることになります。次回、乞うご期待 !
(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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