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タカシの外資系物語

海外と“Chat” しよう !2010.11.16

プレゼン中の chat で大騒ぎ ?!

みなさんは、“コミュニケーション・ツール” と言われて、真っ先に思い浮かぶものは何ですか ? E メール、電話、手紙(いまや年賀状以外、ほとんど使わないですね・・・)、電報(これも結婚式以外使わない)、のろし(ないない!)、伝書鳩(ないわーーーーーっ!)・・・ 等々。ま、実際のところ、日常におけるほとんどのコミュニケーションは、E メールと電話で事足りると思います。


しかし、「ちょっとした内容を、即座に かつ 確実に 相手に伝えたい」場合には、 E メールでは不十分です。なぜなら、相手がすぐにその E メールを見てくれるかどうか、わかりませんからね。そんな場合には電話の方が適しているわけですが、電話は電話で、相手が出られない状況であったり、国際電話の場合は高額になったりしますので、万能とは言えません。


その点、「chatソフト」を使ったコミュニケーションは非常に有効です。 Chat とは、“おしゃべり”という意味で、 PC や携帯を使って、おしゃべり感覚で相手とコミュニケーションするツールを指します。最近すっかりメジャーになった「ツイッター( twitter:つぶやき )」なども、広義の chat といえますので、「 chat ソフト」のユーザーは相当数のはず。みなさんも、一度は使ったことがあると思います。


わが社では、社員が PC を立ち上げて、社内ネットワークに入りさえすれば、社員同士で自由に chat することができます。また、「応答可」「離席中」「会議中」など、自分の状況(ステイタス)を伝えることができますので、むやみやたらに会話を仕掛けられることもありません。相手のステイタスを見て、「応答可」になっている場合にのみ話しかけることで、相手の都合を考慮して、確実に会話できるというわけです。

 

一方で、ステイタス変更を忘れてしまうと、悲惨なことになるケースも! 以前同じチームにいた M くんは、クライアントへのプレゼン中に、いきなり chat が入ったことがありました。それも、社内にいる恋人から・・・。
なんと、プレゼンの最中に、「まーくん♡ 今日のレストランだけど・・・」とchatが入ったものですから、大騒ぎ( ♡ はまずいだろ、 ♡ は・・・)。その後、まーくんこと M くんのプレゼンがボロボロになったことは言うまでもありません。ま、仕事中のコミュニケーションには注意しろ、ということですな・・・ (その半年後、chat してきた彼女とまーくんこと M くんは、見事に結婚 ! 私も主賓として、結婚式に参加しました。めでたし、めでたし・・・)

コーチの Jeff と chat しました !

私自身は、日本人の社員同士での chat はあまりやりません。なぜなら、あまりキータイピングが速くないので、タイプしている間に電話した方が早いからです。しかし、相手が海外となると話は別です。相手がオフィス内にいれば内線電話を使えますが、外出している場合には、携帯に電話しないといけません。そうなると、電話代が恐ろしくかかります。加えて、自慢ではありませんが、私は Listening/Speaking よりも Writing/Reading の方がはるかに得意なので、確実なコミュニケーションのためにも、電話より chat の方がいいのです(全く自慢にもならんが・・・)。

 

先日、こんなことがありました。現在私は、海外の同僚とある共同作業をしています。以前、海外研修で同じだったチームでの作業なのですが、チームメンバー 4 名中、 1 名が病気で入院中、 1 名が転職( ! )してしまったものですから、私はオーストラリア人の Tony と 2 人ぽっちで作業しなければならなくなってしまいました( 『マレーシア研修 顛末記』 参照のこと)。そのときの chat の内容をご紹介しましょう。


【背景】 
・登場人物 = Tony(オーストラリア人)、Jeff(アメリカ人、コーチ)、タカシ
・コーチであるJeffは、私のチームの作業が大幅に遅れていることを心配している
・一方、根っからの楽天家である Tony は、作業の遅れを全く気にしていない
・気が小さい私は、作業遅れを Jeff に指摘され、上級役員にチクられることを恐れている(情けない話ですが、サラリーマンなんで・・・(T-T))


【 Jeff とタカシの chat 】 ← コーチである Jeff から「作業が遅れているようだが大丈夫か ? 」というメールが来たことに対し、「大丈夫だ、心配ない ! 」と言いたい


Takashi … Jeff-san, from Takashi, Japan
Jeff … hello 
Takashi … Thank you for your e-maill. Now, Tony and I are making presentation materials. Next week, we will have tel-meeting 
Jeff … would you please make sure I get an invitation to next weeks meeting 
Takashi … OK 
Jeff … thank you 
Takashi … I really appreciate your attention to us, 
Jeff … thanks

いやぁ、まるで教科書を見ているような、美しいchat ! 私の会話の文頭が、いちいち大文字になっているところが、ちょっとヤボったいですが・・・ でもまぁ、いい感じですね。

メンバーの Tony と chat しました !

以下は、それを受けた Tony との chat です。

 

【 Jeff とタカシの chat 】 ← チームメンバーである Tony に対し、「作業が遅れているので、週末にメールベースで作業のやりとりをしよう」 「 Tony からも、コーチの Jeff と連絡を取ってほしい」と言いたい


Takashi … Hi, Tony 
Tony … hi
Takashi … Our status is so terrible, you know. We have to make the presentation materials, this weekend …
Tony … np
Takashi … You have read e-mail from Jeff ? 
Tony … yes i have 
Takashi … I ask you to send e-mail or chat to Jeff, "Don't worry, we had made recovery plan" 
Tony … cheers
Takashi … ?
Tony … good night !
Takashi … OK ?
Tony … np

 

・・・みなさん、わかります? Tonyはどういう状況なのか・・・ 酔っとるんですよ、すでにコイツは! Chatしたのって、オーストラリア時間の午後5時ですぞ! “Cheers!(乾杯!)”って、いつから飲んどるんじゃーーーーーーーーっ! 仕事のせいやーーーーーーーーーーーっ! ハァハァハァ (T-T)
あと、“np”って、何やーーーーーーっ! “no problem”ってことかーーーーーーーーっ! 問題ありありじゃーーーーーーーーーーーーーー! ハァハァハァハァ (T-T)(T-T)


う、うろたえてはいけない・・・ グローバル企業においては、様々な考え方や文化を受容しなくては・・・ よし、ここは酔っ払ってるTonyの代わりに、私が週末に徹夜して、作業でもしようか・・・ って、なんでやーーーーーーーーーっ! ハァハァハァハァハァ (T-T)(T-T)(T-T)


コミュニケーションというのは、連絡がつかない方がかえっていい場合もあるようで・・・ 特に、異文化の場合は・・・ みなさん、くれぐれもchatに “np” と “cheers” が頻出したら、気をつけてくださいね!

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

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