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タカシの外資系物語

自分でやり切る “力”2010.06.08

棚を作ろう !

少し前のことになりますが、わが家で大きな “変革” がありました。それは、「液晶TV(46型)を買った ! 」ということ。3 月末の家電量販店エコポイント・キャンペーンにまんまと乗っかったわけですが、それにしても、家族は大喜び。確かに、それまでの 20 型ブラウン管TVに比べると、断然迫力が違います。奥さんや娘だけでなく、愛犬ゴルゴまでもが、大画面TVの前に鎮座して、食い入るようにして見ています(昭和の家族か、うちは・・・)。ま、何にしても良かった、良かった・・・


これまでの巨大なブラウン管TVが、いきなり薄型になってしまったものですから、部屋にぽっかりと空間が空き、リビングのレイアウトが、何だかヘンテコリンな感じになってしまいました。


奥さん 「なんか、しっくりこないわね・・・」
私 「ま、しばらくすれば、慣れてくるんじゃない ?」
奥さん 「いや、これは 『部屋の模様替えをしなさい !』 っていう、神のお告げにちがいないわ。いや、きっとそうよ !」
思い立ったら、いてもたってもいられない性分のうちの奥さん。早速、ノートを開いて、リビングの新しい “レイアウト” を考え始めた様子。
私 「もう夜も遅いから、明日やりなよ・・・」
奥さん 「いいのよ。あなたは寝てて !」
私 「ふあぁぁーーい、おやしゅみぃ・・・ Zzzz・・・ (なんか、胸騒ぎがする。うちのやつ、なんか大胆なことを考えてなきゃいいけど・・・ ま、いっか・・・寝よ・・・) Zzzz・・・」


それから数日たった、ある日。仕事を終えて帰宅すると、玄関に巨大な荷物が放置してあるじゃ、あーりませんか!


私 「な、何これ ? 」
奥さん 「気付いた ?  材料よ ! 棚を作ろうと思って、ネット通販で買ったのよ」
見ると、アルミのパイプ、ボルトとナット、木の板らしきもの数枚・・・ 確かに、棚の材料に見えなくはありません。でも、1 つ気になることが・・・
私 「・・・でも、これって、組み立て式のキットじゃないよね ? “生”の材料に見えるんだけど・・・」
奥さん 「当たり! 私の設計に合わせて、“生”の材料を買い集めたの」
私 「ええっ!」

“カーペンター” トモミ ?!

例のノートを見ると、奥さんがデザインしたと思しき、かわいいリビング棚が描いてあります。そもそも、うちの奥さんは自宅でデザイナーをしているので、デザインそのものはうまい。それは認めます。しかし、デザインがうまいことと、実際にそれを作ることとは、かなり違う! どう見ても、寸法はかなり適当に考えたとしか思えない! 「奥行き=だいたい30cmぐらい」・・・ とか書いてあるし・・・

 

私 「・・・あのさぁ、トモミ(うちの奥さん)って、工作得意だっけ?」
奥さん 「じぇんじぇん」
やはり、そう来たか・・・(T-T) 私は簡単な日曜大工程度ならできなくはないのですが、それにしても、この“生”の材料を前にしては、足がすくみます。
私 「これは、かなりの強敵だよ・・・」
奥さん 「そうかしら?」
私 「週末にゆっくり考えるから、とりあえず、このまま放置しておこう。危ないから、絶対に触っちゃだめだよ!」
奥さん 「・・・」


翌朝、目が覚めてみると・・・ まぶしい朝日を背に仁王立ちした奥さん。と、素人が作ったとは思えない新品の棚!

奥さん 「ふーーっ。確かに、強敵だったわ!」 
私 「おまえ、ま、まさか・・・ 僕が寝ている間に、一人で作ったの? 大丈夫だったか?」
奥さん 「おかげで、歯が欠けたわ!」
私 「えええっ!(T-T)」
奥さん 「完成間近のところで、板が落ちそうになったの。両手が塞がってたもんだから、口でくわえたってわけ・・・」
なんじゃ、そりゃーーーーーーーーー! “びっくり人間大集合” かーーーーーーーーーーーっ!
私 「ど、どうして、僕を起こさなかったんだよーー(T-T)」
奥さん 「あなたを起こすと、“専門家に任せろ!” “リスクが高い” とかいって、結局やめることになるでしょ。この程度のことやり切らないと、人間は成長しないわ!」

“何でも報告症候群” が、モチベーションを下げる?

読者のみなさんは、「なんてワイルドな奥さんなんだろう・・・」 と思われたかもしれません・・・(私もそう思う。実際には、ものすごく華奢なんですが・・・)。もしかしたら、彼女には“大工”としての才能があるのかも?


奥さんに感服する一方で、私はある重要なことを考えていました。それは、「人は、多少の無理をしてでもストレッチ(背伸び)しないと、成長しない」ということです。
「そりゃそうだろ。特に、外資系企業じゃ、当たり前の発想じゃないの?」 確かに、発想自体は当たり前の考え方です。しかし、いざ実践となると、これが非常に難しい。つまり、ストレッチしてスキルを伸ばすということが、思うようにできない場合が多いのです。なぜか? それは、“リスク管理”という大義名分がまかり通っているがために、無理をしてストレッチさせるような状況を作り出せていない、ということが大きな原因です。


例えば、部下が自分のスキルでは無理かもしれないが、何とか頑張ってやってみようと思うことがあるとします。部下は上司に、「困難だが、チャレンジしてみたい!」と相談するわけですが、相談を受けた上司は、「(うーーむ、こいつでは難しいかもしれんな・・・ 失敗したら困るし・・・) よし、先輩のAくんと一緒にやってみるか?」 などと言って、結局無理をさせない。こうなると、部下としては、「この人は、俺を信用してくれていないんだな・・・ なんか、やる気なくすよな・・・」と、モチベーションが一気に下がってしまいます。


部下の方にも問題はある。それは、困ったことがあったら、すぐに上司に報告してしまうという、「何でも報告症候群」に蝕まれているということです。自分でできる、いや、絶対やり切る!と決めたら、やってしまえばいい。上司としては、相談を受けた段階で、やはり弱気になってしまう。残念ながら、「よーーし、やってみろ!」とは、なかなか言えないのが人情というものなのです。


この傾向は、特に外資系企業に顕著だと思います。外資系企業に転職してからというもの、びっくりするようなことを一人でやってのける若手を、ほとんど見たことがありません。みんな、やる前に相談して、指示を仰ぐ。やっちゃえばいいのに・・・ 何度、そう思ったことか! もっと大胆に、もっと“やんちゃ”になればいいのにな、と思う外資系企業の管理職は、私だけではないと思います。たまには「ヒヤヒヤさせるなよ・・・」ぐらいのことを、上司に言わせた方がいいのです。
もちろん、組織で働く以上、秩序なく好き勝手に何でもやられては困ります。しかし、だれかに相談することでリスクをヘッジした途端、安心してしまう若手が多い。ときには、“やらざるをえない状況”に、自分を追い込むことも必要なのではないでしょうかね?


そういう意味では、日系企業の社員の方が、ときに思い切ったことをやる人が多い。NHKのプロジェクトXのような人材は、外資より日系の方が多いように思います。「形式はスマートだが、思い切ったことができない外資系社員・・・」 これは私の偽らざる実感です。


奥さん 「ねぇ、今度、寝室の“大胆な”模様替えを検討したいんだけど・・・」 
うっ、また来たか・・・ 今度はどんな芸当を見せてくれることやら・・・ くれぐれも、体にだけは気をつけてくれよな。世界一、大事な奥さんへ。 

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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