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タカシの外資系物語

“ブリーフ・セラピー” の効果は ? ( その 2 )2010.02.16

スタッフが不足している ! どうする ?

前回の続き) 最近、「何事にもやる気が出ない」と、“プチ・うつ” 気味の A くん。会社指定の産業医に診てもらうことを薦めた私は、A くんと一緒に産業医のところに行きました。産業医いわく、「 A さんの症状自体は、それほど重いわけではないが、1 年以上も同じ症状が出ており、少し心配」とのこと。結果、“ブリーフ・セラピー”というアプローチをとるカウンセラーを紹介してもらうことになりました。さて、“ブリーフ・セラピー”とは、一体何なのでしょうか ?


まずは、簡単な例でご説明したいと思います。例えば、今私がチームリーダーで、明日の朝までに、ある作業を絶対に仕上げなければならないとしましょう。しかし、人手が足りない ! 追加で 1 人いれば、何とか間に合いそうだ ! ということで、上司に 1 日だけのスタッフ調達を依頼しにいったとします。


私 「・・・ボス、○○作業の件ですが、このままでは間に合いそうにありません。本日の夜限定で、スタッフを 1 名増員できれば、何とか間に合うのですが・・・ 増員お願いできますでしょうか ? 」
ボス 「ふむ・・・、状況は理解した。しかし、どうして作業手が足りない状態に陥ったのかね ? 君のプランが甘かったのではないか ?! 」
私 「まぁ、そうかもしれません」
ボス 「加えて、スタッフのスキルにも問題があるかもしれんな・・・」
私 「正直いうと、それもあります・・・(って、そんなこと後でいいから、早くスタッフを調達してくれないかなぁ、イライラ ! )」
ボス 「もしかすると、私にも責任はあるかもな。この案件は、君に任せっきりで、全くケアしてなかったしな・・・」
私 「そんなこと、後でいいから、早くスタッフ調達してくれやーーっ ! 夜が明けるわーーっ ! ハァハァハァ (T-T)(T-T)(T-T)」


・・・こんな経験、みなさんにもあるんじゃないでしょうか。「 1 日分のスタッフが足りない ! 」という問題に対しては、ボスの言うように様々な原因があるでしょう。それを追究することに、全く意味がないとは言いません。スタッフを追加するにしても、これまでと「同じ轍を踏む」わけにはいきませんから。


しかし、事態は切迫しています。作業の締め切りは明朝なのですから、今は四の五の言わずに、できるだけ早くスタッフを調達して、作業を進めた方がいいわけです。

鼻血がボタボタ ! どうする ?

実体験として、私自身、忘れもしない悲惨な思い出があります。あれは小学生の頃、ささいなことから、学校一のガキ大将とケンカになったことがあります。結果、ボッコボコに殴られた挙句、顔が腫れ上がって鼻血がボタボタとたれ流し状態になりました。


すぐに担任の先生が飛んできて仲裁に入ったわけですが、その担任、ノックアウトを食らって、鼻血を流しながら倒れている私を放置して、ガキ大将への叱責を延々と繰り返していたのです。「ホントにもう、すぐに手を出すんだから ! カッとするのを止めなさい ! 」「弱いものイジメしちゃいけないって、言ったでしょ ! 」・・・ てな感じ。


「あ、あのなぁ・・・ んなこと、どうでもいいから、早く保健室か病院に連れて行ってくれやーーーーっ !(T-T) ゲホ、ゲホッ ! 」 結局、ガキ大将を叱責している担任を尻目に、自力で保健室まで、這いつくばって行ったように記憶しています。戦場か、ここは・・・


上記の話は極端だとしても、ここで重視されるべきは、「何よりも先に、出血を止める ! 」ということ。出血を放置しておけば、死んでしまうかもしれないのですから。
既に起こってしまった過去のことについて、その問題や原因に焦点を当てるのではなく、「すぐに何をしなければならないか ? 」「今後どうなりたいか ? 」といった、現在と将来を重視するのです。短期決戦でスタッフが足りないなら即入れる、殴られて鼻血が止まらないなら手持ちの布切れを鼻に突っ込む、こんな感じでしょうか。


“ブリーフ・セラピー”の誕生に大きな影響を与えた精神科医のミルトン・エリクソンは、次のように言っています。
「どんなやりかたであっても、その人が望むようになれば良い」 
言いえて妙、まさにその通りだと思います。

解決策は自分の中にある

さらに、ミルトン・エリクソンは、次のようにも言っています。
「相談者本人が持っているリソース(Resources :経験・能力・資質)を用いることが、より早い改善につながる。また、相談者は解決のために必要なリソースを持っている」 わかりやすく言うと、以下のような順序で考えるということではないかと思います。

( 1 ) どんなやり方でもいいから、望ましい状態に持っていく
( 2 ) その解決策は自分の中にあるはずだから、まずは自分自身で何ができるか考える


うーーむ、( 1 )はいいんですけどねぇ・・・ ( 2 )はハードル高いですよね、実際のところ。( 2 )まで考慮に含めると、例のスタッフ不足の場合は、「増員に頼らず、自分たちでやり切れ」・・・、鼻血が止まらない場合は、「自力で止めろ」(って、野生動物か、わしは)・・・ となってしまいます。つまり、結局は自分でどうにかしろ、といった精神論に陥るわけで、これではよくない。なので、セラピー(カウンセリング)の進め方としては、「( 1 )を大前提として、できる限り( 2 )の発想をする」ということではないかな・・・と、自分なりに考えています。


さて、では具体的に“ブリーフ・セラピー”はどのように進められるのでしょうか ? 教科書的な話をしても面白くないので、前回登場した A くんの「その後の経過」を見てみたいと思います。


~~~ A くんが産業医を訪れてから 1 週間後のこと ~~~

私 「お、A くんじゃない。どう ? カウンセリングの具合は ? 」
A くん 「おかげさまで、とてもいいです。カウンセリングを受けて以来、何かやる気も出てきたし・・・」
私 「そっか ! そりゃ良かったなぁ・・・」
1 週間前よりも、明らかに A くんの表情は明るさを取り戻しています。こんなに短期間で効果が出るとは・・・、“ブリーフ・セラピー” おそるべし !
私 「ところでさぁ、その“ブリーフ・セラピー”って、どんな感じなの ? 」
A くん 「それがですねぇ、過去に受けたカウンセリングとは全く違う質問ばかりで・・・ その質問に回答するうちに、何だか目の前が明るくなってくるというか・・・ 具体的に言うと・・・」


おっと ! 今週はここまでです。子供の頃の思い出とか、どーでもいいような話をしているうちに、不覚にも紙面が終わってしましました・・・、申し訳ありません(T-T)。次回のコラムでは、“ブリーフ・セラピー”の具体的な進め方についてお話したいと思います。では !

(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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