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タカシの外資系物語

タカシ、年初に新幹線で思うこと ( その 2 )2010.01.19

高校生のため (?) の論理思考

前回の続き) 正月三が日早々( 1 月 3 日)、地方出張のため、新幹線に乗り込んだタカシ。昨年までなら、座席に着くやいなや、いそいそと PC を取り出して、車内で仕事することがほとんどでした。が ! 今年からは幅広い教養を身につけるべく、新幹線車内では読書の時間を確保することを目標としました。東京から目的の広島に向かう途中、新大阪までで新書 2 冊を読破(?)することに成功( 2 冊目は難解なため、ほとんど読んでいないという説あり・・・)。果たして、3 冊目読破となるか ?


3 冊目は、『高校生のための論理思考トレーニング』(横山雅彦著:ちくま新書)です。ここ数年、「論理志向(=ロジカルシンキング)」というキーワードが流行っているのは、みなさんもご存知の通り。コンサルという職業柄、私もさらなる論理思考力を身に付けようと、様々な本に目を通したのですが、どうも腹に落ちるものが少ない。実践上のビジネスから乖離したものや、「だから、どうなの ? 」的な内容が多く、頭の体操にはいいのですが、なんとなく物足りなくて・・・ で、手に取ったのが、この本。『高校生のための・・・』 程度のレベルの方が、いいのかな、なんていう、かなり安易な発想です。


で、しばらくの間、この本をテーブルに放置しておいたのですが、ある日、うちの奥さんがこの本を見つけて一言。
「あら! 横山先生の本じゃない ? あなた、もしかして・・・ この歳になって、大学受験を考えているんじゃ・・・」
あのなぁ・・・ せめて、「大学院受験」と言ってくれよ、んったくぅ・・・
私 「ん ? トモミ(うちの奥さん)、この人知ってんの ? 」
奥さん 「知ってるも何も、受験のとき予備校で、ハチャメチャにシゴかれたわよ ! 」
うちの奥さんは、慶応 SFC という、英語ではかなりハイレベルの大学出身です。実際、英語はめちゃくちゃ出来ます。帰国子女でもなく、さしたる留学経験もない彼女が、どうしてこれほど英語ができるのだろう・・・と、身内ながら、実はかねてから不思議に思っていたのですが、どうやらその秘密は大学受験勉強時にあったようです。果たして、その内容とは ?

英文読解必勝法

「うぬぬぬぬぅ・・・ こやつ(奥さんを指す)、こんな恐ろしいロジックで英語の問題を解いておったのか・・・ こりゃ、田舎の公立大出身のワシでは、歯が立たんのも仕方なし・・・トホホ・・・(T-T)(T-T)(T-T)」


本書を 10 分ほど読んでみて、私はその内容に驚愕してしまいました。何に驚いたかというと、英語の論理性に対するアプローチの仕方です。本書を貫く考え方として、「英語は極めてロジカルな言語であり、難関大学の入試に立ち向かうためには、英語の論理性を理解して問題を解く必要がある」ということを、実際の入試問題を通じて、明らかにされていきます。


「冠詞 a(an)は初出の単語、the は既に話題に出ている単語につく。よって、冠詞によって、議論の時系列がわかる」「逆説の接続詞の後には、本文の主旨(言いたいこと)がくることが多い。特に、 but の後がその傾向が強い」「本文の主旨になりそうな文章は、その証明が具体的になされる。証明が不十分であれば、それは主旨にはなりえない」・・・等々(詳細については、本書をご参考ください)。これらについて、後日、奥さんに確認してみると、こんな回答でした。


私 「 but の後が重要とか、主旨には証明があるとか、そんなこと考えて問題解いてたの ? 」
奥さん 「へ ? そんなの当たり前じゃない ! まず、本文の “but” に丸をつけてから問題文を読み始めるなんて、基本中の基本でしょ ? まさか・・・ そんなことも知らないで問題解いてたの ? 」
ガーーーーーン ! うそーーーーーーん ! (T-T) そんな必勝法があるんやったら、教えてくれやーーーーーっ ! (怒 ! ) (ま、今さら怒っても仕方ないわけで。こういうことを教えてくれるから、高いお金を払ってまで、予備校に行ってたわけですから)


私だって、本文を読み始める前に、先に問題文を読んでおく程度のことはしていました。でも、“but” に丸をつけてから問題を解き始めるなんざぁ、気が付きませんでしたな、実際・・・ そういえば、「この文章の論旨を以下から選びなさい」なんていう問題を、よく間違えていたように思います。かつ、解答を見直しても、なぜその選択肢が答えなのかすら、よくわからんのです。おそらくは、but の後ではなかったとか、具体的な証明がされていなかったとか、そんなところなんでしょう。ううぬぅ・・・

受験の必勝法をビジネスに応用する ?

奥さん 「もちろん、そんなアプローチだけでは歯が立たないのよ。難関大学の英語は超長文だから、本文を読み返している時間なんてないから、文章そのものを読むのにつまづいたら、それで終わり。だから、英単語は完璧に覚えたし、文法も完璧にしておいたし・・・ 私なんて、横山先生に言われて、辞書をほとんど丸ごと覚えたんだから・・・」


辞書丸ごとって、あんた・・・ そういえば、私の場合、『出る順 基礎単語集』すら覚えずに、受験に臨んだような記憶が・・・ ABC 順に並んでた頻出単語の、「accept、beat、cause」までしか覚えてなかったような・・・(“C”で終わりかい!) こりゃ、話になりまへんな !


さて、私がここで言いたいのは、英語の受験勉強に対する後悔ではありません(正直、“後悔”も多少ありますが・・・)。この本を読んでわかったのは、以下のようなことなんですね。

( 1 ) 一定レベル以上の課題(ここでは、難関大学の入試問題)に対処するには、定番としての型(アプローチ)が重要。やみくもに攻めてもダメ !
( 2 ) 定番としての型(アプローチ)を使いこなすためには、十分な基礎力(ここでは、語彙や文法知識)が前提となる。


当たり前といえばそれまでなんですが、このことをおろそかにすると、ろくな結果にならない。精神論だけの、竹槍戦法では、労力のわりに成果が出ないということになります。前回のコラムで述べた、「 MBA 的アプローチ」というのは、ちょうど( 1 )に該当するのでしょう。その前提として、一般常識や業界知識、計数処理や IT リテラシー、ビジネスマナーや社会経験などの( 2 )が必要だというわけです。


それと、もう 1 つ。英語の論理性については、再認識させられました。日本人の悪い癖として、日本語の非論理性を、そのまま英語に訳してしまうということが挙げられます。端的にいうと、英語は「 A だから B 。A は具体性があり、多くの人がそれを支持することができる」 と言えれば、それ以上、突っ込まれることはありません。だから、説明のストーリー立ても、メールの文章も、この流れに沿っておけば、まず心配はない。にもかかわらず、日本語のノリで、流れに関係のないことまで盛り込もうするから、受け入れられないわけです。


このことを理解した上で、英語の文章にあたると、これまでとは違った読み方ができます。英会話も同じことでしょう。私自身、今年は「論理的英語」をマスターすべく、再度、英語の勉強に取り組みたいと思います。このように、幅広く本を読むことで、自分に足りないことが見えてくることもあります。みなさんも、是非お試しください !

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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