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タカシの外資系物語

タカシ、年初に新幹線で思うこと ( その 1 )2010.01.12

新年から、新幹線で何をする ?

新年明けまして、おめでとうございます ! 


さてさて、正月休みも終わりました。正月休みというのは、長期休暇の中でも、もっともグータラする休み。みなさんも、休みボケがまだまだ抜けないのではないでしょうかね。私は現在、地方(広島)のプロジェクトを担当しているため、1 月 3 日の夜から地方出張。東京駅で U ターンラッシュを横目に、ガラガラの新幹線に乗り込むのは、なかなか趣がありました(三が日から仕事というのも悲しいですが・・・)


乗り込んだ新幹線車内で何をするか ? 最近、東海道新幹線では、東京-新大阪間で無線 LAN のサービスがあるので、PC で仕事ができなくはありません。以前は電話回線のモデムでつなぐしかなかったので、トンネルを通過するたびに、「ブチッ ! 」と無残にも回線が切れていました。新幹線によく乗られる方はおわかりだと思うのですが、仕事をするなら、勝負は「静岡」。静岡は山間部が少なく平野が多いため、モデムが切れる可能性が低いというわけです。

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無線 LAN も整ったことだし、仕事でもするか・・・ と、ちょっと待った ! これでは、去年までと全く変わりません。今年こそ、ON と OFF の切り分けを明確にして、仕事漬けの生活から脱却しよう ! これが今年掲げた、私の目標の 1 つです。


では、何をするか ? それはやはり、「読書」でしょう。もちろん普段の通勤電車でも、それなりに読書はしているのですが、新幹線では数時間のまとまった時間が確保できますから、やや重めの本でも頑張れば読破できます。新書レベルなら、複数冊も可能 ! というわけで、私は買いだめしておいた新書を 3 冊持ち込んで、新幹線に乗り込んだというわけです。


1 冊目は、『なぜ「大学は出ておきなさい」と言われるのか ― キャリアにつながる学び方』(浦坂純子著:ちくまプリマー新書)です。このコラムでもたびたびテーマに取り上げている通り、「大学」「キャリア」というのは、私にとって、大きな興味の 1 つ。本書においても、豊富なデータをもとに、大学で学ぶことのメリットと留意点をわかりやすく説明しています。また、受験で数学を選択した学生の方が、年収が高い傾向にあるという統計についても触れられており、非常に面白い。この統計については、私もコラムで書いたことがあり(『数学はお好き ? 』参照)、あらためて納得することしかり、でした。


実は、筆者の浦坂先生、私の大学時代の 1 年後輩にあたります。ゼミ同士で議論したこともあり、当時から面識もあったわけで、そういう方が本を出していると、非常にうれしくなりますよね。


この時点で、新幹線はまだ静岡県内。目的の広島までには、あと 2 冊はいけるかもしれません !

<哲学> と 「哲学」

さて、2 冊目は、『<子ども>のための哲学』(永井均著:講談社現代新書)です。生まれてから 40 歳になる今まで、「哲学」というものに触れてこなかったことについて、個人的に何か「負い目」みたいなものがありまして、そろそろ本格的に取り組んでみようかな、と。タイトルにあるように、『<子ども>のための・・・』というぐらいですから、肩の力を抜いて読めそうですしね。


本書は、2 部構成となっています。「なぜぼくは存在するのか」「なぜ悪いことをしてはいけないのか」 よく子供が親を困らせている質問ですよね。


「ふむふむ、“なぜ、ぼくがぼくであるのか ? ぼくがあなたではなく、ぼくである理由は何なのか ? ぼくがぼくであることを辞めたとき、ぼくはどこに行くのか ? ” ・・・」 ・・・すんません、じぇんじぇん、わかりまへん・・・(T-T) 難解すぎるわーー ! 新幹線なのに、乗り物酔いしたわーーー ! ハァハァ・・・(T-T)(T-T)


この本、『<子ども>のための・・・』とありますが、決して子供向けの本ではありません。子供が持つ純真無垢な疑問を、大人(それもかなり哲学者的な大人)が突き詰めて考えようという主旨の本だったのです。永井先生には申し訳ないのですが、前半はほとんどわかりませんでした。すみません・・・(T-T)。でも、心に響くフレーズを見つけました。それは、「<哲学>とつながらない「哲学」は、もはや「哲学」でさえなく、思想( thought = すでに考えられてしまったもの)の陳列棚にすぎない。その陳列棚を眺めて思想の優勝劣敗を論じる品評会を開いたり、気に入った 1 つを買い取って、以後それを携えて生きていくことほど、反哲学的な行為はない・・・」というものです(注:ここで、<哲学>とは自分が個人的に持つ疑問、「哲学」とはソクラテスとかプラトンとか、すでに確立された学問対象としての哲学を指します)。

課題を明確にすることが重要

つまり、永井先生の主張は、こういうことです(私の勝手な解釈です。永井先生、違っていたら、すみません・・・)。<哲学>というのは、自分が持つ疑問・課題をとことんまで突き詰めて考える学問なのであって、既存の「哲学」は、その助けでしかない。だから、何の疑問も課題もない人間が、ソクラテスやプラトンを学問対象にしても、それは単なる後追い、またはファンクラブみたいなもんだということです。


これは鋭い ! 鋭いですぞ ! 例えば、われわれが、「 MBA ナンチャラ」みたいな本に群がるのも同じことなのではないか。本来なら、ビジネスに関わる何らかの疑問・課題が先にあって、まずはそれを突き詰めて、自分の頭で考えるべきなのです。なのに、すぐ解答を求めたがる。「 MBA ナンチャラ」に書いてある模範解答が、さも自分の会社にも当てはまるかのように錯覚してしまう。その会社や現場固有の<哲学>を忘れ、「 MBA ナンチャラ」といった「哲学」の陳列棚に頼っているわけです。


実際に、私は職業柄、「 MBA ナンチャラ」的な本をかなり読んでいる方だと思います。また、会社からも MBA のビジネス・スクールに短期留学させてもらいました( 『あ~アメリカ、憧れのビジネス・スクール』参照)ので、MBA のフレームワークはそれなりに理解しているつもりです。


しかし、実際のコンサルティングには、あまり役に立たない。というか、ビジネス課題の解答にはなりえない。MBA のフレームワークというのは、あくまでも「解き方の指針を導く一形態」にすぎないわけで、むしろ泥臭く解答した方がいいケースの方が多いのです。また、MBA は既に起こったことをケーススタディとして見本にしていることが多く、新しいことを考えるのには限界があることも肝に銘じるべきでしょう。


いずれにしても、自分やクライアントの課題を明確にしなければ、そのフレームワークすらも使えないわけでして、課題の明確化なしにフレームワークばかり勉強しても、意味はない。永井先生が言うところの、「陳列棚に過ぎない」わけです。


永井先生の本、非常に難解だったのですが、私にとっては数百円以上の価値がありました。 と、「間もなく、新大阪です・・・」の車内アナウンス。広島までに、もう 1 冊読破できそうです。次の本は、『高校生のための論理思考トレーニング』(横山雅彦著:ちくま新書)。本書についての感想は・・・、次回のコラムでお話したいと思います。

(次回続く)

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この記事の筆者

奈良タカシ

1968年7月 奈良県生まれ。

大学卒業後、某大手銀行に入行したものの、「愛想が悪く、顔がこわい」という理由から、お客様と接する仕事に就かせてもらえず、銀行システム部門のエンジニアとして社会人生活スタート。その後、マーケット部門に異動。金利デリバティブのトレーダーとして、外資系銀行への出向も経験。銀行の海外撤退に伴い退職し、外資系コンサルティング会社に入社。10年前に同業のライバル企業に転職し、現在に至る ( 外資系2社目 )。肩書きは、パートナー(役員クラス)。 昨年、うつ病にて半年の休職に至るも、奇跡の復活を遂げる。

みなさん、こんにちは ! 奈良タカシです。あさ出版より『外資流 ! 「タカシの外資系物語」』という本が出版されています。
出版のお話をいただいた当初は、ダイジョブのコラムを編集して掲載すればいいんだろう ・・・ などと安易に考えていたのですが、編集のご担当がそりゃもう厳しい方でして、「半分以上は書き下ろしじゃ ! 」なんて条件が出されたものですから、ヒィヒィ泣きながら(T-T)執筆していました。
結果的には、半分が書き下ろし、すでにコラムとして発表している残りの分についても、発表後にいただいた意見や質問を踏まえ、大幅に加筆・修正しています。 ま、そんな苦労 ( ? ) の甲斐あって、外資系企業に対する自分の考え方を体系化できたと満足しています。

書店にてお手にとっていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。
奈良タカシ

「タカシの外資系物語」の作者、奈良タカシさんへメッセージをお寄せください。

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